同棲。

マッチ棒

第13話

翌日の朝食にて。

「ゆ、有希さん…」

私が目玉焼きの黄身の部分を箸で割っていると、莉緒ちゃんは言った。

「わたし、子供が欲しいです」

「………え!?」

***

莉緒ちゃん、こ、子供が欲しいって……


バイト先に向かいながらさっきの言葉の意味を考える。

子供…children。自分の子。娘,息子。


生物学的に子供を産むには、オスの性器をメスの性器(子宮)に入れて精子を出し受精される。

最近では、精子濃度の薄い人や受精しにくい人のために人工授精などが行われている。


………だめだ。ネットで調べても自分で考えてもこれくらいの事しかわからない。

朝、莉緒ちゃんが言った「子供が欲しい」という言葉は、お母さんになりたいということか、もしくは私と結婚したいとということなのだろうか。


と、いうかそもそも女同士で子供なんか出来るのだろうか。


『マウスの卵子だけで赤ちゃんが誕生!』

調べてみると、そんな驚きの記事を見つけた。が、しかし人間のことについては書いていなかった。

……そりゃあ、そうだよな…。ハハハ。


なんて事をしていると、バイト先の駅に着いた。

***

「ただいま」

家に帰ると、リビングの方から何やら話し声が聞こえて来る。

「莉緒ちゃん?」

不思議に思いつつも奥へと進む。



廊下からリビングの中を覗いてみると、そこには下腹部から透明な液体を出して仰向けで寝ている莉緒ちゃんと、卑猥な音と映像が流れているタブレットがあった。




「え?」












          

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