万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~
14 アサシンウルフ戦(後)
爪が伸び、射程が拡張されたアサシンウルフの攻撃。それを、ギリギリのところで掻い潜る。
――『紙一重』を会得。自動発動状態に設定――
――『紙一重』――
さすがに、そこまでギリギリのところところで避けたわけではないのだが……スキル名に突っ込んだところで意味は無いだろう。効果は不明だが、変に足を引っ張る効果でないことを祈るしかない。
右拳を固め、殴る。
――『パリィ』――
「グルアッ 」
ダメージを受け、アサシンウルフは思わず声を漏らした。そしてアサシンウルフのHPバーは、さっきまでの攻撃と比べて大幅に減っている。
アサシンウルフは、ある程度離れたところから私に向かって襲い掛かって来たのだ。そうである以上、動いているのは腕だけでなく体全体であり、下手にぶつかれば多少のダメージは受ける。言い換えれば、『パリィ』の対象である、攻撃だということである。
それによって、純粋なパンチの威力と『パリィ』の衝撃が相まって、アサシンウルフに今までより大きなダメージが入ったのだ。ただ、私の目の前に到達したことでアサシンウルフは停止したので、この方法はもう使えない。
では、『パリィ』による超火力を諦めるのか? そんなわけがない。
アサシンウルフに、全神経を集中させる。些細な挙動にも注意をし……拳を叩きこむ。
――『パリィ』――
「グルルッ!」
「攻撃を『パリィ』してもダメージを受けると言うのなら……攻撃がそれほどの速度になる前に、拳を叩きこむだけなの」
言い換えれば、初動の潰しだ。攻撃を先読みし、そこに拳を当てることで『パリィ』を発動させて大きなダメージを与えると同時に、相手の攻撃の発生も防ぐ。
ただ、毎回初動を潰せるわけではない。そういう時には、回避しているのだが……当然、毎回うまくいくわけでもない。
――『パリィ』――
「くっ 」
数回ほど攻撃を当てた辺りで、初動を潰すことも回避をすることも出来ない状況が発生した。なんとかドレスの部分で防いで『パリィ』を発動させたが、それによって弱くなっているはずの衝撃で、体力の三割が持っていかれた。
残り体力、約六割。あと二発、受けきれるかどうかといったところか。
「……まぁ、やってみるしかないの」
――『紙一重』――
――『パリィ』――
「グルゥ!」
攻撃を避け、次撃の初動を潰す。そして、アサシンウルフのHPバーが減る。
アサシンウルフの残り体力、あと三割。……残り短いであろうこの戦い、めいいっぱい楽しませてもらおう。
――『パリィ』――
――『パリィ』――
――『紙一重』――
――『パリィ』――
――『紙一重』――
――『パリィ』――
――『パリィ』――
――『パリィ』――
・
・
・
……連撃。そこから私がやったことは、きっとそう言うのが正しい。
無数の、嵐のような拳撃。初動を潰せず、回避しなくてはいけないためにある程度の間が空いたこともあれば、攻撃を喰らったことも一度あったが……流れは切っていない。
連なる攻撃。これこそが、私の本領だった。
さっき攻撃を受けたことで、私のHPは残り三割。あと一撃で、おそらく私は死ぬ。
そしてアサシンウルフのHPはあとほんの少し。おそらく、あと一撃で殺せるだろう。
だが――
「それはちょっと、酷いと思うの」
突然アサシンウルフの足元から衝撃が発生し、アサシンウルフが頭上に跳び上がった。おそらく、落下しながら攻撃を仕掛けてくるつもりだろう。
これでは、初撃を潰せない。回避してから攻撃を仕掛けるのも……難しいだろう。
「……一か八か。試してみるしかない、か」
そして振り下ろされる、アサシンウルフの右腕。それに向かって――ドレスの裾を擦らせる
――『パリィ』――
覚醒状態に入ってから、狙うのを諦めていた受け流し。空中からの攻撃で、通常時と状況が違うことによるもしもを狙った賭けだったが、見事に成功した。
「楽しい戦いだったの。バイバイ」
――『パリィ』――
全力を込めた一撃。それが顔面に直撃して鈍い音を響かせた直後、アサシンウルフのHPバーは消失した。
……本当に……楽しい戦いだった。
――アサシンウルフ一体の討伐を確認。ドロップ品を獲得――
――Lv:20以下でのLv:21以上のモンスターの討伐を確認。獲得経験値量を変更――
――Lv:20にレベルアップ――
――職業システムを開放――
――種族システムを開放――
――BAスキルシステムを開放――
さて、今回でアサシンウルフさんがやられましたね。……レベル差が15あることを忘れてはいけない。
今後はスキル多め、多種多様なスキル(使えるのはしばらくノイだけ)による迫力のある戦闘(こちらもしばらくはノイによる一方的な)を送るつもりです。お楽しみに……
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
