after suicide(アフタースーサイド)
死後の世界
自分の身体が加速していくのがわかる。
死ぬために飛び降りたのに、なぜか恐怖心が生まれるのは不思議だ。
こんなに早く落ちているのに、景色がスローに見えている気がする。
しかし、どんどん地面は近づいている。
あそこまでたどり着けば・・・俺は・・・もう・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「んっ!」
目を覚ますと、真っ白な天井が広がっている。
「ここは・・・」
意識が朦朧とする中、ニヤニヤとこっちを見つめている青年が見える。
どこかで見覚えのあるような・・・
「なんだよ、その不思議そうな顔は!まさか、後遺症ってやつか?」
なんだかとても馴れ馴れしい。
こっちの反応など気にせず、青年は話し続ける。
「しかしまぁ、よく『記憶なしバージョン』でこれやり続けられるよな。今回は投身自殺エンド?コンプ率80%とか、ほんとハマりすぎじゃん!」
バージョン?エンド?コンプ率?ゲームの単語のようなものが並ぶ。
「記憶なしバージョンって後遺症でゲームの中と現実の境界線がなくなる可能性があるんだよな?943208250719もそれなんじゃね?」
「943208250719・・・」
やけに聞き覚えのある番号だ・・・
943208250719・・・
「あっ!そうか!やっと思い出したよ!943208250719って聞いて思い出した!そうだ!やっと現実世界に戻ってこれた!めちゃくちゃ混乱してたよ。」
「まったく、びびったよ。現実世界と区別つかなくて入院するやつもいるんだからな?」
そう。
全てを思い出した。
投身自殺したと思っていた世界はゲームだったことを。
ゲームの中ではVRとか言っていたっけ。
もっともあんなチープなものではない。
実際に脳内に信号を送り、ゲームの中で80年くらいであれば半日で終わる。
この現実世界に飽きた中で生まれた画期的なゲームだ。
「で?今回はどーだった?」
青年は聞いてくる。
「どうもこうも、投身自殺エンドなんてバッドエンドじゃん。不運に見舞われて大変だったよ。」
「けどこんな何もないなかで死ぬこともなく生きてるよりもは充分に楽しそうだけどな。943208250719だってそれが楽しくてやってんだろ?」
「まぁハマった原因はそこだな。」
943208250719とはゲームの中で置き換えれば名前と呼ばれるものだ。
番号で充分なのだ。
「記憶ありバージョンでやれば空想世界でなんとなく楽しめそうなのに。」
「それはちょっとな。まさに生きてるって感じがたまんねぇの。まぁ、宝くじ当選エンドとか一発当てたエンドに比べたら今回はハードモードだったかな?」
「けどコンプ率80%はすげぇわ。さて、次はどこからやる?」
私たちがゲームの中に入る際、好きな分岐点からゲームを再開できる。
あたかも今まで生きてきたという記憶を持ったまま、ゲームの世界に入るのだ。
「んじゃここかな?今のストーリーの自殺前日」
「おっけー。ここ、乗り越えると後がチートなんだよな?」
「そうそう!んじゃ、後よろしく!」
「おけ!」
そう言うと意識が遠くなっていった。
次の瞬間・・・
バチっという音がした。
通常はならない音。
次の瞬間、目を開けると薄暗い空間にいた。
「やっと気づいたね。」
そこには初老の男性が立っていた。
「外の世界に住めなくなったご先祖様が開発したゲーム、やはり面白いかね?」
そうだった・・・
あの青年が出てきた世界もゲームだったんだ・・・
死ぬために飛び降りたのに、なぜか恐怖心が生まれるのは不思議だ。
こんなに早く落ちているのに、景色がスローに見えている気がする。
しかし、どんどん地面は近づいている。
あそこまでたどり着けば・・・俺は・・・もう・・・
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「んっ!」
目を覚ますと、真っ白な天井が広がっている。
「ここは・・・」
意識が朦朧とする中、ニヤニヤとこっちを見つめている青年が見える。
どこかで見覚えのあるような・・・
「なんだよ、その不思議そうな顔は!まさか、後遺症ってやつか?」
なんだかとても馴れ馴れしい。
こっちの反応など気にせず、青年は話し続ける。
「しかしまぁ、よく『記憶なしバージョン』でこれやり続けられるよな。今回は投身自殺エンド?コンプ率80%とか、ほんとハマりすぎじゃん!」
バージョン?エンド?コンプ率?ゲームの単語のようなものが並ぶ。
「記憶なしバージョンって後遺症でゲームの中と現実の境界線がなくなる可能性があるんだよな?943208250719もそれなんじゃね?」
「943208250719・・・」
やけに聞き覚えのある番号だ・・・
943208250719・・・
「あっ!そうか!やっと思い出したよ!943208250719って聞いて思い出した!そうだ!やっと現実世界に戻ってこれた!めちゃくちゃ混乱してたよ。」
「まったく、びびったよ。現実世界と区別つかなくて入院するやつもいるんだからな?」
そう。
全てを思い出した。
投身自殺したと思っていた世界はゲームだったことを。
ゲームの中ではVRとか言っていたっけ。
もっともあんなチープなものではない。
実際に脳内に信号を送り、ゲームの中で80年くらいであれば半日で終わる。
この現実世界に飽きた中で生まれた画期的なゲームだ。
「で?今回はどーだった?」
青年は聞いてくる。
「どうもこうも、投身自殺エンドなんてバッドエンドじゃん。不運に見舞われて大変だったよ。」
「けどこんな何もないなかで死ぬこともなく生きてるよりもは充分に楽しそうだけどな。943208250719だってそれが楽しくてやってんだろ?」
「まぁハマった原因はそこだな。」
943208250719とはゲームの中で置き換えれば名前と呼ばれるものだ。
番号で充分なのだ。
「記憶ありバージョンでやれば空想世界でなんとなく楽しめそうなのに。」
「それはちょっとな。まさに生きてるって感じがたまんねぇの。まぁ、宝くじ当選エンドとか一発当てたエンドに比べたら今回はハードモードだったかな?」
「けどコンプ率80%はすげぇわ。さて、次はどこからやる?」
私たちがゲームの中に入る際、好きな分岐点からゲームを再開できる。
あたかも今まで生きてきたという記憶を持ったまま、ゲームの世界に入るのだ。
「んじゃここかな?今のストーリーの自殺前日」
「おっけー。ここ、乗り越えると後がチートなんだよな?」
「そうそう!んじゃ、後よろしく!」
「おけ!」
そう言うと意識が遠くなっていった。
次の瞬間・・・
バチっという音がした。
通常はならない音。
次の瞬間、目を開けると薄暗い空間にいた。
「やっと気づいたね。」
そこには初老の男性が立っていた。
「外の世界に住めなくなったご先祖様が開発したゲーム、やはり面白いかね?」
そうだった・・・
あの青年が出てきた世界もゲームだったんだ・・・
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