雲の静けさを照らすように

上原家

ep3 : 占いも雨模様

期末テストも終わって、いつも通り平均点を少し下回るような感じで1学期を終えた。今年は夏休み初日の7月25日から観察をすると決めていた。天気もあまりよくなかったし、星が綺麗に見えそうにもなかったからだ。


そして迎えた初日………

八雲「これも日頃の行いってやつかな。」
あいにくの大雨。やる気を出していた俺にとってはかなりショックな出来事だ。
八雲「夜には止むって予報だったけど本当か〜。これ止みそうにないんだけど。」

俺は朝にしては少し薄暗い曇り空を見上げてため息をついてはボヤいていた。テレビでは朝の占い番組がやっていた。

アナウンサー「1位はてんびん座のあなた!。雨にも負けずに外で何かをすれば、困難な状況に打ち勝つ出来事と出会えるかも!。より良い1日にするためのラッキーアイテムはサイダー!。続いて2位はーーーー」
八雲「こんな状態で1位とか何なんだよ、ったく。占いってやっぱ嘘ばっかだよな〜。」

俺はてんびん座だけど、前にもこの占い番組で1位を取ったのに、結局何も起こらない上にその日も大雨だった。だから俺はこういうのは信じないタイプの人間だ。

弥生「八雲ー。悪いけど買い物頼まれてくれる?」

しばらくして昼頃になると俺の母親、上原弥生(うえはら やよい)から買い物を頼まれた。

八雲「え、こんな雨の中で!。車で行けばいいじゃん。」
弥生「ごめんね、今から夕方まで町内会議に出席しなきゃいけないの。勉強もろくにしてないんだからいいでしょ。ちょっとだけだから。」
八雲「わかったよ。」
八雲(はぁ〜めんどくさいなー)

こうして雨の中買い物に行くことになった。

八雲「まぁ近いし、雨降ってるから歩いて行くか。」

俺は家の裏道を通って店に行く。この裏道は近道なのだ。夜に通り、大きな高級マンションを過ぎると、綺麗な夜空が見えるスポットがある。多分誰もきたことがないから俺だけが知っているのだと思う。まぁそもそもあの高級マンションに住む人は直接見ることができるから羨ましい限りだ。

八雲「あのマンションの屋上からの眺めは、もっと最適なんだろうな〜。」

そんな独り言を言いながら俺は店へと向かった。

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