転生ヒロインに告ぐ!この世界はゲームじゃない!

茄子

06 留学生とのスキンシップ(セイラ視点)

 ごきげんよう皆様、セイラ=ウィルゴでございます。そろそろ名前を憶えていただきましたでしょうか?
 さて、先日お話ししたように、私はもう卒院に必要な単位は取得してしまいましたので、この学院では更なる己の鍛錬と社交という名の人脈作りを行っていく予定になっております。
 人脈作りにはもちろん他国の方も含まれておりますので、全体休日2日目である本日は他国からの留学生との交流会を開くことになりました。
 今年の新入生の中に留学生は7人、男性が2名と女性が5名。例年よりも多いのはこの国の王子であるカイン様が入学なさるからですわね。
 どの方も王族もしくは純王族・公爵家の方々ですので軽く扱うわけにも参りませんし、かといってあまり好待遇にするとつけあがらせてしまったり我が国の生徒が不満に思うこともあったりとなかなかに調整が難しいところです。

 エーギロス帝国より第3皇子ガイナック=エーギロス様。正妃腹ではあるものの、側室の生んだ兄二人が優秀なため王太子の座にはつけずにいる。
 こげ茶の短髪に優しげな面立ちではあるが眼鏡をかけているせいで冷たい印象に見える方。噂では大公の地位に下ったのち兄を支えるために宰相の座を目指している。

 エッケウ王国より第2王子アイトリー=エッケウ様。側室の子であり、すでに正妃の子である兄が立太子しているため学院卒業後にしかるべき家へ婿入りすることになっている。
 黒髪のロングストレート、紫色の目の美しい方。入寮後からすでに複数の女性との交際が噂されている遊び人。

 ラウニーシュ神国より、第1王女ヌルガ=ラウニーシュ様と第2王女メンヒジル=ラウニーシュ様。側室の子ながら第一子であり優しく有能と噂のウェーブかかった豊かなピンクブロンドに碧眼のヌルガ様、正室腹ながらも第三子で第2王女である金髪に青い目のメンヒジル様。
 今回の留学にまずヌルガ様が選ばれ、そこに正妃が自分の娘をねじ込んだというのがもっぱらの噂。第三子までがすべて同い年、生まれ月もほぼ変わらないというのだから、ラウニーシュ神王は随分お盛んなことだ。
 
 ウアマティ王国から、王弟君のご息女ケーテ=メックラム様。聡明で福祉活動に熱心で国民からの人気が高い。それだけに先に入学している王女であるフロレーテ=ウアマティ様より妬まれているというのは有名な話。
 銀とも言えないグレーのつややかな髪と薄い水色の瞳の幼い顔立ちのかわいらしい方。

 グシオセ神国より、ペレト=ピヤタロス公爵令嬢。褐色の肌に金色の髪、金色の目の我が国とは随分と肌色の違うご令嬢。性についても開放的なお国柄なため、我が国に連れてきた従者が情人だとかすでに男子生徒と深い仲になっているなどという噂のある方。

 サンダネル帝国より、第1皇女アルスデヤ=サンダネル様。立太子こそしていないがサンダネル帝国は代々第一子が皇位を継承することになっているため、卒院後立太子するのではとの噂。ここにきているのは継承権でもめており暗殺を避けるためだとか、立太子後の後宮に入れる側室探しとも言われている。

 この7人と私とカイン様の9人での交流会はカイン様の何とも言えないおっとりとした挨拶もあって、幾分の緊張感はあるものの和やかな開始となりました。

「お初にお目にかかります、ウアマティ王国より参りました、メックラム大公が長女ケーテと申します」
「初めまして、ウィルゴ公爵家が長女セイラでございます。ケーテ様のお噂はかねがね、福祉活動に熱心に励まれる心の清い方だと」
「まあ!私こそセイラ様のお噂をお聞きして、ぜひお会いしたいと父にお願いして留学してまいりましたの」

