オタクとロリ

マッチ棒

第74話〜飲み会〜

節分のコスプレイベント?から一週間が経ったある平日のこと。

俺は、同僚数人と仕事帰りに居酒屋で酒を飲んでいた。

***

『すまん、花凛。山口達と飲むことになったから、帰りがいつもよりも遅くなる。だから、先に寝ててくれ。』

時刻は、午後7時すぎ。

キッチンで夕飯の準備をしようと、玉ねぎを切っているとケータイに一通のメールが来た。

なんだろうと思い、包丁を置き見に行くとメールは、慎からのものだった。

……そっか、遅くなるのかぁ。

わたしは、スマホを置き再び玉ねぎを切り始める。

慎に拾われて、今月で半年が経つ。

その半年の間にわたしは、色々なことを慎のおかげで知ることができた。

オタク知識とか、メイドさんとか、幼女とか………。そして、慎のことが好きと言うことも。

もし、あの時あの公園で慎がわたしのことを救ってくれなかったら、と思うと途端に涙が溢れてきた。

………慎、好き。

***

「すみませ〜ん。枝豆と生、おかわりくださ〜い。」

「はーい。ただいま。」

会社近くの居酒屋に入って早1時間。

俺以外の同僚は、皆すっかり酔っ払っていた。

「なぁ、鬼月ぃ〜。聞いてるのかぁ〜」

注文を終えた俺のところに、ほろ酔い状態の山口がダラがらみしてくる。

「お前は〜いいよなぁ。あんなに可愛い親戚がいてよ〜」

「はいはい。そうだな。この、ロリコンめ」

適当に話を流しながら、俺は家にいる花凛のことを気にしていた。

(……花凛のやつ、1人で大丈夫なのか?)

今まで、1人でいたことに心配したことは無くはなかったけど今日は、なんだかいつも以上に心配だ。

(………なるほど、これが親心というやつか。)

          

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