能力値リセット 〜ステータスALL1の無能から徐々に成り上がるつもりが、1ヶ月で俺TUEEに変貌しちゃいました!〜
友達
「……ところで、ハヤト様は、その……特別な固有スキルをお持ちになった方なのですよね?」
俺を気遣ったのか、【ハズレ枠】というワードを避けて、遠慮がちに質問するリリィ。
これまでの言動からも予想は付くけど、きっと根っからの、お人好しなんだろうなぁ。
というか、今までは、“俺達をムリヤリ召喚した王族の一員”っていう認識だったからタメ口で話してたけど、これからはキチンと敬語で話した方が良いよな?
どれだけ親しみやすい性格だろうと、れっきとした王女様な訳だし。
「ええっと、そうですね。初めて使った時は身体から力が抜けて、どうなる事かと思いましたけど、実は、かなり便利なスキルだったみたいです」
日本にいた時は王族と話す機会なんて、当然なかったから、敬語の使い方が若干、不安だ。
先輩や先生と話す時は別に、そこまで意識して無かったしな。
……なんて、考えていると、リリィの瞳がみるみる内に潤んでいく。
やばい、やっぱり何かミスってたか!?
「ど、どうしたんですか? もしや体調でも優れないとか?」
「……な、なんで急に、よそよそしい態度になっちゃったんですか? 私ったら、何か、ご不快にさせるような事をしちゃいましたか?」
ええっ!? 何をどうしたら、そんな発想になるんだ!?
箱入り娘の王女様の考える事は良く分からん。
「いや、えっと、そういう訳ではなくて。王女様が相手なので敬意を払った方が良いかと……よろしいかと? 思いまして。これまでのご無礼をお詫び致します」
ぎこちない敬語で弁解し、頭を下げたものの、未だにリリィの目はウルウルしている。
ついでに肩や握った拳はプルプルしている。
…………これはこれで可愛いな。
って、そうじゃなくて!
「あー、そのぅ。ひょっとして逆効果でしたか?」
「……グスッ。だって、せっかく親しげに話してくれる方が現れたと思ったのに。それなのに……」
「分かりました! いや、分かった! これからはタメ口で話すからさ! だから泣き止んでくれよ」
始めの内は楽しかったものの、何だか次第に悪い事をしてる気分になってきたため、慌ててリリィを宥めにかかる。
だって、リリィがメチャクチャ悲しそうな顔するんだよ!
そんな気は全く無かったけど、俺が一方的にリリィを突き放したみたいになってて心が痛いわ!
そして俺の必死の訴えで、ようやく安堵したのか、リリィは、ふわりと顔を綻ばせた。
「ほ、本当ですか? それなら私と……お、お、お友達になってくれますかっ!?」
さながら、一世一代のプロポーズの様なテンションで片手を差し出してくるリリィ。
そして、俺は彼女の良く分からない気迫に圧倒されつつ、その柔らかい手を取った。
「あ、ああ。リリィが望むならな。それくらいは、お安い御用だ」
唐突な申し出に思わず面食らってしまった俺だけど、ここで返答を躊躇えば、またリリィが情緒不安定になるかもしれない。
そんな考えが、ふと頭に浮かんで、俺は大げさなくらい頷いて見せる。
「えへっ。えへへぇ。私ってば生まれて初めて、お友達ができちゃいましたっ」
その結果、これ以上ない程だらし無い、リリィのニヤニヤ顔を拝む事となった。
まぁ、美少女の表情筋がフニャフニャになってる所なんて、見ようと思って見られるもんじゃないしな。
せっかく貴重なものを拝見させて貰ったんだから、せいぜい記憶に焼き付けておくとしよう。
俺を気遣ったのか、【ハズレ枠】というワードを避けて、遠慮がちに質問するリリィ。
これまでの言動からも予想は付くけど、きっと根っからの、お人好しなんだろうなぁ。
というか、今までは、“俺達をムリヤリ召喚した王族の一員”っていう認識だったからタメ口で話してたけど、これからはキチンと敬語で話した方が良いよな?
どれだけ親しみやすい性格だろうと、れっきとした王女様な訳だし。
「ええっと、そうですね。初めて使った時は身体から力が抜けて、どうなる事かと思いましたけど、実は、かなり便利なスキルだったみたいです」
日本にいた時は王族と話す機会なんて、当然なかったから、敬語の使い方が若干、不安だ。
先輩や先生と話す時は別に、そこまで意識して無かったしな。
……なんて、考えていると、リリィの瞳がみるみる内に潤んでいく。
やばい、やっぱり何かミスってたか!?
「ど、どうしたんですか? もしや体調でも優れないとか?」
「……な、なんで急に、よそよそしい態度になっちゃったんですか? 私ったら、何か、ご不快にさせるような事をしちゃいましたか?」
ええっ!? 何をどうしたら、そんな発想になるんだ!?
箱入り娘の王女様の考える事は良く分からん。
「いや、えっと、そういう訳ではなくて。王女様が相手なので敬意を払った方が良いかと……よろしいかと? 思いまして。これまでのご無礼をお詫び致します」
ぎこちない敬語で弁解し、頭を下げたものの、未だにリリィの目はウルウルしている。
ついでに肩や握った拳はプルプルしている。
…………これはこれで可愛いな。
って、そうじゃなくて!
「あー、そのぅ。ひょっとして逆効果でしたか?」
「……グスッ。だって、せっかく親しげに話してくれる方が現れたと思ったのに。それなのに……」
「分かりました! いや、分かった! これからはタメ口で話すからさ! だから泣き止んでくれよ」
始めの内は楽しかったものの、何だか次第に悪い事をしてる気分になってきたため、慌ててリリィを宥めにかかる。
だって、リリィがメチャクチャ悲しそうな顔するんだよ!
そんな気は全く無かったけど、俺が一方的にリリィを突き放したみたいになってて心が痛いわ!
そして俺の必死の訴えで、ようやく安堵したのか、リリィは、ふわりと顔を綻ばせた。
「ほ、本当ですか? それなら私と……お、お、お友達になってくれますかっ!?」
さながら、一世一代のプロポーズの様なテンションで片手を差し出してくるリリィ。
そして、俺は彼女の良く分からない気迫に圧倒されつつ、その柔らかい手を取った。
「あ、ああ。リリィが望むならな。それくらいは、お安い御用だ」
唐突な申し出に思わず面食らってしまった俺だけど、ここで返答を躊躇えば、またリリィが情緒不安定になるかもしれない。
そんな考えが、ふと頭に浮かんで、俺は大げさなくらい頷いて見せる。
「えへっ。えへへぇ。私ってば生まれて初めて、お友達ができちゃいましたっ」
その結果、これ以上ない程だらし無い、リリィのニヤニヤ顔を拝む事となった。
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