完璧会長と無関心な毒舌読書家

スリーユウ

5

会長の発言により、皆が驚いている間に神崎は櫻井に近づいて、声をかけた。
「櫻井、今回はさずがに守れんから、がんばれ」
そこで櫻井は驚いてる硬直から、緊張の硬直へ変わった。


「番号を叫べ、アドバイスは以上だ」
神崎が櫻井に弔いの言葉を言い終えたところで、会長の言葉がちょうど終わった。


「では、これよりクイズラリーを開始します」


その瞬間、女子生徒たちが櫻井に対して、突っ込んでゆく。
「あ、ちちょっと、押さないで、うわ、どこ触ってんのーーー」
櫻井は神崎のアドバイスを実行する前に女子生徒たちの波にのまれてしまった。


一方、男子生徒たちは壇上の前に集まって、会長に番号を聞いている。
「会長の番号は何ですかーーー」
「自分は432ですーーー」
「番号おしえてくださいーーー」
会長に対しては男子生徒が壇上に上がっていないので、櫻井より、ましだが騒がしいことにはかわらない。


その頃、神崎は櫻井を追いかけていない女子の中に自分の番号を持っている人がいないか探していた。
「おーい、111の番号の奴いないかーーー」
さっと、周りを見てみるが反応しているような女子は1人もいないことを見た神崎は櫻井の騒ぎが終わるまで待つしかないと思っていた、その時、スピーカーから良く通る会長の声が聞こえてきた。


「私の番号は111よ」


その瞬間、男子生徒たちが殺気を持った視線で後ろを振り返った。
神崎はそこで、さっきまで大声を出してペアを探していた自分を猛烈に殴りたくなった。


神崎は櫻井のようになる前に、無駄だとわかっているが何もしないのは性に合わないので一応、説得を試みた。
「おい、待て、これには名前がついてるから、変えてやること出来ないんだぞ」
その言葉をきかっけとしたように男子生徒たちが神崎に突撃してきた。


「そんなの知るかーーー」
「てめーだけ、いい思いしやがってーーー」
「せっかく、会長と2人きりに成れると思ったのにーーー」
もはや、男子生徒たちは何も言っても無駄な状態になっていた。


「くそ」
神崎は後ろの体育館入口に向かって走り出した。幸い、男子生徒たちとの距離は20メートル以上あったので逃げ切ること出来る。しかし、このクイズラリーがペアでやることが決まっているので会長の桐野をあとで探さなければいけないくなる。
この事を考えながら神崎はさすがに命には代えられないと思い、体育館の入り口に走った。



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