バッドエンドは全力でぶち壊す!
第14話 我が生涯に一片の悔い無し!!
 シンシアに中身を見られる前に、どうにかノートを隠す事が出来、ほっと一息つきながら、リビングに戻る。
「さっきから聞こうと思ってたんですけど、雄貴君は辛い物大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。寧ろ好きなくらいですね。限度はありますが、辛いお菓子の新商品が出たら、試しに買うくらいには。辛さには、結構強いみたいです。」
 何を聞かれるのかと、一瞬身構えたが、ただの好みの話であり、雄貴は緊張を解きながら答える。
「なら良かったです。少し辛めの物を作ってますので。」
「あ、そうなんですか。今から楽しみです。」
「口に合えば良いんですが。」
「作って下さってるだけで、もう十分ですよ。」
初々しいカップルみたいな会話をしながら、雄貴は笑う。
 だが、ふと、何かが引っ掛かるような気がする。
ー…あれ?何かを思い出さないといけないような気がするぞ?しかも、ゲームの事で、早急に。ー
 『ウラデリ』の実況を、何回も見返した訳では無いので、結構抜けが多かったりする。
 だから、たまにこうして思い出せそうな時に、頭を絞って考えるのだが、今回のは難産型であるようで、欠片も思い出せない。
ー先輩と一緒に居る時に、思い出せそうなんだから、先輩が関連してるんだろうけど…。ー
 ソファに深く腰掛けて、スマホでSNSを開いてぼーっと眺める。
ーん。Yokoの新曲か。話題になってるな。ー
 超売れっ子の作曲家である、Yokoの新曲発表が、今話題になっているらしく、少しスクロールしたぐらいでは、それ以外の投稿が見つからないくらいには、好意的に受け止められてるようだった。
ーいや、それよりも、さっさと思い出さないとな。先輩の事なんだし。ー
 スマホを閉じ、う〜んと唸りながら、目を瞑る。
 そんな彼の鼻に、嗅いだことのある、食欲が刺激される匂いが届く。
ーお?この匂いは、カレーか!何気に自分でカレー作るのは、後片付けも面倒だし、何より1人前だけってのもアレだから、久しく食べてなかったな。レトルトは何回か食ったけど。ー
 久々の手作りカレーにありつけるという事で、少しテンションが上がった雄貴は、いつかは思い出せるだろうと、取り敢えずは思考を放棄する。
 年甲斐もなくワクワクしながら待っていると、そこから15分程で、火を止める音がする。
「さすがに盛り付け位は…。」
 そう言いながら、キッチンに向かうと、雄貴の予想通り、鍋いっぱいにカレーが出来ていた。
ーおぉ〜!推しキャラにカレー作って貰えるとか、俺は今日死ぬんか?てか死んでも良いっす!ー
 迸る想いに、必死に蓋をし、冷静を装いながら少し大きめな皿を2枚用意する。
 そこで、タイミング良くご飯も炊ける音がした。
「タイミング、バッチリですね。…あれ?座ってて下さいと言いましたのに。」
 満足そうに頷いたシンシアは、そこで漸く雄貴が傍にいた事に気が付いたようで、目をぱちくりしている。
「恐縮過ぎて、盛り付け位はさせて頂かないと、美味しく頂けませんから。それよりも、先輩も食べていかれますよね?」
「ご迷惑でないのでしたら、是非ご一緒させて下さい。」
「迷惑だなんて。2人で食べた方が、美味しいと思います。」
 これ以上は、熱く語ってしまいそうだったので、視線を皿に落として、ご飯の盛り付けを始める。
「先輩はどの位食べますか?」
「あ、じゃあ、その位で。」
 まだしゃもじ1杯分なのに、シンシアはこれしか食べないようだ。
「え。もう少し食べないと、やってられませんよ?人間には、基礎代謝ってもんがありまして、動かなくても一定程度はカロリーや、その他諸々を消費するんです。先輩はただでさえ細いんですから、老後に骨粗鬆症とかで困りますよ?」
「な、何だか、雄貴君が大人みたいな事を言っていますね。では、もう少し頂きます。」
 しゃもじを持ったまま、責めるように言う雄貴に、苦笑いを浮かべながら白旗を上げる。
 よろしいと頷きながら、大体茶碗一杯分になるくらいにご飯を盛り付ける。シンシアの身長が、確か155センチくらいなので、少しカロリーが足りるか心配だが、あんまり盛り付けて、食べ切れなくても可哀想なので、少し控えめである。
 自分の皿には、それよりも多く盛って、カレールーをかける。牛肉や人参、玉ねぎ、じゃが芋などの、オーソドックスな具材が入っていた。
ーおぉ!これはこれは!超楽しみ!美味そうな匂いだし!ー
 凄く嬉しそうに盛り付けていく。もう嬉しさが、表情から完全に滲み出てしまっていたが、間の悪い事にシンシアは、冷蔵庫に冷やしておいた、サラダを取り出しており、見ていなかった。
「おぉ〜。では、頂きます。」
 食器類を全て用意し、机の上に並び終えたので、2人は向かい合わせで席につき、手を合わせて食べ始める。
「はい、召し上がって下さい。」
 笑顔で言うシンシアに、胸がいっぱいになりながらも、いそいそと口に運んだ。
「…はむっ。…!」
口いっぱいにカレーを食べた雄貴は、幸せそうにもぐもぐしていたかと思うと、急に目を見開いて動きを止めてしまうのだった。
