始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

土曜日の0時過ぎ(8)




「紫央?
大丈夫?」

「いや、ビキニ見てるし…って思ってましたけど、想定外にやばいですね…」


「え、やばい?
最近太ったんだよね…」

「なんでそうなるの…。
名前呼びもやばいなこれ…どうしよう…。

とりあえず覚悟してください」

「え…っ、」


そこからはもう、必死だった。

あられもない声が出るたびに、嬉しそうにする彼。

気持ちよさと共に感じるのは、すべての相性の良さ。
感覚的に初めてのものも多く、何も考えられない。

全てが終わっても、なかなか離れ難かった。

「蒼さん、ごめん、大丈夫ですか?」

「うん…、ふふっ」


とにかく嬉しくて、抱きつく。
ものすごい幸せ。

「紫央ってさ、ここにホクロあるんだね」

腰元に見つけたものをつつく。


「わっ、びっくりした。
これ、最近いきなり現れたんですよ。
だから、知ってるのは蒼さんだけです」

「そっか、ふふっ…」


「というか、いきなり触られてスイッチ入ったんで、覚悟してください」

「えっ」


とにかく、幸せな夜だった。



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