天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する
42
「いいだろう、この前のこともある、怪我人も出ておらんと聞いているから、其方の話だけでも聞いてやろう」
流石、王を務めてきたという所か、王様はフェリクスの迫力には臆さず、話を進めた。
「それはどうも」
「それでどんな交渉をしに来たのじゃ」
「アリサ王女の神落としの儀式をやめるようにと戦争を起こさないようにです」
「この際、何故、それを知っているかは聞かないでおこう、つまり、君は私に神落としをやめるように説得できるだけの材料を揃えてきたということか。そうゆう所はダルクに似ているな、そうだと言うなら聞かせてもらおうか」
「まず、第一に我がクレソン商会はレイヴァ―ス王国が戦争を始める場合、この国から手を引きます」
「つまり、お前たちの商会はこの国で商売しなくなるということか」
「その通りです」
「せっかくの商売を潰すようなまね、ダルクが許すのか?」
戦争は商売になる。それは間違いない、戦争時は国と取引をするのだ、その利益は計り知れない。しっかりと戦争の終わり時を見極められれば、利益だけを得られるだろう。ダルクの事だ、そこら辺もしっかりやるだろう。つまり、戦争を止める理由が商人自体にはないのだ。
「そういうと思われましたので、これを」
フェリクスは一枚の紙を取り出し、王様の足元に投げた。王様は、顎で周りの兵士に拾わせるように指示し、拾わせた紙を読んだ。
「これはクレソン商会の魔法印、そしてダルクの文字」
誓約書や証明書などの際に使われるのが魔方印で、これは押したものに魔法で縛るものだ。契約したものは、その制約に縛られる。つまり、これはフェリクスがダルクにクレソン商会がレイヴァース王国から引く許可を取ったということに他ならない。
「しかし、何故、手を引く?その理由はなんだ?」
「自分は戦争で苦しむ人をなるべく見たくないだけですよ、アリサ王女を含めてね」
「何とも素晴らしい思想のお持ち主だな、しかし、現実はそんなに甘くないぞ、ダルクの息子よ、ダルクはそこの所を教えてくれなかったようだ」
まるでそんなことは不可能だと、子供を諭す親のように王様は言ってきた。
「いえ、別にそんなことはありません、父はちゃんと教えてくれました。後々を考えて動けとね、確かに戦争は商人にとって利益をもたらしてくれるでしょう。しかし、一時的なものです。戦争ではたくさんのものを失います。その国が持ってる、土地、文化、技術、なくなってしまっては、取り戻せないものばかりです」
「そんな絵空事で戦争は止まらぬ」
「確かにそうでしょう、国が豊かなら戦争は起こらないなんて言いませんよ、遺恨や嫉妬などで戦争が起こることもありますから、でも今回は違う。貴方一人が、この国を豊かにしたいと戦争を起こそうといる」
「それに関しては否定はせぬ」
「だから、貴方に戦争を起こしたら、貧乏になりますよと言いに来たんですよ」
「別にクレソン商会が手を引いたところで困りはせぬ、たかが一介の商会、そうしてければそうすればいい」
「嘘は良くないですよ、王様、クレソン商会は6割の王国の流通を仕切っています。これが急になくなると言うことは、このレイヴァースの国民の貧困を意味してます。それを放置すれば反乱が起き、戦争どころではないはずです」
「そんなもの、他の商会に任せれば関係ない」
王様は思わず、声を荒げてしまう。
「それだけの期間があればいいですが、私どもはここでいい返事を貰えなければ、すぐにこの国を出て行くのでどの紹介もそんなに急には無理でしょう」
「くっ」
ここまで説明された王様には戦争をしないという選択肢しか残されていなかった。しかし、フェリクスは意図的にもう一つの選択肢を言わなかった。
「いや、お前は話してないことがあるな。確かにお前の言う通りお前たち商会がこの国から引けば、内乱が起こるのは必然だろう。通常の戦争を起こしていたら、そうなるだろう、しかし、戦姫の力を使い、今すぐ宣戦布告もせずに戦争をすれば、それは関係ないのではないか、ダルクの息子よ」
つまり、貧困になる前に他国からすべて奪い取ればいいということだ。
「確かにそうですが、国の尊厳すら失うおつもりですか」
「そんなもの戦争に勝てばどうとでもなる、それにダルクの鼻を明かせるだけでも気分がいい」
「つまり、戦争は止めないとご回答ですか、王様?」
「そうだな、それにこんな茶番、なんの意味もない」
「茶番ですか?」
「ああ、茶番だ、何故なら、もう神落としの儀式は始まって、終わる頃だ、もうお前が何を言っても変わりはせぬ」
「何!」
王様の言葉にフェリクスは自分の行動が遅かった後悔した。
「ほれ、来たぞ」
「なんだ、この光は」
王城全体に神々しい光が降り注いだ。場所も関係なく王城にいる全員にその光は降り注ぐ。その光が止むと下から何かが床をぶち抜いてこの謁見の間に迫ってくる音がした。
