拉致られて世界3位以上を取るとこになりました
Online・AnotherWorld 5
フュイン
転送音だろうか。
そんな音が聴こえ、恐る恐る目を開けると……
「……凄い」
第一声にそんな言葉が出るほどに、美しかった。
現実とは違う、ファンタジー感溢れた、独特の街の風景が、視界全体に映っている。
人もかなり居て、それぞれの外見に個性が見える。
この視界に映っている者全てがプレイヤーだと言うのか。
いや、どうやらNPCもいるようで、様々な店を構えている。
……転送されたはいいが、どうすればいいのだろう。
「とりあえずメニューメニュー……メニューってどう開くんだ?」
メニューの開き方が分からない。
メニューが開けないことにはログアウトも出来ない。
開始そうそうに詰んだか?
【help:メニューは、視界のどこでもいいので、拡大するように指を動かしてください】
「おわ……help?なるほど、拡大するように指を……おぉ、出た。」
画面の端に通知のように出てきたhelpに従うと、目の前にメニュー画面が現れた。
【プレイヤー名:ライト】
【Lv:1】
【種族:人間】
【職業:冒険者】
【武器:初心者ダガー】
【装備:冒険者の衣、冒険者の靴】
……凄い弱そうなステータスだな。
まぁ、実際弱いんだけど。
メニュー画面は……画面外を触ると消えるらしい。
「さてと……これからどうしようか」
ゲーム内に足を踏み入れたはいいが、初心者……というかここ何年かゲームをしていなかったので、今の自分は初心者の中の初心者である。
「……それか1度戻ってみるのも手か」
霧生さんも、いつでも戻ってくればいいって言ってたし。
あぁでも、少しぐらい情報を手に入れてから帰った方がいいか。
とりあえずどこに行けばいいか分からないので、丁度目の前を通ったプレイヤーに聞くことにした。
「あのすいません」
「……」
声をかけたのにも関わらず、通り過ぎていった、え?
「あの!そこの髪青の人!」
「……え、俺??」
「そうです……あなたです」
「……ははは、ごめんな。俺だとは思わなくて」
もう一度声をかけたら立ち止まってくれた。
なるほど、自分だと分からなかったのか。
声をかけた人は、青の髪色をしている短髪の青年で、爽やかなという言葉が似合いそうだった。
それに何故か首輪をつけている。
どうして?
「あの、つかぬ事をお聞きしますけど、その首輪は……?」
「あ?……あぁ、これか。これは繋がりの首輪っていってな、俺の職業上これが必要不可欠なんだ。後は、俺と使い魔の契約の証でもある。ヴァル、こい!」
青年の声に反応してこちらへ走ってくる何かがいた。
小さい……けど、すばしこっそうだな。
そして何故か自分の方へ突っ込んできたのだ。
「は?……おわっ!!!」
「ヴァン!」
反射的に後ろへ下がったが勢い余って尻もちをついてしまった。
腕の中にある、ふわふわで温もりのある何か。
「これは……犬?」
「いや、狼だ。ラピスウルフっていうモンスターでな、俺の相棒だ」
ぶんぶん尻尾を振ってパンティングしている……イヌ科って感じがするなぁ。
「んで、俺たちに何の用だ?」
「あぁ、実は自分、ついさっきこの街に来たばかりで……この後どうすればいいのか分からなくて困っていたんです」
「なるほどな、初心者か。ようこそOAWへ歓迎するよ」
左手を差し出してきたので立ち上がり、ヴァルを抱えたまま右手で握手をした。
「おっと自己紹介が遅れたな、俺はラピスよろしくな」
「ライトです、よろしく」
ラピスという名前は、青が基調の彼によく似合っている。
「あ、ヴァルお返ししますね」
「お、さんきゅ。こいヴァル」
「ヴァヴッ」
その一言で、腕の中にいたヴァルはラピスの肩へと戻って行った。
「初心者だから、初期装備で行けるのは風の平原だな。ライトから見て真っ直ぐ行ったところに大きな門があるだろ?その先が風の平原だ。モンスターも弱いし最初に行くならあそこだ」
確かに、言われてみれば奥の方にやけにでかい門が見える。
何メートルあるんだ。
「なるほど、参考になります。ありがとうございます」
「いやいや、俺も初心者だった頃を思い出すよ。そういえば、ライトの初期武器ってなんだ?俺は片手剣を選んだけど……」
「俺はダガーです」
「ダガー!?そりゃあ珍しいな。初期武器にダガー選んでるやつあんまり見たことねぇよ。ダガー持つとしても、あとからアサシンを目指すやつくらいだ」
「そうなんですか」
ダガー選ぶのって珍しいのか。
使い勝手良さそうだが。
「ダガーは急所に的確に当てないと力を発揮しないからな、リーチも短いし……どっちかって言うと上級者向けだな」
「俺……もしかしてめんどくさい武器選んじゃいましたか?」
「あぁ、多分」
「まじですか」
どうやら、ダガーは初期武器には向いてないらしい。
転送音だろうか。
そんな音が聴こえ、恐る恐る目を開けると……
「……凄い」
第一声にそんな言葉が出るほどに、美しかった。
現実とは違う、ファンタジー感溢れた、独特の街の風景が、視界全体に映っている。
人もかなり居て、それぞれの外見に個性が見える。
この視界に映っている者全てがプレイヤーだと言うのか。
いや、どうやらNPCもいるようで、様々な店を構えている。
……転送されたはいいが、どうすればいいのだろう。
「とりあえずメニューメニュー……メニューってどう開くんだ?」
メニューの開き方が分からない。
メニューが開けないことにはログアウトも出来ない。
開始そうそうに詰んだか?
