ゴット・オブ・ロゴス

神港 零

悪魔の憂鬱

「はぁ、はぁ、はぁ。ありがとうございます。ベリアル様」
あの使徒に殺られそうになった所を助けた悪魔にお礼を言った。
「お前、何か勘違いしてないか?」
「勘違いですか…………」
「俺はお前を助けたんじゃねぇ。こんな簡単に殺られたら王様方に落胆させてしまうではないか」
「お前はゲームの駒なんだよ。それよりも本当にお前、階級は上なんだろうな?」
「はいっ」
ベリアルの殺気の目に尻込みをしながら返事をする。
すると、ベリアルは興味なさそうにこう言った。
「まぁ、どっちでもいいけど。次は失敗するなよ」
「あっ、はい」
その場からベリアルは離れようとしたが、一度立ち止まり、こちらを見た。
「あー、そうだ。保険を掛けといた方がいいな」
ベリアルはこちらを向けて黒いモヤを飛ばしてきた。
「ギャャャャァァァ」
その瞬間、身体が引き裂かれたような痛みに襲われ、倒れた。
「今からお前の名前はコカビエルだ。これであの神の駒にどれだけ通用するだろうな?」
一人の悪魔は気持ち悪い笑みを浮かべた。

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