異世界ハーレム☆美少女これくしょん
第1話 召集
ミストはパーティメンバー共にある村の客室で寛いでいた。一人一室与えられていたが全員が一つの部屋に集まっている理由はただ暇だったからと言うわけではない。
明確な目的があった。
ミストは言う。
「どうよ、なにか変化あったりする?」
その問いかけに全員が首を横に振る。『異常なし』と。
「じゃあここでお知らせだ。事件が起こるぞ」
「えぇ!?」
「なんでアンタにそれがわかるのよ」
「それでどんな事件が起きるんだ?」
「殺し合いミッションだ」
ミストはゲームの概要を話し始めた。
ミッション開始直前に健康な人間・動物の中から複数が選ばれ、異空間一室に転送される。既存メンバーがいる場合、新しく転送される者が0の場合もある。この時点でミッション参加者の頭蓋内には魔法爆弾が埋設され、事前に負っていた怪我や傷、病巣などは全て消失する。前ミッションの残存メンバー達もまた、同様に転送されてくる。壁やドアに接触することはできず部屋の外へは出られない状況に置かれる。なお、ミッション参加者の身体に接触して一緒に異空間の部屋に転送されることにより、非参加者でもゲーム参加者として認識されミッションに参加することが可能である。
全員の転送が完了すると、数分後異空間からジリリリリリンと音が流れる。
空中に、いい加減なメッセージが浮かび上がった後、標的であるモンスターや種族の容貌と特徴、好きなもの、口癖などが表示される。情報それ自体は間違いではないものの、ミッションを達成するのに必要な情報としては圧倒的に不足しており、表示された標的以外の個体が多数出現することが多い。
異空間が引き出しのように開き、魔法武装類が出てくる。この時点で、魔法武装以外の武器が格納されている奥の部屋の扉が開閉可能になる。
全員が殺害対象の生息するフィールドに順次転送される。その際異空間に口頭で要請すれば、転送の順序を指定することができる。
出現する殺害対象を制限時間内に全て倒す。ミッション中、一般人と遭遇する事があるが、一般人はミッション参加者と殺害対象の姿を光学的に認識できず、音声も聞こえない。ミッション参加者がおよそ1km四方とされるミッションフィールドの境界線よりも外側に出ると、脳内に埋め込まれた爆弾が警告音を発報する。その警告音を無視してエリアから離れると、ミッション放棄とみなされ爆弾が爆発し対象者は死亡する。また、何らかの要因で魔法武装やミッションの存在を一般人に認識されてしまった場合も、起因する人物が死亡する。
殺害対象を殲滅、もしくは制限時間が経過すると、異空間の部屋に再転送される。フィールドでの負傷者は負傷する直前の状態で転送されるが、死者は転送されず、頭蓋内爆弾が爆発する。負傷者は怪我の度合いによって傷だけ修復される場合と、主に致命傷を負った者は負傷直前の状態まで遡って転送される場合がある。そのため、後者の場合は負傷後の記憶がない状態で転送されることになる。
生存者が全員転送されると“採点”が始まり、倒した殺害対象の強さに応じた点数が各メンバー毎に魔法で順次表示される。ただし、殺害対象を全滅させずにミッションを終えた場合は倒した数に関わらず死ぬ。
採点が終わるとドアに触れられるようになり、異空間の部屋から出て日常生活に戻ることができる。その際、魔法武装を持ち帰ることも可能だが、これらの武器を衆人環視下において武器の全体像が視認可能な状況で使用すると、頭蓋内爆弾が起動し脳を破壊される。なお、ミッション外においても殺害対象と遭遇する事があるが、この場合は何体倒しても得点にはならない。
一定期間が経過すると、異空間の部屋に呼び戻されミッションが始まる。ミッションは不定期に行われるが、招集されるのは概ね夜間である。転送される直前には寒気や耳鳴りがするほか、部屋への転送中は金縛り状態となる。前回のミッションで持ち帰った装備を転送時に所持していない場合は補充されない。
『点数』
殺害対象を1体倒す、もしくは転送させるごとに点数が加算される。1体あたりの点数は一定ではなく、種族や個体によって広範な格差がある。累積点が100点に到達すると以下の2つの特典が提示され、100点分の得点と引き換えにいずれかを選ぶことができる。
解放される。
その場で自宅などに呼ばれた直前の姿で転送される。次からのミッションには呼ばれない。
