オタクとロリ

マッチ棒

第22話〜整理〜

夏の大イベントまで残り二週間となった休日、俺と花凛は部屋の整理をしていた。

「ねぇ、慎。」

「ん?どうした?」

寝室で本棚の中身を出していると、側で同人誌(一般向け)を読んでいた花凛が話しかけてきた。

「この同人作家さんの他の本はないの?」

「えーと、確かリビングの棚の方にあった気がするなぁ。…なんだ?気に入ったのか?」

「うん。この人の描く、幼女の絵すごく可愛いの。」

「そうか。そりぁ、良かったなぁ。…確か、今度の祭りに新作出すって言ってたなぁ。」

「本当?読みたい読みたい。」

先日の一件の後、花凛と色々話し合った結果成人向けの本も『目に入らないところになら置いておいて良い。』と、いうことになった。

だが、花凛に「その代わり、幼女について教えてくれ」と、言われてしまい三日ほどかけてみっちりと教えれ上げた結果、花凛は小学六年生にして幼女沼にハマってしまった。

(……これは、花凛の親が見たら間違いなく泣くな……。)

と、言うより花凛がなぜ幼女に興味を持ち出したのかが気になる。

(…まぁ、そのうち聞いてみよう。)
それより、なぜ今の時期に本棚の整理をしているかというと……
……もうすぐ、待ちに待ったあのイベントがやって来るからである。

毎年二回開催されるそのイベントは、恐ろしいことに『買うつもりのないものまで買わせてしまう』と、いう魔法が会場全体に仕掛けられている。
なので、去年買ったものを棚から出し、今年買ったものをしまえるようにしているのだ。

これぞ、オタクの技の一つである、奥義・コミケ掃除だ。

(………それにしても、凄い数の漫画と同人誌だなぁ。)

寝室だけで大きい本棚二つ分(約1000冊)はある。それに合わせて、同人誌(一般向け)が40冊。寝室だけで約1040冊以上の漫画がある。

(………これは、整理するのも一苦労だな。)

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