完璧会長と無関心な毒舌読書家
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熊本県は、九州本島の中央部に位置し、福岡、大分、宮崎、鹿児島の各県と境を接する。海上で有明海を隔て長崎県とも接する。東部の阿蘇地方に日本第2位の阿蘇カルデラを持つ阿蘇山。中心都市である熊本市は、阿蘇山による地下水で市域の70万人超の人口をまかなわれている世界でも稀有な都市である。
「やっぱり、熊本の水はうまいな」
空港から市内までの直通バスを使い、町中までやってきた神崎が最初にした事は、水を飲むことだった。
「さて、行くかな」
神崎はそう言って市電に向かい始めた。
市電に乗り、周りに旅行用の大きなカバンを特異な目で見られながらも、神崎は気にする様子もなく悠然と立っていた。
神崎は、目的つまり実家の近くの駅で降りた。しばらくぶりの地元を見ながら歩くとこ30分。
神崎はエントランスのインターホンを押した。神崎の実家はマンションにあるのだ。鍵が有れば、わざわざインターホンを押す必要がないのだが、今は東京に住んでいるため、当然、鍵は持っていない。
「はーい」
「俺だ」
「誰かしら?俺なんて言う息子は知らないわ」
「カメラで見えてるだろ。母さん。優だ」
「そうね、どう見ても優だわ」
「分かってるなら早く開けてくれ」
「・・・」
無言になったかと思えば、静かにオートロックの扉が開いた。
エレベーターを上がって玄関に着き、扉を開けようとしたら、先に扉が開いた。
「かぁ・・・」
神崎が絶句したその目の前には桐野がいた。
「やっぱり、熊本の水はうまいな」
空港から市内までの直通バスを使い、町中までやってきた神崎が最初にした事は、水を飲むことだった。
「さて、行くかな」
神崎はそう言って市電に向かい始めた。
市電に乗り、周りに旅行用の大きなカバンを特異な目で見られながらも、神崎は気にする様子もなく悠然と立っていた。
神崎は、目的つまり実家の近くの駅で降りた。しばらくぶりの地元を見ながら歩くとこ30分。
神崎はエントランスのインターホンを押した。神崎の実家はマンションにあるのだ。鍵が有れば、わざわざインターホンを押す必要がないのだが、今は東京に住んでいるため、当然、鍵は持っていない。
「はーい」
「俺だ」
「誰かしら?俺なんて言う息子は知らないわ」
「カメラで見えてるだろ。母さん。優だ」
「そうね、どう見ても優だわ」
「分かってるなら早く開けてくれ」
「・・・」
無言になったかと思えば、静かにオートロックの扉が開いた。
エレベーターを上がって玄関に着き、扉を開けようとしたら、先に扉が開いた。
「かぁ・・・」
神崎が絶句したその目の前には桐野がいた。
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