より強力な武器を与えられる
「より強力な武器」が用意され、以降のミッションで使用可能となる。残余得点は繰り越しとなる。
「そんな事件が起きるの!? 本当!?」
「本当本当」
「信じられません……未来がわかるんですか?」
「うむ、なかなかに信じがたい」
「もう少しかな。みんなの下に魔法陣が展開されて飛ばされるから、パニックにならないように」
ミストの言葉に半信半疑な様子だったが、皆頷いた。
「わかったわ」
「はい」
「了解した」
すると数分後、言った通りに魔法陣が展開されどこかへ転移させられた。
ミストは転送された異空間を見渡した。そこには数人の人がいた。鎧を纏った男性、ローブを着た少女、一般人の服を着た女性、様々だ。だがその顔には恐怖や混乱が張り付いている。
ミストの仲間達は遅れて転送されてきた。
「これが噂の異空間ってやつね」
「本当に連れ去られて来られるとはな」
「この後に殺し合いなんですよね。気が重いなぁ」
不安そうな三人に肩の力を抜かせるためにミストは戯けて言う。
「安心しろ安心しろ。勝てるから。俺がいる限り勝てるから」
「凄い自信ね。なんでアンタそんなに詳しいのよ」
「知ってるからな。この異空間が何をするためにあるか。知識も体験もしてきた」
「って事はアンタにとっては二回目の誘拐、拉致って事?」
「いや、三十回くらいは経験してるよ」
「三十!? それは流石に盛り過ぎじゃない?」
「というか三十回もこういう事やらされるんですね……」
暗い顔でリーアが呟く。
ミスト達が内輪で話していると、一人の紫髪の女性が話しかけてきた。
「ねぇ、貴方達。これから何が起きるのか知っているの?」
「ああ、知っているのも」
「じゃあ教えてくれないかしら? 私達は一体どうなるの?」
「答えてあげよう。これから俺達は殺し合いをさせられるんだ。この異空間は待機室みたいなもので、戦士が揃うのを待っている」
「殺し合いっていったいどういう事? 私は戦ったことなんて無いわ」
「関係ない。この儀式は世界のあらゆる場所、あらゆる人種が突然呼ばれ行われる。戦った事のあるものも無いものも等しく殺し合いのゲームに放り込まれる」
「理不尽ね」
「理不尽だ。だが仕方がない。ああ、どうやら始まったようだ。殺し合いのセレモニーが」
【全世界より集められた者共よ】
明確な目的があった。
ミストは言う。
「どうよ、なにか変化あったりする?」
その問いかけに全員が首を横に振る。『異常なし』と。
「じゃあここでお知らせだ。事件が起こるぞ」
「えぇ!?」
「なんでアンタにそれがわかるのよ」
「それでどんな事件が起きるんだ?」
「殺し合いミッションだ」
ミストはゲームの概要を話し始めた。
ミッション開始直前に健康な人間・動物の中から複数が選ばれ、異空間一室に転送される。既存メンバーがいる場合、新しく転送される者が0の場合もある。この時点でミッション参加者の頭蓋内には魔法爆弾が埋設され、事前に負っていた怪我や傷、病巣などは全て消失する。前ミッションの残存メンバー達もまた、同様に転送されてくる。壁やドアに接触することはできず部屋の外へは出られない状況に置かれる。なお、ミッション参加者の身体に接触して一緒に異空間の部屋に転送されることにより、非参加者でもゲーム参加者として認識されミッションに参加することが可能である。
全員の転送が完了すると、数分後異空間からジリリリリリンと音が流れる。
空中に、いい加減なメッセージが浮かび上がった後、標的であるモンスターや種族の容貌と特徴、好きなもの、口癖などが表示される。情報それ自体は間違いではないものの、ミッションを達成するのに必要な情報としては圧倒的に不足しており、表示された標的以外の個体が多数出現することが多い。
異空間が引き出しのように開き、魔法武装類が出てくる。この時点で、魔法武装以外の武器が格納されている奥の部屋の扉が開閉可能になる。
全員が殺害対象の生息するフィールドに順次転送される。その際異空間に口頭で要請すれば、転送の順序を指定することができる。
出現する殺害対象を制限時間内に全て倒す。ミッション中、一般人と遭遇する事があるが、一般人はミッション参加者と殺害対象の姿を光学的に認識できず、音声も聞こえない。ミッション参加者がおよそ1km四方とされるミッションフィールドの境界線よりも外側に出ると、脳内に埋め込まれた爆弾が警告音を発報する。その警告音を無視してエリアから離れると、ミッション放棄とみなされ爆弾が爆発し対象者は死亡する。また、何らかの要因で魔法武装やミッションの存在を一般人に認識されてしまった場合も、起因する人物が死亡する。
