始まりは水曜日の15時過ぎ
金曜日の19時過ぎ(1)
SIDE 野田
この2週間弱、あの光景が頭から離れない。
ーーーあの、海での出来事の翌日だ。
職場を出ると隣の家の子が待っていた。
関係性としては、親友の妹って感じ。
親友は1個上の男で、向こうが病気を患ったこともあり高校入学が1年遅れて同級生になった。
入学と同時に引っ越してきたから、同じタイミングで仲良くなった。
で、その妹が待ってたわけだ。
今は大学生で、たしか21歳だったかな。
そいつからは告白されて断りはしたんだけど、諦めてくれない。
そろそろ面倒になってきてあしらうようになったんだけど…きいてないんだよな。
いつものように腕を絡めてきてあしらっていると、視界の端に蒼さんを見つけた。
しかも、泣いていて。
びっくりしてすぐ駆け寄ろうとしたけど…、横川さんが声をかけているのを見てとどまった。
問題はここから。
慰める様子や、会話、視覚と聴覚どちらから考えてもものすごく親しい感じがした。
それに、立ち去る前には、好きだと言っていた。
それを聞いたとき、頭が真っ白になった。
頭を撫でられてもされるがままで、好きだと言う蒼さん。
…俺が1番近い存在だと、思ってた。
だからこそ、ショックを受けている自分がいた。
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