――『紙一重』を会得。自動発動状態に設定――
――『紙一重』――
さすがに、そこまでギリギリのところところで避けたわけではないのだが……スキル名に突っ込んだところで意味は無いだろう。効果は不明だが、変に足を引っ張る効果でないことを祈るしかない。
右拳を固め、殴る。
――『パリィ』――
「グルアッ 」
ダメージを受け、アサシンウルフは思わず声を漏らした。そしてアサシンウルフのHPバーは、さっきまでの攻撃と比べて大幅に減っている。
アサシンウルフは、ある程度離れたところから私に向かって襲い掛かって来たのだ。そうである以上、動いているのは腕だけでなく体全体であり、下手にぶつかれば多少のダメージは受ける。言い換えれば、『パリィ』の対象である、攻撃だということである。
それによって、純粋なパンチの威力と『パリィ』の衝撃が相まって、アサシンウルフに今までより大きなダメージが入ったのだ。ただ、私の目の前に到達したことでアサシンウルフは停止したので、この方法はもう使えない。
では、『パリィ』による超火力を諦めるのか? そんなわけがない。
アサシンウルフに、全神経を集中させる。些細な挙動にも注意をし……拳を叩きこむ。
――『パリィ』――
「グルルッ!」
「攻撃を『パリィ』してもダメージを受けると言うのなら……攻撃がそれほどの速度になる前に、拳を叩きこむだけなの」
言い換えれば、初動の潰しだ。攻撃を先読みし、そこに拳を当てることで『パリィ』を発動させて大きなダメージを与えると同時に、相手の攻撃の発生も防ぐ。
ただ、毎回初動を潰せるわけではない。そういう時には、回避しているのだが……当然、毎回うまくいくわけでもない。
――『パリィ』――
「くっ 」
数回ほど攻撃を当てた辺りで、初動を潰すことも回避をすることも出来ない状況が発生した。なんとかドレスの部分で防いで『パリィ』を発動させたが、それによって弱くなっているはずの衝撃で、体力の三割が持っていかれた。
残り体力、約六割。あと二発、受けきれるかどうかといったところか。
「……まぁ、やってみるしかないの」
――『紙一重』――
――『パリィ』――
「グルゥ!」
攻撃を避け、次撃の初動を潰す。そして、アサシンウルフのHPバーが減る。
アサシンウルフの残り体力、あと三割。……残り短いであろうこの戦い、めいいっぱい楽しませてもらおう。
――『パリィ』――
――『パリィ』――
――『紙一重』――
――『パリィ』――
――『紙一重』――
――『パリィ』――
――『パリィ』――
――『パリィ』――
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……連撃。そこから私がやったことは、きっとそう言うのが正しい。
無数の、嵐のような拳撃。初動を潰せず、回避しなくてはいけないためにある程度の間が空いたこともあれば、攻撃を喰らったことも一度あったが……流れは切っていない。
連なる攻撃。これこそが、私の本領だった。
さっき攻撃を受けたことで、私のHPは残り三割。あと一撃で、おそらく私は死ぬ。
そしてアサシンウルフのHPはあとほんの少し。おそらく、あと一撃で殺せるだろう。
だが――
「それはちょっと、酷いと思うの」
突然アサシンウルフの足元から衝撃が発生し、アサシンウルフが頭上に跳び上がった。おそらく、落下しながら攻撃を仕掛けてくるつもりだろう。
これでは、初撃を潰せない。回避してから攻撃を仕掛けるのも……難しいだろう。
「……一か八か。試してみるしかない、か」
そして振り下ろされる、アサシンウルフの右腕。それに向かって――ドレスの裾を擦らせる
――『パリィ』――
覚醒状態に入ってから、狙うのを諦めていた受け流し。空中からの攻撃で、通常時と状況が違うことによるもしもを狙った賭けだったが、見事に成功した。
「楽しい戦いだったの。バイバイ」
――『パリィ』――
全力を込めた一撃。それが顔面に直撃して鈍い音を響かせた直後、アサシンウルフのHPバーは消失した。
……本当に……楽しい戦いだった。
――アサシンウルフ一体の討伐を確認。ドロップ品を獲得――
――Lv:20以下でのLv:21以上のモンスターの討伐を確認。獲得経験値量を変更――
――Lv:20にレベルアップ――
――職業システムを開放――
――種族システムを開放――
――BAスキルシステムを開放――
さて、今回でアサシンウルフさんがやられましたね。……レベル差が15あることを忘れてはいけない。
今後はスキル多め、多種多様なスキル(使えるのはしばらくノイだけ)による迫力のある戦闘(こちらもしばらくはノイによる一方的な)を送るつもりです。お楽しみに……
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
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