婚約者が浮気したので、私も浮気しますね♪
04
神殿に移動した私たちは、枢機卿たちが利用するエリアに集まることにいたしました。
「勇者様方はヨハン様と旅をしていて何か不審な部分を感じなかったんですか?」
「不審というか、ドロテア王女と恋人になったと聞いた時は驚いた、というぐらいだな。そんなそぶりはなかったし」
「私も、あの時はいささか強引で、思考がマヒしたように思えていました」
「そうなのですか…」
魔人の魔眼を使用していましたから仕方がありませんね。
「魔王と契約したのはやはりドロテア様への恋心を利用されたと考えるべきでしょうか?」
「その可能性は高いですね」
はあ、魔人の1人を退治するぐらい簡単な事なのですからすぐさま終わらせてレインといちゃつきたいものです。
そう思って体をくっつけたら慌てた様子で私の方をちらちらとみてきます。
「レインは私が守りますので勇者はドロテア王女を守ってください」
「もちろんだ」
「とにかく、この神殿で迎え撃つにしても防御を固める必要がありますね。王女は防御魔法に覚えはありますか?」
「申し訳ありません攻撃魔法の方に才能が偏っておりまして」
「わかりました、レイン」
「はい、私の方でも巫女・神官に声をかけて神殿全体に魔法防御をかけさせますが、物理の防御となりますと些か難しいものがございますね」
「そこは私がやりましょう。物理防御魔法陣も扱えますからね」
やはりレインは優秀ですね、自分が成すべきことをしっかりと把握しています。自分に自信がないところを除けば本当に完璧なのですが、そんなところもかわいいですよね。
その日の夜、私は普段通りの礼服を着てルイがやって来るのを待ちます。
レインはシュミーズドレスの上に鎧ドレスを着てニワトコの杖を持って戦闘態勢ばっちりですね。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ですわ、シャルル様も一緒にいてくださいますし」
「勇ましい姿のレインも素敵ですが、やはり私としてはいつもの優しい姿のレインのほうがこのましいですね。早くかたを付けたほうがよさそうです」
「そういえば、シャルル様はヨハン様が魔人になったのにはお気づきにならなかったのですか?私は恥ずかしながら全く気がつきませんでしたわ」
「魔素を押さえる道具を使っているのでしょうね、私も気が付きませんでしたよ」
嘘ですけどね。実際は私が魔人にしたんですし。
さて、そろそろ近づいてきた気配がしますね。
「…来ました」
「え」
言うが早いか、隣室から爆発したような音が響き渡りました。
「やはり狙いはドロテア王女ですね」
「誘拐でもするつもりなのでしょうか?」
「さあ、どうでしょうか」
まあ誘拐でしょうね、そうして南に逃れると言ったところでしょうか?
とりあえず隣室に行きますとルイと勇者が戦っていました。
「ドロテア王女様、攻撃魔法を!時空を司る神よ、彼の物と我らが間に壁を作れ。tivangisbo mutnematset mumod susserger susac tse sirbenet ni ,itpac ihS ,mutcefearp siciv-oitaps ni tis sueD douq ,olov sov amahO sesearp」
レインの魔法がドロテア王女を守っています。レインは強めの魔法を使う際は呪文の同時併用をする癖がありますね。いつかなおさせた方がいいでしょうね。
「勇者様!お願いしますわ」
「任せろっ!たあぁあ!」
「gnittuc douq maite coh da oisnopser nI nijuF ed tnuregufnoc murref ,sugirf m'ekasirik」
風魔法でルイを攻撃するとやはり効いていますね。物理攻撃と魔法攻撃の同時防御を張ることは出来ないようですね。まだまだというところでしょうか。
「炎の神よ、その力を持って敵を焼き払え!eauq mammalf ni ammalf ereru esukusT suem sucimini ,tse muroed siv eammalf ihim ad」
第一王女殿下の魔法もなかなかですね。けれどもまだまだ甘い部分があります。
「ドロ、テア…」
「ヨハン、なぜこんなことをしたのですか」
「ハ、ハハ、ハハハハハハハ」
