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「全く、アイツは桐野ちゃんに慕われて幸せもんだな」
喫茶店のカウンターでコーヒーを飲みながら、大輔はしみじみと神崎をがこの店に来た当初の事を思い出していた。

当初は顔を出すのを嫌がっていたが、そこは何とか言いくるめて出させたが女子に彼女がいないか、聞かれるだけで、顔が歪んでいた。

もうあんな、顔をしなくていいようになればとしみじみと思う。

実際に何があったかは知らないが、余程の事がない限り、あんな顔にはならないだろう。

最近では、桐野ちゃんに色々とされるたびに嫌がっているが、完全に拒否してないのが心の中で嫌がってない証だろう。

アイツの心の傷を桐野ちゃんが癒してくれたらいいと思う。中々、難しいと思うが。

「さて、もう客も来ねぇと思うし、戸締りでもするかな」

立ち上がった大輔は、アイツが帰ってきたら必ずからかってやろうと思い、ニコニコしながら扉の方へ歩いて行った。