異世界クロスロード ゆっくり強く、逞しく

アナザー

第50話 久しぶりのレベル上げ

 昨日から新し家族が増えた。
昨夜、最初は戸惑っていたガンダルさんだったが、ラスクさん達の順応っぷりに背中を押される形で慣れていった。
こうなってくるともう少しメイドさんを増やした方が良いのかな?っと考えていたが、今朝から知らない顔のメイドさんが増えていたことに驚いた。
どうやらミズキが動いたらしい。
仕事が早いねミズキさん。

そして朝食の時間となる。
今朝はサリスさんとセリスは既にギルドに出勤。
ミミさんも散歩ついでに出かけるらしいので既に居ない、ラスクさん達と仲良くなったミミさんは今日の町案内をかって出たらしい。
ワクワクしすぎて待ちきれず、早朝にお弁当を持って出て行ったみたいだった。

・マルチ
「おはよう、ライオット。
今日は既にみんな出掛けた。
後で一緒にどこか行かない?」

・「そうだね、朝食後に出掛けようか。
俺は少しやりたい事はあるんだけど、マルチは何かやりたい事ある?」

・マルチ
「ん~、特にないかな。
ライオットと一緒に居られれば何でも良い。」

朝から甘いひと時を過ごしている気がする。
なんだろう、、、
この世界に来て事が上手く運んでいるな。
ある意味怖い気もするが、、、

・ガンダル
「俺はライオットの護衛だ。
どこにでも付いて行こう。
あと、俺の事はガンダルと呼んでくれ。
余り敬語で話されると調子が狂う。
奴隷に敬語ってのもおかしな話だろう?」

・「そうか、了解したよガンダル。
ただし、俺達の関係は主人と奴隷じゃないからね。
俺の信頼できる仲間って事で宜しく♪」

その言葉を聞き暫くフリーズ。
ガンダルは深呼吸をしてから語りだす。

・ガンダル
「本当にお前はおかしな奴だな。
人間にこんな奴がいるとは思わなかった。
相分かった、俺はお前の仲間だ。
これからも宜しくな。」

昨夜は大人数だったからあまりこの話できなかったんだよな、ちゃんと伝えれてよかった。

・マルチ
「護衛じゃなくなったのなら今日はライオットと二人きりにして、ガンダルは寝てていいよ。」

・ガンダル
「いやいやそう言う訳にはいかんぞ。
俺自信が仲間であるライオットを守りたいからな。
どこまでも付いて行くぞ。」

若干空気の読めないガンダルが宣言する。
ガンダルは胸を張ってドヤ顔だ、、、
仲間であることをしっかりアピールしたって所かな

・マルチ
「むぅ、、、二人きりになれない、、、」

日々悩みが増えるマルチをよそに、ガンダルは朝食を食べ始めた。
俺達も食べなきゃな。
3人で仲良く?食事を済ませた。

・「今日の予定なんだけど実はさ、そろそろ本格的にLV上げしたいんだ。
LV上げと言っても普通のやり方じゃないから俺一人でも良いんだけど、
良かったら付き合ってほしい、、どうかな?」

俺はやりたい事を告げた。
ここの所、本格的なLV上げをしていない。
LVは上がってるけど採取とか出来てないからね。
今日はとことん上げてやとうと思っている。

・マルチ
「普通のLV上げじゃない?
何だか楽しみ、一緒に行きたい。」

・ガンダル
「ほほぅ、LV上げにも種類があるのか?
何だかよく分からんが付いて行こう。」

ありがたい、これで良い感じにあげれそうだ。
ではまず

ライオット ステータス
レベル25 所持金 16309c
筋力 115 +40(パッシブ
知力 130 +100(パッシブ
敏捷性 129 +30(パッシブ
・スキル
自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力 
 
・魔法
癒しの鼓動
風魔法 レベル31
炎魔法 レベル28
水属性 レベル29
 
・技能
剣術レベル17 補正レベル3 筋力 6 敏捷生 6
杖術レベル12 補正レベル2 知力 10
盾術レベル7 補正レベル1  筋力 5
槍術レベル10 補正レベル2 筋力 6 知力 2
体術レベル19 補正レベル3 筋力 8 俊敏性 12
射撃レベル 9補正レベル1 筋力 2 俊敏性 2
 
・特殊技能 補正値パッシブ(特
採取レベル12 補正レベル2 筋力 10 知力 10
採掘レベル11 補正レベル2 筋力 10 敏捷性 10
魔装術レベル26 補正値レベル5 知力 50
操舵レベル12 補正レベル2 俊敏性 20
 