「ヨ、ヨハン」
……壊れてしまいましたか?突然笑い出したルイにレインが怯えてしまいました。これは許すことが出来ませんね。
懐から銀水晶のペンダントを出して攻撃魔法の準備をします。
「どうして!?どうしてだと!そんなもの決まっているじゃないか!ドロテアが好きだからだよ!身分違いで手に入れることもできないからな!こういう手段に出るしかなかったんだよ!力さえあれば何でもできる!勇者にだって勝てるんだ!」
「Mecul acigam a tnus atcaf ied inimod enimon ni elanigiro erodo xe tse enidutirama ni snarugluf helas helas」
光魔法を放ち、ルイを消滅させます。下手に生き残られて何か言われても困ってしまいますからね。
それに、これでも魔人を倒した実績を持っている枢機卿ですからね、魔人ぐらい倒すことは出来ますよ。
「ドロテアァァァァ」
「ヨハ、ン」
消滅してしまったルイを見て、わざとらしく口を開く。
「しまった、うっかり消滅させてしまいました。あまりにも強大な敵だったので手加減が出来ませんでしたね」
「……そうですか」
「シャルル様、あの…」
「レイン、話しはあとで」
何か思うことはあるのでしょうが、話しは後にしましょう。
「とりあえず魔人は片付きましたし、お部屋を移動しましょう。準備をさせますのでいったんシャルル様のお部屋に皆様で集まってはいかがでしょうか?」
「そうですね」
「そうさせていただきますわ」
「わかった」
その後、私とレインには執務という業務が襲い掛かってきましたが、勇者と第一王女殿下は何やら甘い雰囲気になっているようですね。
「ドロテア王女、もし魔王の善悪を確かめることが出来、もし悪であった場合討伐することになるが、その暁には結婚をしてほしい」
「勇者、いいえゲラルド、その言葉をずっと待っていました」
そういえば、勇者の名前はゲラルドというのでしたか。すっかり忘れていました。
今度休戦協定を結ぶ際に名前が必要になりますし今度は覚えておきましょう。
そう考えている間に届けられた書類を見て思わず笑みを浮かべてしまいました。
「ああそうだレイン」
「は、はい!」
「婚約はやはり白紙撤回になったようです」
「そうですか」
「そこで、新しい婚約者なのですが」
「それなのですが」
「私になりました、拒否はしませんよね」
「…はい?」
「承諾してくれて嬉しいです」
疑問形でしたが気にしない方がいいですよね。
「待ってくれシャルル枢機卿様、今のは疑問形だったように感じるんだが」
「私もそう聞こえましたわ」
うるさい外野ですね。
「いいえ、承諾してくださいましたよ」
「いやしかし」
「けれども」
「私も、承諾した覚えはございませんわシャルル様。だって、私の婚約者は皆様浮気なさるんですもの、もう懲り懲りですのよ」
「私は浮気はしませんよ」
「ふ、夫婦になった場合の巫女長とその伴侶の苦しさは聞き及んでいらっしゃいますでしょう!」
「最後までしなければいいですよ」
「んなっ、何を言っていらっしゃるんですか!勇者様達の前ですのよ!」
「では後程2人っきりになった時にゆっくりと」
「嫌がっているのではありませんか?」
「そうだな、ここはひとまず落ち着いてみてはどうだ?」
「チッ。わかりました、婚約の件は改めて話し合うことにいたしましょう」
残念ですが、今この2人がいる前ではレインを落とせそうにありませんね。
翌日、王宮につくとすぐさま国王陛下への謁見が始まりました。
昨晩起こったことの詳細をお伝えしたところ、それぞれに褒美を与えてくれるとのことだったので何にするか考えていると、レインが迷わずに壊された神殿の修復費用を立て替えて欲しいと言ったのには思わず笑ってしまいました。
確かに神殿の財政で全てを賄うと色々支障が出てしまいますからね。
勇者と第一王女殿下は互いに魔王をどうにかしたら結婚したいという願いでした。まあわかっていたことですね。
「私は、レインとの結婚を望みます」
「なんと」
「失礼ながら、国王陛下の2度にわたる勅命での婚約は2度とも白紙撤回になってしまいました。ですのでこの際、婚約などまどろっこしいことをせずに結婚をさせていただきたいのです。ああ、けれどご安心ください。巫女長の資格を奪うような真似は致しませんよ」
