オタクとロリ

マッチ棒

第20話〜先輩〜

「いってらっしゃい」

「あぁ、行ってくるよ。」

週の始まり月曜日。いつものように家を出る。

自宅から駅までの15分間、俺はいろいろ考えていた。

花凛と出会って今日で5日。

お互いにだいぶ慣れてきたところだ。

ピッ!

駅に着き、改札に入り今日もまた満員電車に乗る。

ホームには、数え切れないくらいの人がいてごった返している。

そして、皆電車のドアが開いた瞬間一斉に乗り込む。

……。この光景を田舎もんが見たら、腰を抜かしそうだなぁ。

(まぁ、俺も上京してきたばかりの頃は毎朝ビビってたけど。)

でも、怖いことにもう随分と慣れてしまった。

プシュー!

電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出した。

(全く、この人たちは、毎朝毎朝何を思いながらこの満員電車に乗っているんだろうか。)

少なくとも俺は、亜耶さんのスタイルの良さとか最近では、花凛の事とかもう直ぐ開催されるあの祭りについて考えている。

(亜耶さんの旦那は、何を求めて結婚したのだろうか。もし、俺だったらあの大きい胸とスタイルだな。)

と、あれこれ考えていると会社のある駅に着いた。

そんでもって、今日もこの会社までの一本道をただただ歩く。

「よ!慎くん。」

すると、突然背後から声をかけられた。

誰かと思い、振り返るとそこにいたのは大学時代の先輩である霜中有紗(しもなかありさ)だった。

「え!先輩。どうしたんですか?こんなところで」

俺は、驚きのあまりそう聞いた。

すると、有紗先輩は笑いながら「いや、何。仕事でたまたまここら辺に来ていてね。そしたら、たまたま君を見つけたのだよ。」

………なんたる偶然…。

有紗先輩とは、大学のある講義で隣の席同士だった。

でも、俺より先に卒業してしまったので卒業後はあっていなかった。

なので、ざっと5年ぶりくらい。

「慎くんは、今何してるの?」

有紗先輩が、聞いてきた。

「えーと、しがないサラリーマン…ですかね……」

俺がそう答えると、「慎くんは、まだそんな歳じゃないだろ」と、笑って言った。

そんな感じで、出会って5分くらい話していた。

「おっと、そろそろ行かなきゃね」

「あ、俺もです。」

「じゃあ、また今度時間がある時にでもゆっくり話そうよ。」

「はい。是非そうしましょう」

そう言って、別れた。


それから、職場に行きいつものように意味があるのかわからずパソコンに向かって仕事をした。

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