・加工技能 補正値パッシブ(加
裁縫レベル10 補正レベル2 知力 20
鍛治レベル10 補正レベル2 筋力 20
錬金レベル10 補正レベル2 知力 20

ふむ、この数値をどこまで上げれるか、、、だな。
出来れば盾と射撃を上げたい、、、
移動は馬車にしようかな、操舵も上げたいし。
特殊技能が一番補正値が高いよね。
どこかいい場所は無いか、、、

・「ミズキ、居るかな?」

・ミズキ
「いつもあなたの傍に」

なのそのキャッチコピーみたいな言葉。
とりあえず来てくれた事に感謝しよう、、、

・「えっと、この辺で糸草よりも上質な繊維が採取できる場所ってないかな?
敵の戦利品でも良いけど何か知ってる?」

・ミズキ
「この辺りでしたら、『ミトラ湖』の北に位置する『模様草』が宜しいかと、、、
『色糸』の原料でして、加工方法により様々な色の糸が作成できる植物になっています。
現在は水色、紅色、緑色が不足していると聞いておりますし、近くにはゴートスパイダーの縄張りもありますので、採取に集中できないのが不足の原因となっています。
ちなみに、ゴートスパイダーの体内にある蜘蛛の糸も加工次第では『蜘蛛糸』として人気もあります」

想像よりもはるかに素敵な情報が、、、
本当、ミズキにはお世話になりっぱなしだな。

・「いつもありがとう、今度何かお礼しなきゃね。
ミズキは何か欲しいものってある?」

質問してみたらミズキがフリーズした。
あれ?なんか変なこと言ったかな?

・「何か変なこと言った?ごめんよミズキ。」

・ミズキ
「いえ、こちらこそ申し訳ありません。
産まれてから隠密として教育を受け、仕事をしていましたので、命令される事はあっても見返りを聞かれるということは無くて、、」

成る程、、、俺もお願いしてばっかりだしな。
ちょっと反省。

・「そっか、俺もお願いばかりでごめんね。
たまには俺もミズキのお願いも聞きたいからさ、何か考えておいてね。
いつもありがとう。」

その瞬間、ミズキの顔が真っ赤になって消えた。

・ミズキ
「あ、ありがたきしあわせぇぇ」

そんな言葉を吐きながら遠ざかっていく気配。
あんなに動揺したミズキは初めて見る。

・「さてと、情報収集も終わったし。
準備出来たら早速行こうと思います。
いいかな?」

俺とミズキのやり取りを見ていた二人が頷く。
そして3人でLV上げへと向かう。
、、、たぶん4人になるだろうけどね。

ゆっくりと馬車で約2時間。
『模様草』群生地に辿り着く。
そこで少し早めのランチタイムとした。

・「んじゃご飯食べながら聞いてほしい。
基本的に採取メインで採取は俺がやるよ。
ゴートスパイダーが出現したら撃破します。
今回の目的は模様草の採取と加工です。
その間の護衛をお願いしたいです。」

・ガンダル
「成る程、加工品メインとなるから通常とは違うレベル上げと言う訳か。」

・「本当は俺もレベル上げに参加して採取品は持って帰って加工したいんだけどね、俺の鞄じゃ40個そこそこしか入らないからその場での加工になっちゃうんだよね。
その間は無防備だからさ。
護衛をお願いしたってわけ。」

・マルチ
「分かった、ライオットのやりたいようにやって。
私は一緒に居られればそれでいい。」

・ガンダル
「俺もそれでいいぞ。」

俺に合わせてくれる優しい2人。
良い人たちやな。

ドサ、、、

不意に背後で何やら物が落ちた音がした、、、
振り向くとそこには鞄が落ちていた。

・「鞄、、、?とメモ用紙。」

・メモ用紙
「愛するあなたへ
王宮よりパク、、、預かってまいりました。
特大容量の鞄です。
あなたの好きに使ってください。
今夜、鞄を取りにまいりますので、、、妻より♪」

・マルチ
「チッ、やっぱり付いて来てるわ。」

マルチさんの機嫌が余り宜しくないけど、ここはありがたく使わせてもらおうかな。
でも、どう見てもこの鞄借りたって感じじゃない気がするけど、、、大丈夫かな?