「な、な…何を言って」
「レイン、私は本気です。大丈夫ですよ私は浮気なんてしませんから」
「よかろう」
これで国王の勅命になりましたね。もしなければ攫っていた所です。
数日後、急遽行われた結婚式の後、初夜を迎えることになった私たちですが、レインは関係ないと思っているようですね。
けれども、最後までしなければいいだけなのですから、十分に関係ありますよね。
「あの、この体勢はいったいどういうことなのでしょうか?」
もちろん今まで以上に仲良くなるため、ですよ。
「シャルル様?」
「大丈夫ですよ、いつものように最後まではしませんから」
「いつものようにってんんっ」
キスをしている間に、両腕を頭の上でまとめて絹紐で結んでしまう。
「ゃ、なに?」
「暴れないように、念のためですよ」
「へ?」
「ああ、足も結んでおきましょうか」
「やぁっ」
足を開いてから片足ずつ傷つけないように折りたたんで関節部分を中心に結んでいく。抵抗は若干されてしまいましたが、問題なく結ぶことが出来てよかったです。初めてのことで少し手間取ってしまうかと思ったのですよね。
「いい格好ですよ、レイン」
「シャルル様、酷いです」
「抵抗されては困りますからね」
「抵抗ってなにをなさっきゃぁっどうしてスカートの中にお顔を入れて、やっなめちゃだめですっ」
スカートの中に顔を入れて太ももをべろりと舐めれば、足がぴくぴくと震えてしまってなんて可愛らしいのでしょうか。
「甘いですよ」
「そんなはずありませんから、顔をどけてください」
「そうですね。この可愛い足だけでも十分に楽しめますからね」
「へ?きゃっくすぐったいですわ」
「おかわいらしい足です」
足と腰を動かしたせいか、スカートがずれてショーツが見えるようになってしまいました。
レインは足が見える方が気になっているようですけれどもね。
「あ、あの、スカートを戻してくださいませんか?」
「おや、自分でしたのに?見せたいのかと思いましたよ」
「そんなはずありません!お願いですから意地悪をしないでくださいませ」
「意地悪なんてしてませんよ。これはむしろ親切です」
「どこがですかっ」
「もっと恥ずかしい思いをしたら暴れてしまうかもしれないでしょう?暴れてもしこの体に傷でもついたら大変ですからね」
「そ、そんなことしなければいいではありませんか」
「いいえ、今夜は初夜ですから」
そういってレインの足の指先をパクリと食めばびくりと震えてしまわれました。
そのまま、徐々に唇を上げて行き膝小僧にキスをしてキス痕をつける。
そうして太ももにもキス痕を所狭しとつけていくと、きわどいところにもキス痕を付ける。
ふわりと甘い香りが漂ってきて思わずこのまま暴いてしまいそうになるが、何とかこらえる。
「まあ、可哀そうだからスカートは戻してあげましょうね」
「は、はい」
「けれど、上はこのまま寛げていきますよ」
「ふえっ」
しゅるりと胸元の紐をといて、胸元を開くと、双丘が見えて、そこに今まで散らした花が残っているのが見えて満足してしまう。
「ああ、レイン美しいですよ」
「恥ずかしいです」
「そんなレインもかわいいですよ」
「もうっいい加減虐めるのは止めてくださいませ」
「いじめてなんかいませんよ。ただ楽しんでいるだけです」
「それが恥ずかしいんです」
ちゅ、ちゅっと音を立ててキス痕を付けていく。
「レイン」
「シャルル様?」
「今度話すことがあります。とても重要な事です」
「重要な事、ですか?」
「ええ、けれど約束してください。それで私を拒絶しないと」
「えっと、それはわかりませきゃぅっ」
「約束をしてくれないとまたつねってしまいますよ」
「ず、ずるいですっひゃんっ」
「意地悪をしたいわけではないのです。お願いですから、はい、と言ってください」
「は、はい…?」
「ありがとうございます。…まあ、もし拒絶されても攫ってしまうだけなんですけどね」
「なんだか不穏な言葉を聞いた気がしますが、いったい何を聞かされてしまうのでしょうか?」
「大したことではありませんよ」
「そうですか?」
「ええ」
そう言いながらレインの体を丁寧に撫でていく。
今日は体中に、背中にもキス痕を付けておきましょう、明日の水行や着替えの時に誰が見てもレインが私の物だとわかるようにしっかりと、ね。
