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戦闘狂の迷宮攻略 〜早熟と模倣でお前のスキルは俺のもの〜

水色の山葵

希少ドロップ



 レベル上げの最中犬を倒していた時のことそれは起こった。
 犬は光の粒子となって消えた後に牙を遺す、これが所謂ドロップ品という事なのだろう。
 今まで犬のドロップは牙だけだった、兎の角にしても犬の牙にしても猪の毛皮にしても熊の爪にしてもかさばるので一つづつしか持ってきていない。
 ただし今回のドロップはその例外にあたる。光となった犬から落ちたアイテムは黒い刀身を持った短剣だった。


 闇夜の短剣
 ランクC
 効果・移動速度向上




 樋口 徹
 レベル5
 ユニークスキル 早熟2 幸運1


 スキルは変化なしなので割愛するが、幸運というユニークスキルが追加されていた。


 幸運……そのダンジョンで最初にレアドロップを発生させた者が受け取る加護。ドロップしたことがないアイテムのレアドロップ発生率が倍になる。ドロップアイテムを鑑定することができる。


 これはかなり強い能力なのではないだろうか。
 これがあれば一番危惧していた武器がなくなって撤退せざる負えない状況に陥る可能性が減少する。レアドロップ品によっては食糧問題も解決するかもしれない。


 三階層の探索を3時間ほど行うと第四階層への階段を発見した。今階は結構な時間を必要としてしまった。追っ手が来る前に早く進まねば。


 第四階層で新たに出現したモンスターは蛇だった。緑色の表面とアナコンダくらいの体格を持つ蛇は牙をとがらせ鋭い殺気の籠った眼差しをこちらへ向けていた。
 毒がある可能性は高いだろう。蛇と聞いて最初に思い付くのは毒だ。このダンジョンという場所に発生しているモンスターはモデルになっている動物を簡単に超える攻撃能力を持っていた。それを加味すればこの蛇が毒を持っているのは必然と言えば必然だろう。


 風魔法 追い風。
 小規模の風しか操作できない今の風魔法1で使用できる数少ない手札だ。自分の敏捷を上昇させ相手は向かい風によって敏捷が減少する。


 更に短剣の効果で素早く動くことができる。地を這う蛇如きにとらえられるはずもない。
 単純な飛び掛かりによって頭に短剣を突き刺す。数秒の痙攣の後蛇は息絶えた。
 ドロップ品は今までの形式と違い瓶のような形状をしていた。鑑定結果は解毒薬。やはり毒持ちなのだろう。
 そしてこの階層の真に恐ろしい部分は毒ではなかった。奥の薄暗い空間から赤く光る点がいくつも見える。数が多すぎる。


 この階層は恐らく蛇しか出ない。しかしその数は前の階層の比ではない。


 つまりレベリングの時間だ。


 サバイバルナイフと短剣の二刀流。
 身体操作性能が向上している今の俺なら我流の剣も達人の剣へと昇華される。


 流れるように蛇の群れを切り裂いていく。何分何時間、時間の間隔すらなくなるほどの連戦をこなしていく。レベルもスキルもどんどんレベルアップしていく。最後の一匹を殺した時レベルアップと共にこれまでとは別のアイテムがドロップした。


 スキルスクロール神聖魔法
 ランクB
 効果・読むことで神聖魔法を習得することができる。


 さっそく読んでみた。


 樋口 徹
 レベル7
 ユニークスキル 早熟3 幸運1
 Pスキル 剣術2 体術3 武術3 回避3 生命感知2 聴覚強化2 風魔法2 命中1 剣速上昇1 神聖魔法1
 Aスキル アクセル ダッシュ ドリフト ジャンプ ステップ パリィ


