始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

月曜日の17時過ぎ(6)


「泣くなよー。
なんでお前は昔から俺見ると泣くんだよ」

「ごめん…ちょっとなんかもう…弱ってるのかな…」


横川くんは、中学校と高校が同じだった、昔からの知り合いだ。
入社して再会した。

昔から、厳しいお姉様方に教育を受けたからか、女性に対してめちゃくちゃ優しい。
そして、すぐ変化に気付く。


私が意地悪された時も、悩んでる時も、落ち込んでる時も、全部、すぐ気付いてくれた。

何回も助けられているからか、彼を見ると泣きたくなる…のもあって今さらに泣いてしまっている。

「ほら、泣き止め、な?
お前の好きなチョコレート買ってやるから。
な?」

「いつの話よ…成長してないじゃん私それ。
じゃあ、高級ブランドのやつね」

「そこの成長はいらなかったぞ」


いつものように軽口を叩きながら、いつものように頭を撫でてくれる。

同い年だけど、昔からお兄ちゃんみたいだ。




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