レインは浮気をされたから浮気をすると宣言して私と浮気をしていましたが、今後は私がいるのですから浮気するような真似は許しませんよ。
「勇者様方はヨハン様と旅をしていて何か不審な部分を感じなかったんですか?」
「不審というか、ドロテア王女と恋人になったと聞いた時は驚いた、というぐらいだな。そんなそぶりはなかったし」
「私も、あの時はいささか強引で、思考がマヒしたように思えていました」
「そうなのですか…」
魔人の魔眼を使用していましたから仕方がありませんね。
「魔王と契約したのはやはりドロテア様への恋心を利用されたと考えるべきでしょうか?」
「その可能性は高いですね」
はあ、魔人の1人を退治するぐらい簡単な事なのですからすぐさま終わらせてレインといちゃつきたいものです。
そう思って体をくっつけたら慌てた様子で私の方をちらちらとみてきます。
「レインは私が守りますので勇者はドロテア王女を守ってください」
「もちろんだ」
「とにかく、この神殿で迎え撃つにしても防御を固める必要がありますね。王女は防御魔法に覚えはありますか?」
「申し訳ありません攻撃魔法の方に才能が偏っておりまして」
「わかりました、レイン」
「はい、私の方でも巫女・神官に声をかけて神殿全体に魔法防御をかけさせますが、物理の防御となりますと些か難しいものがございますね」
「そこは私がやりましょう。物理防御魔法陣も扱えますからね」
やはりレインは優秀ですね、自分が成すべきことをしっかりと把握しています。自分に自信がないところを除けば本当に完璧なのですが、そんなところもかわいいですよね。
その日の夜、私は普段通りの礼服を着てルイがやって来るのを待ちます。
レインはシュミーズドレスの上に鎧ドレスを着てニワトコの杖を持って戦闘態勢ばっちりですね。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ですわ、シャルル様も一緒にいてくださいますし」
「勇ましい姿のレインも素敵ですが、やはり私としてはいつもの優しい姿のレインのほうがこのましいですね。早くかたを付けたほうがよさそうです」
「そういえば、シャルル様はヨハン様が魔人になったのにはお気づきにならなかったのですか?私は恥ずかしながら全く気がつきませんでしたわ」
「魔素を押さえる道具を使っているのでしょうね、私も気が付きませんでしたよ」
嘘ですけどね。実際は私が魔人にしたんですし。
さて、そろそろ近づいてきた気配がしますね。
「…来ました」
「え」
言うが早いか、隣室から爆発したような音が響き渡りました。
「やはり狙いはドロテア王女ですね」
「誘拐でもするつもりなのでしょうか?」
「さあ、どうでしょうか」
まあ誘拐でしょうね、そうして南に逃れると言ったところでしょうか?
とりあえず隣室に行きますとルイと勇者が戦っていました。
「ドロテア王女様、攻撃魔法を!時空を司る神よ、彼の物と我らが間に壁を作れ。tivangisbo mutnematset mumod susserger susac tse sirbenet ni ,itpac ihS ,mutcefearp siciv-oitaps ni tis sueD douq ,olov sov amahO sesearp」
レインの魔法がドロテア王女を守っています。レインは強めの魔法を使う際は呪文の同時併用をする癖がありますね。いつかなおさせた方がいいでしょうね。
「勇者様!お願いしますわ」
「任せろっ!たあぁあ!」
「gnittuc douq maite coh da oisnopser nI nijuF ed tnuregufnoc murref ,sugirf m'ekasirik」
風魔法でルイを攻撃するとやはり効いていますね。物理攻撃と魔法攻撃の同時防御を張ることは出来ないようですね。まだまだというところでしょうか。
「炎の神よ、その力を持って敵を焼き払え!eauq mammalf ni ammalf ereru esukusT suem sucimini ,tse muroed siv eammalf ihim ad」
第一王女殿下の魔法もなかなかですね。けれどもまだまだ甘い部分があります。
「ドロ、テア…」
「ヨハン、なぜこんなことをしたのですか」
「ハ、ハハ、ハハハハハハハ」
「ヨ、ヨハン」
