能力値リセット 〜ステータスALL1の無能から徐々に成り上がるつもりが、1ヶ月で俺TUEEに変貌しちゃいました!〜
フェアリーの行方
「……ごめんなさい。私のせいで」
「いやいや、リリィは悪くないさ。俺だって、ちょっと楽観的に考えすぎてたしな」
今にも泣き出しそうな程、責任を感じて落ち込んでいるリリィ。
そんな彼女が見ていられなくて、反射的に慰めの言葉を口にする。
というか、俺の見通しが甘かったのは事実だしな。
そのせいで、余計にリリィを追い詰める結果になってしまった。
今回の件は俺にだって責任がある。
「でも……」
「でもじゃない。そもそも、俺達は対等な仲間だろ? だったら責任も平等だ。リリィだけに背負わせる訳にはいかないよ。そんな事をさせたら、俺は鬼畜で外道なクソ野郎になっちまうからな。リリィは俺をクソ野郎にしたいのか?」
リリィを元気づけるため、わざとズルい言い方を選んで、おどけて見せる。
そんな俺をクスリと笑って、リリィは呆れたような視線を向けてきた。
「…………もう、ハヤト様ったら。そんな風に言われたら、受け入れるしかないじゃないですか。分かりました、もう謝りません。それよりも、これからどうするか考えましょう」
気分はキッチリ切り替わったようだけど、空元気なのは間違いない。
まぁ、精神的にも肉体的にも限界だろうから無理もないけど。
かくいう俺も、既にフラフラだ。
「まぁ、まずは睡眠だな。リリィってば目の下に凄い隈が出来てるぞ〜」
「きゃっ!? ちょっと、見ないで下さい! 恥ずかしいですよぉ」
「あっはっは、残念だったな。もう俺の記憶にバッチリ焼き付いちゃったぞ。せっかくの美人が台無しになってる、リリィのだらしない顔がっ!」
「もぅっ! そう言うハヤト様だって、いつもの凛々しいお顔が台無しですよ! だから、お互い様です!」
「まぁ、徹夜で森の中を駆け回ってたら、誰だって、こうなるよなぁ」
そう、俺達がフェアリーの捜索を開始したのは昨日の昼。
そして現在は明け方だ。
つまり、俺達は半日以上、フェアリーを求めて森を彷徨っていたという訳である。
何故、そんな無理を通す事になったのかというと、単純にフェアリーが見つからなかったからだ。
世界中に生息し、目撃情報も無数に報告されているフェアリー。
たとえ倒す事が出来なくとも、見つけること自体は難しくないと、リリィの読んだ本には書いてあったそうだ。
恐らく、その情報は嘘ではない。
ただし、俺達は一つの見落としをしていた。
それが、いったい、いつ書かれた物なのか、という事を。
今となっては想像する事しか出来ないけど、その本は大昔に書かれた物だったんじゃないだろうか。
実際、王城には建国当初から存在する書物もあるそうだし、古い本も多く保存されていたそうだ。
それと、その本について、リリィに改めて思い出して貰った結果、文字が掠れていて読み辛かった、という証言が得られた。
だから、その本が書かれた時代から環境が変化して、フェアリーの数が減った、あるいは生息地が限定されたのでは、という推測に至ったんだ。
だとしたら、現代でフェアリーの存在が広まらないのも納得だな。
リリィは箱入り娘だから、外の事情を知らなかったみたいだけど。
その事にもっと早く気付いていたら、余計な期待も苦労もさせずに済んだと、リリィは落ち込んでいた訳だけど、そんな事を責めても仕方がない。
人間の記憶なんて、あやふやなモノだしな。
というか、余計な苦労を背負う羽目になったのは、俺がムキになったせいもある。
あと少し、あと少しで見つかるはずと根拠のない妄想に囚われて、リリィを付き合わせてしまったんだからな。
まぁ、不幸中の幸いで、拠点になりそうな洞窟は見つかったけども。
今は、その中で休憩中という訳だ。
「いやいや、リリィは悪くないさ。俺だって、ちょっと楽観的に考えすぎてたしな」
今にも泣き出しそうな程、責任を感じて落ち込んでいるリリィ。
そんな彼女が見ていられなくて、反射的に慰めの言葉を口にする。
というか、俺の見通しが甘かったのは事実だしな。
そのせいで、余計にリリィを追い詰める結果になってしまった。
今回の件は俺にだって責任がある。
「でも……」
「でもじゃない。そもそも、俺達は対等な仲間だろ? だったら責任も平等だ。リリィだけに背負わせる訳にはいかないよ。そんな事をさせたら、俺は鬼畜で外道なクソ野郎になっちまうからな。リリィは俺をクソ野郎にしたいのか?」
リリィを元気づけるため、わざとズルい言い方を選んで、おどけて見せる。
そんな俺をクスリと笑って、リリィは呆れたような視線を向けてきた。
「…………もう、ハヤト様ったら。そんな風に言われたら、受け入れるしかないじゃないですか。分かりました、もう謝りません。それよりも、これからどうするか考えましょう」
気分はキッチリ切り替わったようだけど、空元気なのは間違いない。
まぁ、精神的にも肉体的にも限界だろうから無理もないけど。
かくいう俺も、既にフラフラだ。
「まぁ、まずは睡眠だな。リリィってば目の下に凄い隈が出来てるぞ〜」
「きゃっ!? ちょっと、見ないで下さい! 恥ずかしいですよぉ」
「あっはっは、残念だったな。もう俺の記憶にバッチリ焼き付いちゃったぞ。せっかくの美人が台無しになってる、リリィのだらしない顔がっ!」
「もぅっ! そう言うハヤト様だって、いつもの凛々しいお顔が台無しですよ! だから、お互い様です!」
「まぁ、徹夜で森の中を駆け回ってたら、誰だって、こうなるよなぁ」
そう、俺達がフェアリーの捜索を開始したのは昨日の昼。
そして現在は明け方だ。
つまり、俺達は半日以上、フェアリーを求めて森を彷徨っていたという訳である。
何故、そんな無理を通す事になったのかというと、単純にフェアリーが見つからなかったからだ。
世界中に生息し、目撃情報も無数に報告されているフェアリー。
たとえ倒す事が出来なくとも、見つけること自体は難しくないと、リリィの読んだ本には書いてあったそうだ。
恐らく、その情報は嘘ではない。
ただし、俺達は一つの見落としをしていた。
それが、いったい、いつ書かれた物なのか、という事を。
今となっては想像する事しか出来ないけど、その本は大昔に書かれた物だったんじゃないだろうか。
実際、王城には建国当初から存在する書物もあるそうだし、古い本も多く保存されていたそうだ。
それと、その本について、リリィに改めて思い出して貰った結果、文字が掠れていて読み辛かった、という証言が得られた。
だから、その本が書かれた時代から環境が変化して、フェアリーの数が減った、あるいは生息地が限定されたのでは、という推測に至ったんだ。
だとしたら、現代でフェアリーの存在が広まらないのも納得だな。
リリィは箱入り娘だから、外の事情を知らなかったみたいだけど。
その事にもっと早く気付いていたら、余計な期待も苦労もさせずに済んだと、リリィは落ち込んでいた訳だけど、そんな事を責めても仕方がない。
人間の記憶なんて、あやふやなモノだしな。
というか、余計な苦労を背負う羽目になったのは、俺がムキになったせいもある。
あと少し、あと少しで見つかるはずと根拠のない妄想に囚われて、リリィを付き合わせてしまったんだからな。
まぁ、不幸中の幸いで、拠点になりそうな洞窟は見つかったけども。
今は、その中で休憩中という訳だ。
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