・「予定を変更しましょう。
敵の殲滅重視でLV上げ。
採取は片手間にやっておきますので、前衛はガンダルさん、後衛支援はマルチでお願いします。
アイテム収集も俺がやりますのでどんどん狩っていきましょう。」

こうして模様草群生地での借りが始まった。
俺は持参した盾に魔装術で槍を造る。
盾を構えると槍の突起部分が前に出る様な形だ。
主に突進攻撃を主体として、手ごろな石を見つけたら投げつける。
なんとも行き当たりばったりな戦法である。

・ガンダル
「ライオット、見た事もない戦い方するんだな。」

そんな風に言っていたガンダルさんの言葉が突き刺さる、やっぱり変かな?

・マルチ
「ライオットは天才なの。
理解しようとしても無駄よ。」

マルチはガンダルに言い放ち、ドヤ顔をする。
余り褒められても困る。
だって何も考えてないんだもの。
ゴートスパイダーは結構頻繁に出現した。
模様草に隠れつつ攻撃してくるんだろうけど、マップ機能がある俺には通用しない。
ガンダルさんにはまだ渡してないが、マルチとミズキ、セリスとサリスさん、あとミミさんにはマップ機能無制限を譲渡済みだ。
お陰でサクサク倒していけるのがありがたい。
ガンダルさんはそんな俺達にびっくりしていた。
唯一、マップから目を離したときに襲い掛かってきたスパイダーもいたが、どこからともなく飛んでくるクナイで倒されていた。
ミズキもちゃんと見てくれてるんだな。
本当に良い子やなぁ~。

採取を伴うLV上げは夕方まで続いた。
スパイダーも数え切れない程倒す事が出来た。
戦利品も数多く手に入れたが、ミズキの鞄のおかげで全部入手した。
やっぱりでっかい鞄って良いよね。
お礼が言いたかったのでミズキを呼び、4人で馬車で帰る事となった。

・「みんな今日はありがとう。
おかげで沢山集めれたよ。」

・ガンダル
「どうやら、礼を言うのは俺の方だったみたいだ。
聞いてくれ、今日一日だけでLV26からLV30まで上がった。
あれだけの数の強敵を倒す事になるとは。
特にマルチ殿が凄かったな。
魔法で一日に5体も倒せれば良い方なのに、、、
なん十体と倒してもけろっとしているマルチ殿が恐ろしい、マルチ殿は一体どれだけの魔力を秘めているのだ?」

やはり、マルチの魔力量は異常らしい、、、
魔力回復しながらやってるから無限なんだけどね。
それにしても、一気に4も上がったのか、、、
それに比べて俺は1しか上がってないのに。

・マルチ
「数日前まで私のLVは1だった。
今はLV32になってるわ。
全てはライオットのお陰。」

さくっと爆弾を投下するマルチ。
ミズキとガンダルが首が取れるんじゃない?って程の速度で俺を見る。


・ミズキ
「どんな魔法を使ったのかはわかりませんが、私を射止めたあなたなら当然なのかもしれないわ。」

うっとりしながらよく分からない事を言うミズキ。
ガンダルに至っては言葉が出ないようだった。

・「とりあえず、暫くはこんな感じでLV上げしたいんだ、暇なときは手伝ってくれると嬉しい。」

そんなお願いにすごい勢いで食いつくガンダル。
マルチとミズキは離れる気がサラサラないからカウントに入れていない。
そんな話をしながら街まで帰ってきた。

・「んじゃ俺はギルドに行くからさ、馬車を戻してほしい。ガンダル、お願いできるかな?」

・ガンダル
「む、任せてくれ。
しっかりと送り届けよう。」

・「ありがとう、
その後は屋敷で好きにしてていいからさ。
ラスクさん達も帰ってる頃だろうし。」

・ガンダル
「そうだな、今後の事も話したい。
ではお言葉に甘えるとしよう。
今日は非常に楽しかった。
また一緒にLV上げに行こう。」

そう言って笑顔で帰って行った。
さて、俺はここからが本番だ。
一気に裁縫を上げてやるぜ!
最近、水の生成のお仕事をサボりがちなマルチも一緒にギルドに向かう。
どこまで裁縫スキルが上がるのか、今から楽しみでしょうがない。
 

~登場人物~
・ライオット 主人公
やっと本格的なLV上げが出来て嬉しい。

・マルチ
ライオットと二人きりになる事を夢見る年齢不詳の少女。
最近は少し諦め気味

・ミズキ
既に国よりライオットの事が大切になっている。
元王宮隠密の知識でライオットを支える事を誓う。

・ガンダル
心身ともにライオットの仲間となった。
最初のお供でマルチの規格外な魔力を知りビビる
 

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