……壊れてしまいましたか?突然笑い出したルイにレインが怯えてしまいました。これは許すことが出来ませんね。
懐から銀水晶のペンダントを出して攻撃魔法の準備をします。
「どうして!?どうしてだと!そんなもの決まっているじゃないか!ドロテアが好きだからだよ!身分違いで手に入れることもできないからな!こういう手段に出るしかなかったんだよ!力さえあれば何でもできる!勇者にだって勝てるんだ!」
「Mecul acigam a tnus atcaf ied inimod enimon ni elanigiro erodo xe tse enidutirama ni snarugluf helas helas」
光魔法を放ち、ルイを消滅させます。下手に生き残られて何か言われても困ってしまいますからね。
それに、これでも魔人を倒した実績を持っている枢機卿ですからね、魔人ぐらい倒すことは出来ますよ。
「ドロテアァァァァ」
「ヨハ、ン」
消滅してしまったルイを見て、わざとらしく口を開く。
「しまった、うっかり消滅させてしまいました。あまりにも強大な敵だったので手加減が出来ませんでしたね」
「……そうですか」
「シャルル様、あの…」
「レイン、話しはあとで」
何か思うことはあるのでしょうが、話しは後にしましょう。
「とりあえず魔人は片付きましたし、お部屋を移動しましょう。準備をさせますのでいったんシャルル様のお部屋に皆様で集まってはいかがでしょうか?」
「そうですね」
「そうさせていただきますわ」
「わかった」
その後、私とレインには執務という業務が襲い掛かってきましたが、勇者と第一王女殿下は何やら甘い雰囲気になっているようですね。
「ドロテア王女、もし魔王の善悪を確かめることが出来、もし悪であった場合討伐することになるが、その暁には結婚をしてほしい」
「勇者、いいえゲラルド、その言葉をずっと待っていました」
そういえば、勇者の名前はゲラルドというのでしたか。すっかり忘れていました。
今度休戦協定を結ぶ際に名前が必要になりますし今度は覚えておきましょう。
そう考えている間に届けられた書類を見て思わず笑みを浮かべてしまいました。
「ああそうだレイン」
「は、はい!」
「婚約はやはり白紙撤回になったようです」
「そうですか」
「そこで、新しい婚約者なのですが」
「それなのですが」
「私になりました、拒否はしませんよね」
「…はい?」
「承諾してくれて嬉しいです」
疑問形でしたが気にしない方がいいですよね。
「待ってくれシャルル枢機卿様、今のは疑問形だったように感じるんだが」
「私もそう聞こえましたわ」
うるさい外野ですね。
「いいえ、承諾してくださいましたよ」
「いやしかし」
「けれども」
「私も、承諾した覚えはございませんわシャルル様。だって、私の婚約者は皆様浮気なさるんですもの、もう懲り懲りですのよ」
「私は浮気はしませんよ」
「ふ、夫婦になった場合の巫女長とその伴侶の苦しさは聞き及んでいらっしゃいますでしょう!」
「最後までしなければいいですよ」
「んなっ、何を言っていらっしゃるんですか!勇者様達の前ですのよ!」
「では後程2人っきりになった時にゆっくりと」
「嫌がっているのではありませんか?」
「そうだな、ここはひとまず落ち着いてみてはどうだ?」
「チッ。わかりました、婚約の件は改めて話し合うことにいたしましょう」
残念ですが、今この2人がいる前ではレインを落とせそうにありませんね。
翌日、王宮につくとすぐさま国王陛下への謁見が始まりました。
昨晩起こったことの詳細をお伝えしたところ、それぞれに褒美を与えてくれるとのことだったので何にするか考えていると、レインが迷わずに壊された神殿の修復費用を立て替えて欲しいと言ったのには思わず笑ってしまいました。
確かに神殿の財政で全てを賄うと色々支障が出てしまいますからね。
勇者と第一王女殿下は互いに魔王をどうにかしたら結婚したいという願いでした。まあわかっていたことですね。
「私は、レインとの結婚を望みます」
「なんと」
「失礼ながら、国王陛下の2度にわたる勅命での婚約は2度とも白紙撤回になってしまいました。ですのでこの際、婚約などまどろっこしいことをせずに結婚をさせていただきたいのです。ああ、けれどご安心ください。巫女長の資格を奪うような真似は致しませんよ」
「な、な…何を言って」
