同棲。

マッチ棒

第6話

「私のブラとパンツがない。」

……え?!うそ、下着泥棒にでも盗まれた?…いや、でもこの部屋3階だし。可能性としては低いはず。

とりあえず、間違って落としていないかベランダに確認しに行く事にした。

「……やっぱり、ない…」

ベランダを探す事、数分。

やはり、私の下着たちはなかった。

…どうしよう。警察に言った方がいいのだろうか。それとも、もうあのブラとパンツは諦めた方がいいのだろうか。

私の中で、もう1人の私と葛藤する。


あれこれ考えていると、「どうしたの?」と言いながら、お風呂から上がった莉緒ちゃんがこちらにやって来た。

「あ、莉緒ちゃん。…どうしよう、私のブラジャーとパンツが誰かに盗まれちゃったみたい。」

私は振り返り、風呂上がりの家出少女に助けを求める。

すると、莉緒ちゃんは少し動揺した様子で「そ、そうなんだぁ」と言う。

……なんか、怪しくない?

それから、私はとりあえず今畳んでいた洗濯物をタンスにしまいお風呂に入る事にした。

***

「ハァ〜…本当、下着どこ行っちゃったんだろう。」

湯に浸かりながらそう呟く。

朝、干した時はあったのに…。

もし、このまま見つからなかったら新しいのを買うしかないのかなぁ。それとも、買わない方がいいのかなぁ。

迷う。仮に犯人が見つかったとして、私はなんて言えばいいのだろう。

きっと、いざ犯人とご対面したら怖くて何も言えない気がする。


そんなことを考えながら、お風呂から出て体を拭く。

…一応、莉緒ちゃんに何か見ていないか聞いてみるか。あと、さっきのあの反応は怪しかったし。

***

で、脱衣所でパジャマに着替えて寝室へと行く。


寝室前に着くと、中から何やら莉緒ちゃんの声が聞こえてくる。

(ァァァ//)

…何?小さくてよく聞こえない。

私は、集中しながら中の音を聞いてみた。

「アッアッア//有希さん有希さんアッ//しゅき〜//」

…………。

部屋の中からは、はっきりとそう聞こえた。

…これって、喘ぎ声?













つづく

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