 そういって目を輝かせてくるケーテ様にどんな噂だろうと笑みの下で嫌な汗を流しながら、嬉しいといったように頬に手を当てて照れて見せる。

 私の噂、噂ねえ。……ろくなのが思いつかないですわ。

「たった一人で、しかも8歳の少女が魔狼を従えたとか、魔物の軍勢をわずか10歳で迎撃軍に加わりご活躍なさったとか!ああ、今思ってもセイラ様の武勇に胸が躍りますわ。そんなにも儚げで嫋やかでいらっしゃいますのに、まるで物語に出てくる神の乙女や精霊の愛し子様のようですわ」

 うっとりと、恋する乙女のような視線を受けて照れて謙遜する下でダラダラと否な汗が流れてくる。
 他国まで若気の至りの、はっちゃけ具合が広まってるとか恥ずかしくてお嫁にいけないじゃないっ!あ、カイン様のお嫁に行くんでしたわね。
 まあ、他国では女性が戦うというのは珍しいですし、子供が戦闘に参加するというのもあまりない話ですから珍しいのでしょうね。
 我が国では当たり前(12公爵家に限る)なので深く考えずにやりすぎた幼少の思い出というのは、あれですね、黒歴史というものになってしまいますのね。
 それにしても10歳で迎撃軍に加わったり、魔物の討伐に参加しているのは私だけではないのですが、あの魔物の大軍というのがデビュー戦でしたので目立ってしまいましたのね。

「その話アタシも混ぜて。初めましてグシオセ神国のピヤタロス公爵の長女、ペレトです。セイラ様とケーテ様でいいのよネ?よろしく」
「まあ、もちろんですわ。ウィルゴ公爵家長女セイラです。こちらこそよろしくお願いします」
「ウアマティ王国メックラム大公家長女、ケーテで名前はあっておりますわ。私もぜひよろしくお願いいたします」

 ぴっちりとした制服を幾分、特に胸元を着崩しているのですが、寒いのかストールを羽織っていらっしゃるという矛盾を感じる格好ですが、まあ別に規則違反ではないですしいいでしょう。制服のアレンジは度が過ぎなければ自由というのが学院の規則です。

「アタシも聞いてるヨ、セイラ様の噂」
「まあ、お恥ずかしい」
「えー恥ずかしがることないヨ。魔物の軍勢を一瞬で消し去ったとか、荒ぶる神獣を鎮めたとか。アっ!あとドラゴンを従えたっていう噂はホント?」
「ま、まあ、うふふ。ドラゴンを従えるなど私ごときではとてもとても」
「エー?そうなの?でも他のはホントなんだー。すごいネ」
「流石セイラ様ですね。他の国にもきっとセイラ様の武勇伝は広まってますもの」
「そ、そうでしょうか」

 ヤバイ、どこの誰だその情報を垂れ流したのは。正確には従えたのではなく加護をいただいただけですので正確ではないですが、私のイメージが武骨なものになっていくではないですか。

「妾も美しい花々の輪に混ぜてくりゃれ。既知とは思うが妾はサンダネル帝国第1皇女アルスデヤじゃ」
「グシオセ神国のピヤタロス公爵家、長女ペレトだヨ。よろしくネ」
「ウィルゴ公爵家長女セイラです。美しい花なんて、アルスデヤ様こどサンダネル帝国の花と有名ではありませんか」
「ウアマティ王国メックラム大公家長女、ケーテともうします。セイラ様のおっしゃる通りですわ、私なぞ皆様と並ぶなど恐れ多いことにございます」
「なに、謙遜することはない。十二分に美しい花々じゃ。それで、セイラ様の武勇伝の話か?」
「ええ!セイラ様の素晴らしい噂が本当かと聞いておりましたの」
「ふむ。妾が耳にしたのはその美しさに惹かれた精霊や神がセイラ様に愛をささやいたというものがあるの。かの方々より愛を囁かれるなど、まことに稀有なことよ」
「まあ、噂というものには尾びれや背びれがつきますのね」

