オタクとロリ

マッチ棒

第75話〜酔っ払い〜

「じゃあ、二次会行く人〜!」

午後10時、居酒屋の外に出るとベロベロの山口がそう言った。

「悪い、俺は帰る。」

「じゃあ、俺も」

俺以外の同僚は、皆そう言って帰って行く。

「鬼月ぃ〜、お前は〜?」

山口は、俺の肩に手をかけそう言う。

「馬鹿野郎、言ってる本人が酔ってんじゃねぇか。今日は、もう帰るぞ山口ぃ。」

なので俺は、そのまま歩き出し彼にそう伝えた。

なんとか無事に駅に着き、電車に乗る。

幸い、俺と山口は帰る方向がおんなじなので送ってやることにした。

電車に乗ると山口は、ガァーといびきをかきながら眠りにつく。

(…まったく、こいつも変わらないなぁ。)

それから、電車に揺られること15分。

「おい、山口着いたぞ。」

酔っ払いの家近くの駅に着いた。

なお、山口は今もいびきをかきながら気持ち良さそうに寝ている。

俺は、彼を担ぎ駅を出て家まで運んだ。

駅から大通りを歩くこと5分。

「ほら、お前の家だぞ」

背中にいる彼にそう言うと、「ん〜…まだ起きたくないよぉ〜」とギャルゲーヒロインが言うと可愛いであろうセリフを吐いた。

(…くそ。この野郎め)

俺は、彼の鞄から家の鍵を取り玄関扉を開け彼をベッドの上に放り投げ、帰路に着いた。

***

「ただいま」

午後10時30分すぎ。いつもより遅い時間に家に帰る。

なるべく物音を立てずに、靴を脱ぎ、ネクタイを取りスーツを脱ぎ、風呂に入る。

5分ほど湯に浸かり出て、部屋着に着替えリビングに向かう。

花凛は………と、寝てるか。

リビングを見ても、いる気配がしないので寝室を覗くとスースーと寝息を立てながら気持ち良さそうに寝ていた。

それから、軽く晩酌をして俺も眠りについた。

(……にしても、久しぶりに居酒屋で飲んだなぁ。)

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