能力値リセット 〜ステータスALL1の無能から徐々に成り上がるつもりが、1ヶ月で俺TUEEに変貌しちゃいました!〜
狙い通りと期待以上の
「グルァァァッ!」
実のところ、緋熊には、ここで手を引くという選択肢もあった筈だ。
いくら獲物を追い詰めたとはいえ、目の前には自分が苦手とする水で溢れた湖が広がっているんだから。
しかし、緋熊は、あえて見下すような態度を取った俺の挑発に乗り、唸りを上げて突進してきた。
それは、この森の頂点に君臨する主としてのプライドか。
はたまた地の利を考慮した上でも俺に勝つ自信があるのか。
あるいは、その両方かもしれない。
ただ、理由はどうあれ、緋熊が敵前逃亡という選択肢を捨てた事には違いない。
それが慢心から生じる過ちだったと証明し、せいぜい後悔させてやるとしよう。
「……ここだッ!」
地響きと共に迫る緋熊の動きを慎重に観察し、ベストなタイミングを見計らって、スライディングで勢い良く股下を滑り抜ける俺。
緋熊の体躯は俺の2倍近い大きさを誇り、股下のスペースも相応に広い。
だから大した苦労もなく、呆気なく立ち位置を入れ替える事に成功した。
「オッラァァァッ!」
そして、すかさず立ち上がって反転した俺は、湖の畔で急停止した緋熊の背中に向けて飛び蹴りをかます!
もちろん、能力値リセットを使用して、筋力に最適化した上で、だ。
それでも大したダメージにはならないだろうけど、衝撃を無効に出来る訳じゃない。
結果として緋熊の巨体は数メートル吹き飛び、水面に叩き付けられて、盛大に水飛沫を撒き散らした。
とはいえ、俺の方も無傷とはいかず、緋色の炎に焼かれて靴とズボンの裾が焼け落ちてしまった。
まだ固有スキルも分かってなかった頃に、期待を込めて召喚組全員に支給された、そこそこ良い装備だったんだけどな。(ちなみに武器は固有スキルが判明してから特注される予定だったらしい)
まぁ、幸いなことに身体に対するダメージは無かったから、良しとしよう。
それに、水の中で動き回るなら邪魔になるだけだしな。
むしろ脱ぐ手間が省けて助かったと思っておこう。
「さて……どうやら成果は俺の期待以上だったみたいだな?」
俺にとっても、それほど深くは無い湖は、緋熊からすれば少し大きい水溜まりでしかないだろう。
動きだって大して阻害されない筈だ。
にも拘わらず、全身に水を浴びた緋熊の挙動は明らかに鈍く、見るからに弱体化していた。
加えて、水に浸かっていない部分の炎まで、勢いが弱まっており、場所によっては完全に鎮火している。
これまでにない、千載一遇のチャンスだ。
「弱ってる相手を痛めつけるのは趣味じゃねぇけど、そんな選り好みが出来るほど俺は強くないし、油断する気もない。最後まで全力だ。恨むなら好きに恨め。俺も仲間を傷付けた、お前を恨み続けるから」
この宣言に意味なんてない。
ただ言いたかったから言っただけだ。
「それじゃあ、終わらせようか」
そして、緋熊との最後の戦いは最終局面を迎えた。
実のところ、緋熊には、ここで手を引くという選択肢もあった筈だ。
いくら獲物を追い詰めたとはいえ、目の前には自分が苦手とする水で溢れた湖が広がっているんだから。
しかし、緋熊は、あえて見下すような態度を取った俺の挑発に乗り、唸りを上げて突進してきた。
それは、この森の頂点に君臨する主としてのプライドか。
はたまた地の利を考慮した上でも俺に勝つ自信があるのか。
あるいは、その両方かもしれない。
ただ、理由はどうあれ、緋熊が敵前逃亡という選択肢を捨てた事には違いない。
それが慢心から生じる過ちだったと証明し、せいぜい後悔させてやるとしよう。
「……ここだッ!」
地響きと共に迫る緋熊の動きを慎重に観察し、ベストなタイミングを見計らって、スライディングで勢い良く股下を滑り抜ける俺。
緋熊の体躯は俺の2倍近い大きさを誇り、股下のスペースも相応に広い。
だから大した苦労もなく、呆気なく立ち位置を入れ替える事に成功した。
「オッラァァァッ!」
そして、すかさず立ち上がって反転した俺は、湖の畔で急停止した緋熊の背中に向けて飛び蹴りをかます!
もちろん、能力値リセットを使用して、筋力に最適化した上で、だ。
それでも大したダメージにはならないだろうけど、衝撃を無効に出来る訳じゃない。
結果として緋熊の巨体は数メートル吹き飛び、水面に叩き付けられて、盛大に水飛沫を撒き散らした。
とはいえ、俺の方も無傷とはいかず、緋色の炎に焼かれて靴とズボンの裾が焼け落ちてしまった。
まだ固有スキルも分かってなかった頃に、期待を込めて召喚組全員に支給された、そこそこ良い装備だったんだけどな。(ちなみに武器は固有スキルが判明してから特注される予定だったらしい)
まぁ、幸いなことに身体に対するダメージは無かったから、良しとしよう。
それに、水の中で動き回るなら邪魔になるだけだしな。
むしろ脱ぐ手間が省けて助かったと思っておこう。
「さて……どうやら成果は俺の期待以上だったみたいだな?」
俺にとっても、それほど深くは無い湖は、緋熊からすれば少し大きい水溜まりでしかないだろう。
動きだって大して阻害されない筈だ。
にも拘わらず、全身に水を浴びた緋熊の挙動は明らかに鈍く、見るからに弱体化していた。
加えて、水に浸かっていない部分の炎まで、勢いが弱まっており、場所によっては完全に鎮火している。
これまでにない、千載一遇のチャンスだ。
「弱ってる相手を痛めつけるのは趣味じゃねぇけど、そんな選り好みが出来るほど俺は強くないし、油断する気もない。最後まで全力だ。恨むなら好きに恨め。俺も仲間を傷付けた、お前を恨み続けるから」
この宣言に意味なんてない。
ただ言いたかったから言っただけだ。
「それじゃあ、終わらせようか」
そして、緋熊との最後の戦いは最終局面を迎えた。
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