始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

水曜日の15時過ぎ(5)


「ありがとね」

「それにしても…、また薄着ってどういうことですかほんと…」


困ったように私の胸元を見る彼。
視線を追うと、透けた下着。

あー…やばい。


「はい、そこは普通隠すところです」

「すみません…」

言われて急いで腕で胸元を覆う。
溜息を吐かれ、怒られる予感しかない。


「なんのために見たと思ってんですか。
視線で訴えたのにもう…蒼さんの危機感どこなのまじで…」

「すみません…」


持ってきていたらしい、自身の薄手のカーディガンを前からかけられる。

初めて会ったときのことを思い出しながら、とりあえずこれ以上怒られないようにされるがままでいた。

どっちが先輩かわからないな、本当に。


あの時も、怒られた。


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