【help:メニューは、視界のどこでもいいので、拡大するように指を動かしてください】
「おわ……help?なるほど、拡大するように指を……おぉ、出た。」
画面の端に通知のように出てきたhelpに従うと、目の前にメニュー画面が現れた。
【プレイヤー名:ライト】
【Lv:1】
【種族:人間】
【職業:冒険者】
【武器:初心者ダガー】
【装備:冒険者の衣、冒険者の靴】
……凄い弱そうなステータスだな。
まぁ、実際弱いんだけど。
メニュー画面は……画面外を触ると消えるらしい。
「さてと……これからどうしようか」
ゲーム内に足を踏み入れたはいいが、初心者……というかここ何年かゲームをしていなかったので、今の自分は初心者の中の初心者である。
「……それか1度戻ってみるのも手か」
霧生さんも、いつでも戻ってくればいいって言ってたし。
あぁでも、少しぐらい情報を手に入れてから帰った方がいいか。
とりあえずどこに行けばいいか分からないので、丁度目の前を通ったプレイヤーに聞くことにした。
「あのすいません」
「……」
声をかけたのにも関わらず、通り過ぎていった、え?
「あの!そこの髪青の人!」
「……え、俺??」
「そうです……あなたです」
「……ははは、ごめんな。俺だとは思わなくて」
もう一度声をかけたら立ち止まってくれた。
なるほど、自分だと分からなかったのか。
声をかけた人は、青の髪色をしている短髪の青年で、爽やかなという言葉が似合いそうだった。
それに何故か首輪をつけている。
どうして?
「あの、つかぬ事をお聞きしますけど、その首輪は……?」
「あ?……あぁ、これか。これは繋がりの首輪っていってな、俺の職業上これが必要不可欠なんだ。後は、俺と使い魔の契約の証でもある。ヴァル、こい!」
青年の声に反応してこちらへ走ってくる何かがいた。
小さい……けど、すばしこっそうだな。
そして何故か自分の方へ突っ込んできたのだ。
「は?……おわっ!!!」
「ヴァン!」
反射的に後ろへ下がったが勢い余って尻もちをついてしまった。
腕の中にある、ふわふわで温もりのある何か。
「これは……犬?」
「いや、狼だ。ラピスウルフっていうモンスターでな、俺の相棒だ」
ぶんぶん尻尾を振ってパンティングしている……イヌ科って感じがするなぁ。
「んで、俺たちに何の用だ?」
「あぁ、実は自分、ついさっきこの街に来たばかりで……この後どうすればいいのか分からなくて困っていたんです」
「なるほどな、初心者か。ようこそOAWへ歓迎するよ」
左手を差し出してきたので立ち上がり、ヴァルを抱えたまま右手で握手をした。
「おっと自己紹介が遅れたな、俺はラピスよろしくな」
「ライトです、よろしく」
ラピスという名前は、青が基調の彼によく似合っている。
「あ、ヴァルお返ししますね」
「お、さんきゅ。こいヴァル」
「ヴァヴッ」
その一言で、腕の中にいたヴァルはラピスの肩へと戻って行った。
「初心者だから、初期装備で行けるのは風の平原だな。ライトから見て真っ直ぐ行ったところに大きな門があるだろ?その先が風の平原だ。モンスターも弱いし最初に行くならあそこだ」
確かに、言われてみれば奥の方にやけにでかい門が見える。
何メートルあるんだ。
「なるほど、参考になります。ありがとうございます」
「いやいや、俺も初心者だった頃を思い出すよ。そういえば、ライトの初期武器ってなんだ?俺は片手剣を選んだけど……」
「俺はダガーです」
「ダガー!?そりゃあ珍しいな。初期武器にダガー選んでるやつあんまり見たことねぇよ。ダガー持つとしても、あとからアサシンを目指すやつくらいだ」
「そうなんですか」
ダガー選ぶのって珍しいのか。
使い勝手良さそうだが。
「ダガーは急所に的確に当てないと力を発揮しないからな、リーチも短いし……どっちかって言うと上級者向けだな」
「俺……もしかしてめんどくさい武器選んじゃいましたか?」
「あぁ、多分」
「まじですか」
どうやら、ダガーは初期武器には向いてないらしい。
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