絶対孤独

せだ きるや

25 束の間の平和

哀しい空の下
鈍色の湖面に
音もなく滑り出す

失われた軋轢に
想いを馳せながら
湖に沈んでいく曇り空を
他愛もない会話で埋めていく

君との諍いの日々
くすんだ水に溶けていく

さざ波の向こうに
君の笑顔が揺れている

嗚呼
湖面の頼りなき笑顔を
僕は信じよう

コメント

コメントを書く

「詩」の人気作品

書籍化作品