あかいトカゲのゆめ

おくとりょう

黒い空の下

「ねぇ、そのひとはどんなひとなの?」

うちかえるために、茨男いばらおとこいをさが三人組さんにんぐみ
4本足よんほんあしあるくのにれてきたカエルの姿すがたヤマトくんがふとたずねました。

「むぅ…。
同僚どうりょう仕事しごと仲間なかま…なんだがな…。
…いつも飄々ひょうひょうとしててなぁ…。
…その、なにかんがえてんだかぁ、よくわかんねぇやつなんだぁ…」

「まぁ、かげなんて、みんなわりものばかりじゃない」

先頭せんとうねるようにすすむガマがくちはさみます。

なにかしらやらかしたから、ここにとされたんですもの。
ねぇ、お仕事しごと人間にんげん茨男いばらおとこさん?」

彼女かのじょは、バレリーナみたいな片足かたあしポーズでピタッとまると、くびだけふりかえって、ニヤッとくちけるような微笑ほほえみをかべました。

あからさまな嫌味いやみ茨男いばらおとこは、おおきないき…。

盗人ぬすっとのおめぇさんにわれたかねぇーよ!」

なんだか険悪けんあく雰囲気ふんいき…。

(あーぁ、喧嘩けんかはヤダなぁ…)
ふと、そら見上みあげて、びっくりしました。
いつの間にか、お日様ひさまがてっぺんまでのぼっていたからではありません。

そらくろだったのです。
日様ひさま燦燦さんさんとこちらをらすくもひとついお天気てんきなのに、太陽たいよううしろには青空あおぞらではなく、ただくろやみひろがっていました。

びっくりしたヤマトくんが二人ふたりこえをかけようとしたと、そのとき、地面じめんすなが、ざざぁっとながれました。

「?」

一部いちぶすなだけではありません。ヤマトくんたちのいるあた一帯いったい地面じめんが、うずえがくようにながはじめました。
突然とつぜんのことに、三人さんにんとも反応はんのう出来できず、あっというに、すなうずまれていきました。

おおきな蟻地獄ありじごくのようなすなうずは、三人さんにんんで、しばらくすると、ピタッとおさまりました。
そこには、なにもなかったかのように、ぴゅうっとかぜけます。

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