雲の静けさを照らすように

上原家

ep7 : 図書館で勉強

今年は本当に暑い夏休みは続く。
俺は今年もいつも通りに過ごすのだが、あの大雨に続いて、今度は暑い日差しが差し込む。それはそうと今年こそは宿題を早めに終わらせるのだと、シンと一緒に近くの図書館に来ていた。

新「たぁ〜、図書館は涼しいわ〜。」
八雲「あまり大きな声出すなよシン。図書館は少しでも響くんだからな。」

シンは夏休み序盤にクラスの友達と大勢で海に行ったらしい。前と比べるとかなり肌が焼けていた。

新「おっといけね。悪い悪い静かにだな。」

シンは周りを気にしながら口元に手を当てた。静かに勉強していたが、ある程度終わったところでシンがまた口を開いた。

新「ところでよ、噂で聞いた話なんだけど。」

シンは小さな声で俺に耳を向けさせた。

新「ここの図書館てさ、ウチの学校の生徒の親が経営してるみたいだぜ。」
八雲「へぇー。で?」
新「やっぱりその反応か。」
八雲「別に本借りる以外で接する機会なんてないからな。さほど興味もない。」
新「お前な〜。」

こんなことを言いながら思いのほか勉強ははかどったのであった。





勉強中に俺は席を立った。

八雲「ちょっとトイレついでに本見てくるわ。」
新「おう。どうせ星座の本とかだろ。」
八雲「まぁな。」

俺はトイレに行き、星に関する本を探した。夏休み前の平日も学校が終わると、こうして本を見に来たことがたまにあった。

八雲「えぇっと。星の本はこの辺だったかな………あった。新しいのが1冊でてるな。」

俺は新しい本を手にする。そのときボソッと声が聞こえた。

??? 「星が好きなんですか?」

少しビックリしたが、振り向くと1人の女の子が立っていた。

八雲「えぇと……はい。」
???「綺麗ですからね。」

よく分からない状況に困惑したが、星が綺麗ということを共感してくれているようだ。

???「あ、すいませんつい。もし借りたいなら受付まで来てくださいね。」
八雲「あぁ…はい。ありがとうございます。」

女の子は受付の方に向かっていった。

八雲(そういえば女の子に声かけられるなんてこの前の原宮さん以来か。それにしても俺と同い年くらいだったよな。シンが言ってた子かもな。)

俺はシンの元へ戻り、本を見ていた。俺もシンもその日までで課題全体の7割以上の課題を終わらせることができた。

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