始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

水曜日の15時過ぎ(11)


「ごめんね、見苦しいもの見せちゃって」

「いや、大丈夫ですよ。
驚きましたけど」


ですよね。
まず、普通の女らしい恥じらいもないからなぁ。

ズボラに近い。

「ごめんね。
いつも、痩せて見せるために中ギュッと締めてるから、解放感を味わう時間で…もう、諸々申し訳ない」


胸を小さく見せるために、コルセットとともにちょっと押さえている。

「これ聞いたら失礼かもしれないですが、なんでギュッと締めるんですか?
あの…その、小さく見せるってことですよね?
ありのままではだめなんですか?」

「あー…、ちょっと見ててね」


立ち上がり、少し小走りの真似する。
そしてちょっとジャンプ。

「ね?
これのせいで仕事に集中できない、って私のドジを知ってる同期に言われたから、みんなもそうなのかと思って小さくして揺れないようにしてるの」

「あー…たしかに、目はそこにいくかもしれないですね…」


不思議そうに私を目で追っていた彼だが、胸の揺れを見て気まずそうに目を逸らした。

まぁ、それが普通の反応だよね。



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