「さっきから聞こうと思ってたんですけど、雄貴君は辛い物大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。寧ろ好きなくらいですね。限度はありますが、辛いお菓子の新商品が出たら、試しに買うくらいには。辛さには、結構強いみたいです。」
 何を聞かれるのかと、一瞬身構えたが、ただの好みの話であり、雄貴は緊張を解きながら答える。
「なら良かったです。少し辛めの物を作ってますので。」
「あ、そうなんですか。今から楽しみです。」
「口に合えば良いんですが。」
「作って下さってるだけで、もう十分ですよ。」
初々しいカップルみたいな会話をしながら、雄貴は笑う。
 だが、ふと、何かが引っ掛かるような気がする。
ー…あれ?何かを思い出さないといけないような気がするぞ?しかも、ゲームの事で、早急に。ー
 『ウラデリ』の実況を、何回も見返した訳では無いので、結構抜けが多かったりする。
 だから、たまにこうして思い出せそうな時に、頭を絞って考えるのだが、今回のは難産型であるようで、欠片も思い出せない。
ー先輩と一緒に居る時に、思い出せそうなんだから、先輩が関連してるんだろうけど…。ー
 ソファに深く腰掛けて、スマホでSNSを開いてぼーっと眺める。
ーん。Yokoの新曲か。話題になってるな。ー
 超売れっ子の作曲家である、Yokoの新曲発表が、今話題になっているらしく、少しスクロールしたぐらいでは、それ以外の投稿が見つからないくらいには、好意的に受け止められてるようだった。
ーいや、それよりも、さっさと思い出さないとな。先輩の事なんだし。ー
 スマホを閉じ、う〜んと唸りながら、目を瞑る。
 そんな彼の鼻に、嗅いだことのある、食欲が刺激される匂いが届く。
ーお?この匂いは、カレーか!何気に自分でカレー作るのは、後片付けも面倒だし、何より1人前だけってのもアレだから、久しく食べてなかったな。レトルトは何回か食ったけど。ー
 久々の手作りカレーにありつけるという事で、少しテンションが上がった雄貴は、いつかは思い出せるだろうと、取り敢えずは思考を放棄する。
 年甲斐もなくワクワクしながら待っていると、そこから15分程で、火を止める音がする。
「さすがに盛り付け位は…。」
 そう言いながら、キッチンに向かうと、雄貴の予想通り、鍋いっぱいにカレーが出来ていた。
ーおぉ〜!推しキャラにカレー作って貰えるとか、俺は今日死ぬんか?てか死んでも良いっす!ー
 迸る想いに、必死に蓋をし、冷静を装いながら少し大きめな皿を2枚用意する。
 そこで、タイミング良くご飯も炊ける音がした。
「タイミング、バッチリですね。…あれ?座ってて下さいと言いましたのに。」
 満足そうに頷いたシンシアは、そこで漸く雄貴が傍にいた事に気が付いたようで、目をぱちくりしている。
「恐縮過ぎて、盛り付け位はさせて頂かないと、美味しく頂けませんから。それよりも、先輩も食べていかれますよね?」
「ご迷惑でないのでしたら、是非ご一緒させて下さい。」
「迷惑だなんて。2人で食べた方が、美味しいと思います。」
 これ以上は、熱く語ってしまいそうだったので、視線を皿に落として、ご飯の盛り付けを始める。
「先輩はどの位食べますか?」
「あ、じゃあ、その位で。」
 まだしゃもじ1杯分なのに、シンシアはこれしか食べないようだ。
「え。もう少し食べないと、やってられませんよ?人間には、基礎代謝ってもんがありまして、動かなくても一定程度はカロリーや、その他諸々を消費するんです。先輩はただでさえ細いんですから、老後に骨粗鬆症とかで困りますよ?」
「な、何だか、雄貴君が大人みたいな事を言っていますね。では、もう少し頂きます。」
 しゃもじを持ったまま、責めるように言う雄貴に、苦笑いを浮かべながら白旗を上げる。
 よろしいと頷きながら、大体茶碗一杯分になるくらいにご飯を盛り付ける。シンシアの身長が、確か155センチくらいなので、少しカロリーが足りるか心配だが、あんまり盛り付けて、食べ切れなくても可哀想なので、少し控えめである。
 自分の皿には、それよりも多く盛って、カレールーをかける。牛肉や人参、玉ねぎ、じゃが芋などの、オーソドックスな具材が入っていた。
ーおぉ!これはこれは!超楽しみ!美味そうな匂いだし!ー
 凄く嬉しそうに盛り付けていく。もう嬉しさが、表情から完全に滲み出てしまっていたが、間の悪い事にシンシアは、冷蔵庫に冷やしておいた、サラダを取り出しており、見ていなかった。
「おぉ〜。では、頂きます。」
 食器類を全て用意し、机の上に並び終えたので、2人は向かい合わせで席につき、手を合わせて食べ始める。
「はい、召し上がって下さい。」
 笑顔で言うシンシアに、胸がいっぱいになりながらも、いそいそと口に運んだ。
「…はむっ。…!」
口いっぱいにカレーを食べた雄貴は、幸せそうにもぐもぐしていたかと思うと、急に目を見開いて動きを止めてしまうのだった。
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