同棲。

マッチ棒

第18話

探した結果、莉緒ちゃんはあっさりと見つかった。

彼女は、私のベッドですやすやと気持ちよさそうに寝ていたのだ。………下腹部を露わにしながら。


(………へ?なんで?)


***


眠りについてどれくらいの時間が経ったのだろうか。

わたしは、自分がズボン及びパンツを履いていないことに気がつき慌てて飛び起きる。


2月だというのに毛布もかけずに下半身を丸出しにして寝ている。こんな姿なんていくら有希さんでも、見られたら恥ずかしい。

そう思いながら徐にパンツ及びズボンを履く。


それから、ゆっくりと立ち上がり寝室を出てリビングへと向かった。

テクテクとゆっくりリビングへ行くと、テーブルの上には有希さんの鞄。そして、テレビの前のソファーには有希さんいた。


「あ、莉緒ちゃん」


有希さんはわたしに気づくと体をこちらに捻らせてそう名前を呼ぶ。


(え?なんで…有希さんが…)



私が寝室で寝ている莉緒ちゃんを見つけてから数10分が経過していた。

テレビ前のソファーに座りながら、さっきの莉緒ちゃんの様子や全然関係ないことを考えていると、背後に人が立っている気配がした。


私は、気配のする方に体を捻らせる。

すると、そこには下(ズボン)を履いた莉緒ちゃんが立っていた。


「あ、莉緒ちゃん」


名前を呼ぶと彼女は、なんでここにいるの?と言わんばかりの顔でこちらを見てくる。


「莉緒ちゃん?」


再び名前を呼ぶと彼女は硬直していた体をわずかに動かして「ゆ、有希さんおかえりなさい」と返事した。



***

それからそれから。


「そういえば、来週の月曜日学校が創立記念日で休みだからどこか出かけない?」

私は、先程HRで2月10日が創立記念日だということを知った(正確には忘れていて思い出した)のでそのことを夕飯の生姜焼きを食べながら莉緒ちゃんに報告した。


すると、彼女は「じゃあ、遊園地に行きたい」と付け合わせのポテトサラダを口に運びながら答える。


「なるほど…遊園地かぁ〜」


(最後に行ったのはいつだったっけ?確か、2人がまだ生きていた時だったから2年くらい前かなぁ?)


あーだこーだ思い返す。


「よし!じゃあ、月曜日は遊園地に行こう!」

「うん。」



そんな感じで私たちの一週間は幕を閉じた。












          

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