万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~
23 戦力確認(前)
「それじゃあ、先は私ですね!」
公平なじゃんけんの末、勝利したのはマロンだった。そして彼女が装備したのは、紫陽花のような飾りのついた長剣だった。
「きれいな剣なの」
「あ、ありがとうございます。『五月雨の剣』って名前なんですけど、私も結構気にいってます。……ノイさんの服も、綺麗だと思いますよ」
「それは嬉しいの」
「……私はそういうこと、一度も言われてないんだけども」
こんこんと、杖で地面をつつきながらケイネはそう言った。……ふむ。
「ケイネの杖は、綺麗とかっていうより、実用性重視って感じがするの」
「あー、そうですね。無駄な部分を限界まで省いた造形な気がします」
「……まぁいいわ。さっさと始めたら?」
「確かにそれもそうなの。……決闘、半損決着」
「受理します!」
【『マロン』の受諾を確認しました。十秒後、決闘を開始します】
私が決闘システムを起動し、マロンが受諾したことで、カウントダウンが始まった。
今回私は、『白魔王の猛威』を使う気はなかった。あれは如何せん、強すぎる。
故に、私は一つだけスキルを発動した。
「『色撃』」
「『聖剣』――『電光石火』 」
【カウントゼロ。決闘・開始!】
私がある程度の余裕を持ってスキルを発動したのに対し、マロンは開始ギリギリでスキルを発動した。
高速化で迫って来るマロン。『電光石火』がこの速度の理由なのかは分からないが、少なくとも『聖剣』の効果は知っている。
確か、剣が触れている相手に継続ダメージを与えるスキルだったはずだ。となると競り合いになることは避けたいが、合成に使用して既に『パリィ』はない。
間近に迫るマロンの流麗な剣。避けるのは速度的に無理。なら――
「あっ!」
「……さすがにこれは、予想外、だったの?」
私は小さく笑いながら――マロンの剣を片手にそう言った。
相手の武器の奪取。正直、マロンがその可能性を考えていなかったからこそ出来たことではあるのだが。
「ええ、まぁ。ただ、予想外ではあっても、奪われたこと自体はノイさんですしそれほど驚きではないんですが……今の、『パリィ』使ってませんよね。衝撃が発動したってより、巻き取られたって感じでしたし」
「正解なの。今のは単に、私の腕を剣に絡ませてもぎ取っただけ。スキルでもなんでもない、ただの技術なの」
「……さすがですね」
「まぁ、一発芸みたいなものだけど。……それじゃ、続けるの。はい」
「あっ、どうも」
私は剣をマロンに投げ渡し、その剣をマロンが構えた瞬間、今度はこっちから仕掛けにいった。
スキルなしでも強いですよ、うちの子は
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
公平なじゃんけんの末、勝利したのはマロンだった。そして彼女が装備したのは、紫陽花のような飾りのついた長剣だった。
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「……私はそういうこと、一度も言われてないんだけども」
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「あっ!」
「……さすがにこれは、予想外、だったの?」
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