同棲。

マッチ棒

第10話

午後9時、学校が終わり帰路に着く。

朝来た道を歩く。

仕事帰りのサラリーマンが大勢いる電車に乗り我が家へ。

「ただいま」

鍵を開け扉を開き中に入る。

家の中には、ほのかに甘い匂いが漂っていた。

「莉緒ちゃん?」

鞄を玄関に置きリビングへと向かう。

リビングに行くとそのには、3日前にコンビニで出会いうちに連れてきた中学生の姿が。

彼女は、置いてあるテーブルによくあるノートを広げて何かを書いていた。

「ただいま、莉緒ちゃん」

声をかけると彼女は、は!と、こちらに気づき急いでノートを閉じる。

「お、おかえりなさい。」

昨夜、初夜を過ごした中学生は驚きながらそう言った。

「何、書いてたの?」

「べ、別に何も……」

「そ、そっかぁ。……じゃ、じゃあご飯にしようか」

私はそう言うと、キッチンへと向かう。

「……せつ。」

「ん?」

冷蔵庫を開けたタイミングで莉緒ちゃんは、何かを呟く。

「どうしたの?」

聞き返すと、彼女は頬を赤らめながら「しょ、小説を書いてたの」と言った。

……なるほど、小説かぁ。

***

「それで、なんの小説を書いてたの?」

夕飯に作った生姜焼きを食べながら、私は莉緒ちゃんに尋ねる。

すると、彼女は小さい声で「ゆ、百合」と答える。

なるほど、百合ねぇ。

百合というのは、女の子同士の恋愛のことでアダルト系とかだと(別にそうじゃなくても言うけど)レズビアンとも言う。

………つまり、昨夜の私たちのことだ。

「莉緒ちゃんは、将来小説家になりたいの?」
「う、うん。……でも、わたしなんかの小説人に見せるほど面白くないし。」

「そんなことないよ。」

「え?」

私は、強気でいく。

「夢を簡単に諦めちゃダメだよ。」

「で、でも……」

「そんなに自信ないなら、私が読んであげるよ。」

「え?いいの?」

「うん。だって莉緒ちゃんが書いた小説だもん。読むに決まってるじゃん。」



と、言うわけで私は、莉緒ちゃんが書いた百合小説を読むことにした。



          

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