万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~

志水零士

22 ノイのやり方

「えっと。まずあなたの名前は?」
「マ、マロンです!」
「そう。それじゃあマロン。事情を、順番に教えて欲しいの」
「は、はい。えっと、昨日ノイさんの動画を見て、私はあなたの戦い方に憧れたんです」
「なるほど、それで?」
「それでそのことを動画のチャット欄に書き込んだところ、さらさんに直接教えてもらえばいいのではないかと、助言を頂きまして……」
「あー、なるほどなるほど。よく分かったの」

 紗良なら、確かにそうアドバイスするだろう。何せこの提案で、私に損はないのだ。
 私は他者に何かを教えることは、結構好きだ。ただ、大抵の人が私の教え方に対応できないだけで。
 そのため、私は今まで誰かにしっかりと物事を教えることは出来なかった。それ故に、教えを乞うてくる人がいて困ることは、少なくとも無いのである。

「了解。それじゃあ、しばらく一緒にパーティーを組むとするの」
「えっ、いいんですか!」
「うん。ただ、私の方針をあなたが認められるかは分からないけど」
「なるほど……分かりました! では、よろしくお願いします 」
「……ねぇ、ちょっといいかしら?」

 突然、話しかけて来たケイネ。そう言えば、さっきからケイネは話に参加していなかった。

「えっと……あ、さっきお会いした人ですよね?」
「ええ。……私の存在に今まで気づいていなかったことに、私は驚きだけどもね」
「それで、一体どうしたの?」
「あ、それなんだけど、私もパーティーに入れてくれないかしら?」

 ……ふむ。

「理由を聞いてもいいの?」
「まず、あなたの戦い方を参考にしたいと思ったのが一つね。あと、あなたたち二人とのパーティーは楽しそうだと思ったのも理由の一つよ」
「そう。因みに、マロンはどう思うの?」
「いいと思いますよ。ケイネさん、でしたっけ? 悪い人ではなさそうですし」

 ならば問題はない、か。

「それじゃあしばらくは、この三人でパーティーを組むとするの。ということで、まずは……」
「まずは?」
「どうするのかしら?」
「二人の戦闘能力、及び戦い方の確認……要するに、私との模擬戦なの。どっちが先に戦うかは、二人で決めるの」

 そう言って、私は笑った。戦いに関してのことを知るには、やはりまずは実際に戦ってみるに限る。




ここから、この二人との行動が多くなります。要するに、二人はメインメンバーです。

それと、色々感想欄で質問があったので、こちらでもその質問とそれに対しての返答を、二つほど貼っておきます。

・そもそも色の平均とはどういうことなのか。例えば、赤が5、青が3、緑が2のとき何が平均になるのか。
→絵の具のような感じで考えてくれると幸いです。

・防具の色って、普通、変わったりしないよね? ずっと同じ色を思い浮かべるだけでいいのでは? なんで主人公にしか使いこなせないのかがわかんにゃいです
→どこから光が当てられていて、それがどのような光なのかによっても、色って変わるでしょ? しかも見えない部分の色も考えないといけないから、それが出来る主人公にしか使えない、って感じです。

フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。

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