「レイン、私は本気です。大丈夫ですよ私は浮気なんてしませんから」
「よかろう」
これで国王の勅命になりましたね。もしなければ攫っていた所です。
数日後、急遽行われた結婚式の後、初夜を迎えることになった私たちですが、レインは関係ないと思っているようですね。
けれども、最後までしなければいいだけなのですから、十分に関係ありますよね。
「あの、この体勢はいったいどういうことなのでしょうか?」
もちろん今まで以上に仲良くなるため、ですよ。
「シャルル様?」
「大丈夫ですよ、いつものように最後まではしませんから」
「いつものようにってんんっ」
キスをしている間に、両腕を頭の上でまとめて絹紐で結んでしまう。
「ゃ、なに?」
「暴れないように、念のためですよ」
「へ?」
「ああ、足も結んでおきましょうか」
「やぁっ」
足を開いてから片足ずつ傷つけないように折りたたんで関節部分を中心に結んでいく。抵抗は若干されてしまいましたが、問題なく結ぶことが出来てよかったです。初めてのことで少し手間取ってしまうかと思ったのですよね。
「いい格好ですよ、レイン」
「シャルル様、酷いです」
「抵抗されては困りますからね」
「抵抗ってなにをなさっきゃぁっどうしてスカートの中にお顔を入れて、やっなめちゃだめですっ」
スカートの中に顔を入れて太ももをべろりと舐めれば、足がぴくぴくと震えてしまってなんて可愛らしいのでしょうか。
「甘いですよ」
「そんなはずありませんから、顔をどけてください」
「そうですね。この可愛い足だけでも十分に楽しめますからね」
「へ?きゃっくすぐったいですわ」
「おかわいらしい足です」
足と腰を動かしたせいか、スカートがずれてショーツが見えるようになってしまいました。
レインは足が見える方が気になっているようですけれどもね。
「あ、あの、スカートを戻してくださいませんか?」
「おや、自分でしたのに?見せたいのかと思いましたよ」
「そんなはずありません!お願いですから意地悪をしないでくださいませ」
「意地悪なんてしてませんよ。これはむしろ親切です」
「どこがですかっ」
「もっと恥ずかしい思いをしたら暴れてしまうかもしれないでしょう?暴れてもしこの体に傷でもついたら大変ですからね」
「そ、そんなことしなければいいではありませんか」
「いいえ、今夜は初夜ですから」
そういってレインの足の指先をパクリと食めばびくりと震えてしまわれました。
そのまま、徐々に唇を上げて行き膝小僧にキスをしてキス痕をつける。
そうして太ももにもキス痕を所狭しとつけていくと、きわどいところにもキス痕を付ける。
ふわりと甘い香りが漂ってきて思わずこのまま暴いてしまいそうになるが、何とかこらえる。
「まあ、可哀そうだからスカートは戻してあげましょうね」
「は、はい」
「けれど、上はこのまま寛げていきますよ」
「ふえっ」
しゅるりと胸元の紐をといて、胸元を開くと、双丘が見えて、そこに今まで散らした花が残っているのが見えて満足してしまう。
「ああ、レイン美しいですよ」
「恥ずかしいです」
「そんなレインもかわいいですよ」
「もうっいい加減虐めるのは止めてくださいませ」
「いじめてなんかいませんよ。ただ楽しんでいるだけです」
「それが恥ずかしいんです」
ちゅ、ちゅっと音を立ててキス痕を付けていく。
「レイン」
「シャルル様?」
「今度話すことがあります。とても重要な事です」
「重要な事、ですか?」
「ええ、けれど約束してください。それで私を拒絶しないと」
「えっと、それはわかりませきゃぅっ」
「約束をしてくれないとまたつねってしまいますよ」
「ず、ずるいですっひゃんっ」
「意地悪をしたいわけではないのです。お願いですから、はい、と言ってください」
「は、はい…?」
「ありがとうございます。…まあ、もし拒絶されても攫ってしまうだけなんですけどね」
「なんだか不穏な言葉を聞いた気がしますが、いったい何を聞かされてしまうのでしょうか?」
「大したことではありませんよ」
「そうですか?」
「ええ」
そう言いながらレインの体を丁寧に撫でていく。
今日は体中に、背中にもキス痕を付けておきましょう、明日の水行や着替えの時に誰が見てもレインが私の物だとわかるようにしっかりと、ね。
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