第79話〜カレー〜

花凛にお説教された次の日。俺は、倍の量の仕事をされられ、クタクタになりながら帰路に着いた。

「ただいま」

家に帰ると、いつものようにリビングの方から花凛が「おかえり、慎」と言いながらやって来る。

「もう、調子は大丈夫なの？」と、ネクタイやらスーツやらを脱いでいる俺に花凛は問う。

「あぁ、もう大丈夫だ。だから、花凛も心配しなくていいからな。」

今朝起きた時には、もうすっかりHPが回復していたので今日は普通に会社に行き、いつものペースで残業した。

「そうなんだ。なら、よかった。…あ！お風呂沸いてるから、入ってね。」

「おう。サンキューな、花凛。」

と、言うことで俺は花凛が洗ってくれたピカピカの風呂に入る事にした。

＊＊＊

「ふぅ〜、さっぱりしたよ。ありがとう、花凛。」

20分ほど風呂に入り、それから部屋着に着替えてリビングに向かうと、テーブルの上にはなんとも美味しそうな料理が並んでいた。

「あ、慎。今日は、わたしたくさん作ったからいっぱい食べてね。」

エプロン姿の花凛は、そう言いながらテーブルに2人分のカレーを置いた。

ーーーーーで

「「いただきます」」

今日もいつものように2人の夕飯が始まった。

「ん！？うまっ！」

俺は、花凛特製カレーを一口口に入れるとそう言った。

「な、なんだ？このカレー。辛さの中に絶妙な甘みがある。…花凛、これ何入れたんだ？」

思わず、聞いてみると花凛は、「それは、内緒だよ！」とウインクしながら言った。

(…………あ、あざとい。そして、可愛い。)

それから、俺は大食い選手の如く速さでカレーを食べ「花凛、おかわり」と早くもおかわりをした。

(…人間、やっぱり美味しいものには敵わないな。)

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