完璧会長と無関心な毒舌読書家

スリーユウ

13

次に2人の前に現れた障害物のは2つ平均台のだった。平均台が2個ずつ並べられていて、教師が横でそれぞれ一本ずつに乗って渡れと指示していた。


「また、地味に面倒なのを」
「文句言ってないで先に進むわよ。私たちは1位にならなきゃいけないんだから」
「ならなきゃいけないのは会長で、俺は関係ないだろ」
「パートナーなんだから、関係あるわよ」
「俺が会長に合わせる必要性がないから、関係ないね」
「頑張らないと成績に影響するわよ」
「ある程度、頑張るから問題ない」
桐野は神崎をどう説得しようか考えるように手を自分の顎に置いた。そしてすぐにいいことを思いついたように神崎に言葉を発した。


「私が協力しないと無理な競技もあるんじゃないかしら」
「何が言いたい?」
桐野はそこで神崎に意地悪な笑顔を向けて言った。


「貴方がそんな態度なら私は協力しないって言ってるのよ」


「なっ」
「これで貴方は私に協力しなければならなくなったわね」
さすがというべきか、ここで神崎の頭は高速で回転していた。前年度のクイズラリーがどの程度成績に入っていたかを考え、今回も同じ割合で入ると計算した結果。桐野に協力しなくてはいけない結果が頭の中で出てしまった。


「さ、行くわよ」


「ちっ」
桐野の言葉で神崎は思考を放棄して、桐野のぺースに合わせて平均台を渡りだした。
普通はバランスを崩して、渡れないのだが2人は軽々と渡って行った。



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