 ひきつらないように気を付けながらいうと3人は笑みを浮かべながらも私の言葉を待っているのがわかる。

「複数の精霊や神より加護をいただいているのは真実ですわ」
「それだけでも十分にすごいヨ!普通加護なんて一つ貰えれば十分ヨ」
「そうですわ。流石セイラ様です!」
「うむ。そのように折れそうなほど細い体つきというのに、人は見た目では判断できぬの。……もっとも、ここは人よりも随分豊かじゃがの」

 そういって制服の上から思いっきり胸を下から持ち上げられてしまう。別に女同士だから気にしませんが、一応男性の人目もあるのですが…。

「確かに大きいネ!アタシより大きいかな?ん~同じくらいネ」
「あ、あのお二人ともセイラ様が困っておりますので」
「気にしておりませんよ?」
「ふぇ!?」

 持ち上げられているところを背後に回ったペレト様に思いっきりもまれて大きさを確認されてますが、別に気にしません、これで削れてくれれば御の字ですし。

「ある程度大きくなってくるとこういった行為は女同士ではよくあることです」
「そうヨ。ケーテ様も混ぜてほしいならするヨ!」
「うむ、ケーテ様は……いささかささやかであるの」
「わっわたし!?遠慮します」

 真っ赤になって両手で胸を隠すように交差させてますが、いいですね、私がその恰好すると胸が寄って余計に目立つんですよね。
 それにしても、背中に当たるペレト様の胸が気持ちいいですわね。今まで私ぐらい胸の大きな方にこうして密着することがなかったので初めての感触ですわ。なるほど、これでしたら確かに男性が胸の大きさを求めたりするのもわかる気がします。
 まあ、私は自分の胸は削れればいいと思ってますけど、邪魔ですし。

「ほれ、ケーテ様も触ってみるが好い。やわこくてふわふわじゃぞ」
「え?えぇ!」

 アルスデヤ様に手を引っ張られてケーテ様の手が私の胸の上に置かれる。

「……やわらかい」
「そうであろう、それにこの弾力。この大きさでこの弾力を保つとはよほど手入れをしているのであろうの」
「特に何もしてませんわ。日々の体力作りなど体は鍛えておりますけれど」
「ふむ、そういうものかの」
「ほっぺもすべすべヨ~」

 無心になって私の胸をもみ始めたケーテ様と、なにやら胸の弾力の鍛えかたを考え始めたアルスデヤ様をよそに、ペレト様が背後からほっぺたをくっつけてスリスリなさってます。
 身長が私より高いですし、より密着した格好になりますけど体勢に無理はない様子ですね。

「ヤー、こんなセイラ様の婚約者をしてるカイン様が羨ましいヨ」
「確かに…やわらかいです」
「うむ、これで閨も充実しておれば文句などな「はい、そこまでー」
「あら、カイン様」

 ほっぺたにスリスリされたり胸を揉まれたままの姿勢で視線だけ横にずらせば、笑みを浮かべたカイン様がさりげなく私の腕を引っ張ってご自分の横に移動させました。

「僕の婚約者だからねー。これ以上は駄目ー」

 おっとりというカイン様に、3人は視線を合わせると肩をすくめて同時に頭を下げる。

「申し訳ありません、つい誘惑に負けてしまいました」
「ごめんなさいネ。触り心地がよかったヨ」
「すまぬの。女としてついその美の追求をしてしもうた」
「私は別に気にしてませんので、頭を上げてくださいませ」
「僕は気にするよー」

 そう言って背後から私の肩に頭をのせて胸の前に手をまわして組むカイン様にケーテ様たち3人が微妙な顔をしていますが、どうしたことでしょう?
 ちなみに残りの留学生の方々ですが、カイン様に秋波を送っていたり、私たちの会話に加わろうとして機会を逃して戯れている様子をガン見したりしていたそうです。

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