殺害対象を殲滅、もしくは制限時間が経過すると、異空間の部屋に再転送される。フィールドでの負傷者は負傷する直前の状態で転送されるが、死者は転送されず、頭蓋内爆弾が爆発する。負傷者は怪我の度合いによって傷だけ修復される場合と、主に致命傷を負った者は負傷直前の状態まで遡って転送される場合がある。そのため、後者の場合は負傷後の記憶がない状態で転送されることになる。
生存者が全員転送されると“採点”が始まり、倒した殺害対象の強さに応じた点数が各メンバー毎に魔法で順次表示される。ただし、殺害対象を全滅させずにミッションを終えた場合は倒した数に関わらず死ぬ。
採点が終わるとドアに触れられるようになり、異空間の部屋から出て日常生活に戻ることができる。その際、魔法武装を持ち帰ることも可能だが、これらの武器を衆人環視下において武器の全体像が視認可能な状況で使用すると、頭蓋内爆弾が起動し脳を破壊される。なお、ミッション外においても殺害対象と遭遇する事があるが、この場合は何体倒しても得点にはならない。
一定期間が経過すると、異空間の部屋に呼び戻されミッションが始まる。ミッションは不定期に行われるが、招集されるのは概ね夜間である。転送される直前には寒気や耳鳴りがするほか、部屋への転送中は金縛り状態となる。前回のミッションで持ち帰った装備を転送時に所持していない場合は補充されない。
『点数』
殺害対象を1体倒す、もしくは転送させるごとに点数が加算される。1体あたりの点数は一定ではなく、種族や個体によって広範な格差がある。累積点が100点に到達すると以下の2つの特典が提示され、100点分の得点と引き換えにいずれかを選ぶことができる。
解放される。
その場で自宅などに呼ばれた直前の姿で転送される。次からのミッションには呼ばれない。
より強力な武器を与えられる
「より強力な武器」が用意され、以降のミッションで使用可能となる。残余得点は繰り越しとなる。
「そんな事件が起きるの!? 本当!?」
「本当本当」
「信じられません……未来がわかるんですか?」
「うむ、なかなかに信じがたい」
「もう少しかな。みんなの下に魔法陣が展開されて飛ばされるから、パニックにならないように」
ミストの言葉に半信半疑な様子だったが、皆頷いた。
「わかったわ」
「はい」
「了解した」
すると数分後、言った通りに魔法陣が展開されどこかへ転移させられた。
ミストは転送された異空間を見渡した。そこには数人の人がいた。鎧を纏った男性、ローブを着た少女、一般人の服を着た女性、様々だ。だがその顔には恐怖や混乱が張り付いている。
ミストの仲間達は遅れて転送されてきた。
「これが噂の異空間ってやつね」
「本当に連れ去られて来られるとはな」
「この後に殺し合いなんですよね。気が重いなぁ」
不安そうな三人に肩の力を抜かせるためにミストは戯けて言う。
「安心しろ安心しろ。勝てるから。俺がいる限り勝てるから」
「凄い自信ね。なんでアンタそんなに詳しいのよ」
「知ってるからな。この異空間が何をするためにあるか。知識も体験もしてきた」
「って事はアンタにとっては二回目の誘拐、拉致って事?」
「いや、三十回くらいは経験してるよ」
「三十!? それは流石に盛り過ぎじゃない?」
「というか三十回もこういう事やらされるんですね……」
暗い顔でリーアが呟く。
ミスト達が内輪で話していると、一人の紫髪の女性が話しかけてきた。
「ねぇ、貴方達。これから何が起きるのか知っているの?」
「ああ、知っているのも」
「じゃあ教えてくれないかしら? 私達は一体どうなるの?」
「答えてあげよう。これから俺達は殺し合いをさせられるんだ。この異空間は待機室みたいなもので、戦士が揃うのを待っている」
「殺し合いっていったいどういう事? 私は戦ったことなんて無いわ」
「関係ない。この儀式は世界のあらゆる場所、あらゆる人種が突然呼ばれ行われる。戦った事のあるものも無いものも等しく殺し合いのゲームに放り込まれる」
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