オタクとロリ

マッチ棒

第80話〜告白〜

「慎、話があるんだけど…」

「………」

もうすぐで、花凛も中学に上がるという3月末の休日、俺はリビングにて花凛から大事な話があると言われて少し緊張していた。

「その……わたし…」

ゴクリ

「わたし…慎と一緒に…」

ゴクリ

「…また、旅行に行きたい!!!」

………。


花凛は、少し頬を赤らめながら自分の言いたいことを言った。

「え!?旅行?」

俺が問うと花凛は、「そう。旅行。……やっぱり、忙しい?」と答えた。

(…なるほど、旅行なぁ。)

俺と、花凛は去年の10月に鎌倉に聖地巡礼を兼ねたプチ旅行をした。なので、今回行くとなると2回目になる。

仕事の方は、まぁ、忙しいと言えば忙しいが別に急ぎの件でもないので、有給で休むこともできる。

「俺は、別に大丈夫だけど……でも、どうしたんだ?花凛から旅行に行こうなんて。」
そう尋ねると、花凛は「実は、この間テレビで絶景が見れる温泉があるって言ってたから、温泉に浸かって慎の日頃の疲れを癒してあげられないなかなぁ。って、思ったの。」と、なんとも泣けることを言った。

(……やばい、本当に泣きそうだ。)

***

それから、花凛にどのあたりにその温泉があるのかを聞くと、幼女はスマホ画面を見せて来た。

「ここだよ。」

どれどれ……

画面には、『日光東照宮』周辺が映っている。

(なるほど……日光かぁ。)

ここからなら、池袋から特急に乗れば一本で行けるなぁ。

「……よし!じゃあ、日光に行くか!」

俺は、声を大にしてそう言った。

こうして、2回目となる2人の旅行は決まった。

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