床をぶち抜いてやってきたのは、神々しいオーラを纏ったアリサ王女だった。
流石、王を務めてきたという所か、王様はフェリクスの迫力には臆さず、話を進めた。
「それはどうも」
「それでどんな交渉をしに来たのじゃ」
「アリサ王女の神落としの儀式をやめるようにと戦争を起こさないようにです」
「この際、何故、それを知っているかは聞かないでおこう、つまり、君は私に神落としをやめるように説得できるだけの材料を揃えてきたということか。そうゆう所はダルクに似ているな、そうだと言うなら聞かせてもらおうか」
「まず、第一に我がクレソン商会はレイヴァ―ス王国が戦争を始める場合、この国から手を引きます」
「つまり、お前たちの商会はこの国で商売しなくなるということか」
「その通りです」
「せっかくの商売を潰すようなまね、ダルクが許すのか?」
戦争は商売になる。それは間違いない、戦争時は国と取引をするのだ、その利益は計り知れない。しっかりと戦争の終わり時を見極められれば、利益だけを得られるだろう。ダルクの事だ、そこら辺もしっかりやるだろう。つまり、戦争を止める理由が商人自体にはないのだ。
「そういうと思われましたので、これを」
フェリクスは一枚の紙を取り出し、王様の足元に投げた。王様は、顎で周りの兵士に拾わせるように指示し、拾わせた紙を読んだ。
「これはクレソン商会の魔法印、そしてダルクの文字」
誓約書や証明書などの際に使われるのが魔方印で、これは押したものに魔法で縛るものだ。契約したものは、その制約に縛られる。つまり、これはフェリクスがダルクにクレソン商会がレイヴァース王国から引く許可を取ったということに他ならない。
「しかし、何故、手を引く?その理由はなんだ?」
「自分は戦争で苦しむ人をなるべく見たくないだけですよ、アリサ王女を含めてね」
「何とも素晴らしい思想のお持ち主だな、しかし、現実はそんなに甘くないぞ、ダルクの息子よ、ダルクはそこの所を教えてくれなかったようだ」
まるでそんなことは不可能だと、子供を諭す親のように王様は言ってきた。
「いえ、別にそんなことはありません、父はちゃんと教えてくれました。後々を考えて動けとね、確かに戦争は商人にとって利益をもたらしてくれるでしょう。しかし、一時的なものです。戦争ではたくさんのものを失います。その国が持ってる、土地、文化、技術、なくなってしまっては、取り戻せないものばかりです」
「そんな絵空事で戦争は止まらぬ」
「確かにそうでしょう、国が豊かなら戦争は起こらないなんて言いませんよ、遺恨や嫉妬などで戦争が起こることもありますから、でも今回は違う。貴方一人が、この国を豊かにしたいと戦争を起こそうといる」
「それに関しては否定はせぬ」
「だから、貴方に戦争を起こしたら、貧乏になりますよと言いに来たんですよ」
「別にクレソン商会が手を引いたところで困りはせぬ、たかが一介の商会、そうしてければそうすればいい」
「嘘は良くないですよ、王様、クレソン商会は6割の王国の流通を仕切っています。これが急になくなると言うことは、このレイヴァースの国民の貧困を意味してます。それを放置すれば反乱が起き、戦争どころではないはずです」
「そんなもの、他の商会に任せれば関係ない」
王様は思わず、声を荒げてしまう。
「それだけの期間があればいいですが、私どもはここでいい返事を貰えなければ、すぐにこの国を出て行くのでどの紹介もそんなに急には無理でしょう」
「くっ」
ここまで説明された王様には戦争をしないという選択肢しか残されていなかった。しかし、フェリクスは意図的にもう一つの選択肢を言わなかった。
「いや、お前は話してないことがあるな。確かにお前の言う通りお前たち商会がこの国から引けば、内乱が起こるのは必然だろう。通常の戦争を起こしていたら、そうなるだろう、しかし、戦姫の力を使い、今すぐ宣戦布告もせずに戦争をすれば、それは関係ないのではないか、ダルクの息子よ」
つまり、貧困になる前に他国からすべて奪い取ればいいということだ。
「確かにそうですが、国の尊厳すら失うおつもりですか」
「そんなもの戦争に勝てばどうとでもなる、それにダルクの鼻を明かせるだけでも気分がいい」
「つまり、戦争は止めないとご回答ですか、王様?」
「そうだな、それにこんな茶番、なんの意味もない」
「茶番ですか?」
「ああ、茶番だ、何故なら、もう神落としの儀式は始まって、終わる頃だ、もうお前が何を言っても変わりはせぬ」
「何!」
王様の言葉にフェリクスは自分の行動が遅かった後悔した。
「ほれ、来たぞ」
「なんだ、この光は」
王城全体に神々しい光が降り注いだ。場所も関係なく王城にいる全員にその光は降り注ぐ。その光が止むと下から何かが床をぶち抜いてこの謁見の間に迫ってくる音がした。
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