第34話〜入学〜

「それじゃあ、転校生に挨拶してもらいましょう。…入ってきて。」

と、二十代後半の女性に言われ花凛は教室のドアを開ける。それから、黒板の前に行き一度深呼吸をしてから自己紹介を始めた。

「は、はじめまして。鬼月花凛です。今日から、よろしくお願いします。」

花凛の突然の転校にクラスメイトたちは少し戸惑っていた。

「はい。という事で今日から、この6年3組の新たな仲間になります。みんな、仲良くしてね。」

すると、担任の岡元先生がみんなに言った。

一方その頃、俺はというと…

「それじゃあ、今日からよろしくお願いします。」

「いえ、こちらこそ。うちの学校に転校してくださってありがとうございます。」

学校長と、今後について話していた。

話し合いを終えて、俺は学校を後にする。

(…それにしても、学校って久しぶりに行ったなぁ。)

そのまま、会社に行くため電車に乗っていた俺は心の中でそう思った。

「ねぇ、ねぇ。花凛ちゃん。どこの学校から来たの？」

休み時間になると、クラスメイトの子たちが次々に花凛に話しかけてきた。

花凛は、慎から「前までは、田舎の方の学校にいて、親の仕事の都合でこっちにきた。」そう言うように言われていた。

…じゃないと、いろいろと面倒な事になるからな。

「えーと、遠くの方の学校だよ。」

花凛がそう言うと、クラスメイトたちは「ふーん。そうなんだ。」と言いさらに質問をしてきた。

結局、この日花凛は一日中クラスメイトたちから質問を受けたのであった。

その日の夜。自宅のリビングにて。

「なぁ、花凛。学校はどうだった？」

「うん。楽しかったけど、ちょっと疲れた。」

慎にそう聞かれた花凛は、素直に答えた。

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