 またよくわからん物が出てきたな。


 Pスキル……パッシブスキルの略。パッシブスキルとアクティブスキルの両方を一つ以上獲得することで情報が開示される。妨害されない限り永続的に効果を発揮し続けるスキル。
 Aスキル……アクティブスキルの略。アクティブスキルとパッシブスキルの両方を一つ以上獲得することで情報が開示される。発動を命令することで効果を発揮するスキル。
 剣速上昇……剣を使用した戦闘に限り攻撃速度が上昇する。
 神聖魔法……状態を元に戻す魔法。小規模な変動が可能。
 アクセル……発動することで現在の速度の1.5倍の速度を3秒間得る。
 ダッシュ……発動することで現在の速度の1.2倍の速度を10秒間得る。
 ドリフト……発動することで体の向きを強制的に変更する。
 ジャンプ……跳躍の際に発動することで最高到達点を1.2倍する。
 ステップ……発動することで好きな方向に一瞬で1m前後移動する。
 パリィ……相手の攻撃に対してタイミングよく発動することで攻撃を無効化する。






 どうやらこの階層では休んでいる時間も満足にもらえないらしい。生命感知に大量の反応が現れる。
 さあ第二ラウンドと行こうか。なあ?
 ああ、俺が全員片付けてやるよ。


 それは僕の破壊衝動の全てを担う人格。戦闘においては僕の数段階上の強さを持っている。
 死にかかわるような戦闘は強制的にこの人格に入れ替わる。今回は死の危険はまだないが、レベリング効率からこいつに任せた方が効率がいいと判断した。


 150cm超えの蛇、縦にうねっていて頭が俺の腰辺りにある。しかもその数は10や20ではきかないほどに多い。
 ああ、この場所はなんて俺向きなんだろうな。俺の力を存分にぶつける相手がいる。
 それだけで俺の精神は回復する。『僕』というもう一人の主人格がなぜ俺を生み出す必要があったのか。簡単な話だ。そうすることでしか守れない物を持っていたから。僕の心の安定は俺がいるから成立している。その方法は単純明快、敵を打破する事。




 アクセル、プラス、ダッシュ。両手に持った短剣でまずは二匹。光の粒となって消滅する。
 ドリフト起動。今の速度を維持したまま右方向へ切り返す。そこへいる蛇は4匹。ドリフトの効果時間は0秒から3秒の間で好きなタイミングで終了することができる。俺は最大限の時間ドリフトを持続させる。
 二回転、両手に持った短剣は計4匹の蛇を光に変える。


 蛇の動きと数は休息を許さない。更に五匹の蛇が同時に牙を突き立てる。
 ジャンプ起動。五匹の蛇の頭どうしを激突させる。動きが鈍った。
 落下の速度のまま一匹の頭に短剣を突き立て、もう一匹の蛇の頭を押さえつける形で着地する。もう一方に持つ短剣で押さえつけた蛇の頭を突き刺し、両方の短剣を左右に振るい二匹を同時に切り裂く。
 一匹だけ殺せなかった。しかしそれはあえて残した一体。


 蛇同しの激突による混乱から回復した最後の蛇が攻撃を仕掛けてくる。
 パリィ起動。短剣で攻撃を弾く。それは明確な隙となり最後の一匹に短剣を投げつけた。


 これで五匹の蛇が死んだ。まだまだ蛇は沢山いる。ああ、なんて楽しい時間だろうか……






 はあ『俺』の凶暴性も困ったものだ。こんなに解毒薬を貰っても意味ないっての。
 しかし、この階層だけでかなりのレベルが上がったな。100匹近く殺してたんじゃないだろうか。
 それにレアドロップも手に入れて、新スキルも結構な数習得した。『俺』の戦闘力には舌を巻く思いだ。




 樋口 徹
 レベル10
 ユニークスキル 早熟5 幸運1
 Pスキル 剣術3 体術4 武術4 回避4 生命感知3 聴覚強化3 風魔法3 命中1 剣速上昇3 神聖魔法2
 Aスキル Ⅰダッシュ Ⅰアクセル Ⅱスパイラルクロー Ⅰジャンプ Ⅰパリィ Ⅰカウンター Ⅰドライブ




 また新しい表記だ。
 Aスキルに関するスキルレベルという事だろうか?


 Ⅰ……Aスキルの進化回数を表す数字。一度でもAスキルが進化した場合にのみ情報開示。




 後はレアドロップの確認か。


 蛇毒の大鎌
 ランクB
 効果 斬撃を放つ場合に酸性の毒を少量飛ばす。


 いやグロいグロい。流石に封印かな。
 休憩できるフロアでもないし階段もさっきの戦闘で発見したからさっさと次の階層に行くとしよう。

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