始まりは水曜日の15時過ぎ
水曜日の15時過ぎ(9)
「俺、海外事業部なんですが、こっちでも津田さんの話を聞きますから。
隙がなくて、しっかりとしてい…るんですか?」
「いや、してないです」
聞いた噂を話してくれようとしたみたいだが、一連の流れでそれも不思議に思ったらしい。
ですよね、そうなりますよね。
「あと俺、津田さんの3年後輩なので敬語ではなくていいですよ。
毎週この時間は唯一ゆっくりできる時間なんです。
まぁ、いわゆるサボりなんですけどね。
それで転々としていて、ここに入ろうとガラス越しに中見たらスカートの中も見えました」
「本当にすみません…」
とりあえず謝るしかない。
「いや、逆にすみません。
ちなみにここで何されてるんですか?」
「あぁ、私もこの時間は30分くらいゆっくりできるからここでぼーっとしてるの。
いつもは奥に座ってるから、誰か来ても遭遇することはないんだけど…、今日はデスクに持ち帰る資料を先に探そうと思って、探してたらこうなりました」
だんだんといたたまれなくなって、敬語が戻ってしまった。
いつもはこうじゃないんです!って繕えないほど、結構なドジを晒したので、もはやどうしようもない。
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