天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する

スリーユウ

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儀式が行われる当日


商会の者に王城を見張らせていたが、特に動きがないことから、儀式は王城のどこかで行うのだろう。フェリクスは儀式の場所までは突き止めていなかったが、別段その必要はなかった。


フェリクスは王城の正門に正々堂々と降り立った。


王都の住人に騒がれても面倒なので最近、お世話になりぱっなしの隠蔽用の結界もフェリクスはしっかり張っている。


その結界が張られたことによって、王城の中が騒がしくなるが、フェリクスはそんなことは気にせず、ゆっくりと王城の正門に向かって歩いて行く。


「おい、貴様、何者だ」


正門を守る兵士から声が掛かるが、フェリクスは歩みを止めない。


「止まらねば、攻撃するぞ」


兵士の制止の声を無視したので、当然、フェリクスに対して、攻撃を開始される。


あえて、フェリクスは反撃せずにいた。剣や槍などの物理攻撃は受け流し、後ろに流していく。その様子を見ていて物理攻撃ではダメだと判断した兵士たちは、遠距離から、魔法をフェリクスに向かって打ちだした。


砂塵が立ち込める中、その中から無傷のフェリクスが姿を現した。


「くそ、ダメだ、皆、アリサ王女専用陣形用意」


「へぇ、少しはマシな人はいるみたいだね」


一人の兵士の掛け声を皮切りに兵士の陣形が変わっていく。目の前に兵士たちの盾が築かれ、その後ろで集団魔法を作っていた。


「まぁ、俺はアリア王女じゃないから、そんなの待ってあげないよ」


ここで初めて、フェリクスは反撃に出る。フェリクスは10本の指でそれぞれ魔法陣を描いた。その速度は圧倒的に早く、兵士たちが反応するより魔法陣が早く組み立てられた。


その魔法陣が起動すると、縦の兵士たちの後ろで魔法を準備していた兵士たちが土から飛び出てきた手によって捕まえられる状態になった。


その様子に兵士たちは騒然となる。


「落ち着け―――」


そこに明らかに服装の違うものが現れる。服装の様子からして、近衛兵と言ったところだろう。


「私は、第一近衛騎士隊長サイラス、少年、何故、こんなことをするんだ」


まだ、フェリクスが誰も殺していないことから、対話が可能と思ったのだろう。


「俺は今日、儀式が行われる前に王様に話を付けに来ただけだ」
「何故、君がそのことを知っているんだ」


「そんなことは今問題じゃないだろ、俺を止めたければ止めてみなよ、誰も怪我をさせずに俺は王様の所まで行く」
「・・・君の覚悟は伝わった、しかし、私も近衛騎士として君を通すわけには行かない」
「だろうな」


これ以上の言葉は必要ないとお互いの魔力が高まっていく。いつ戦闘が起こってもおかしくないのにも関わらず、フェリクスはゆっくりと歩くのをやめない。


サイラスが剣を上段に構え、フェリクスが来るのを待った。そして、射程距離に入った瞬間、その剣は目にも止まらぬ速さで振り下ろされた。


しかし、次の瞬間、待っていたのは、根元から切られた剣といつの間にか抜刀された刀だった。


止めとばかりに呆然としているサイラスに何重にも拘束魔法が掛けられた。


近衛騎士隊長の一撃ですら、フェリクスにかすり傷を負わせることはできなかった。


そのまま、結局、フェリクスは誰にも止められることなく、王様がいる謁見の間にたどり着いた。


「やぁ、王様」


「なんの騒ぎかと思えば、アリアの学友が何ようかな?」
王様の言葉は平穏だが、口調は決して穏やかではなかった。


「なぁに、ちょっと、王様に交渉をやりに来ただけだよ」


しかし、それ以上にフェリクスの口調には迫力があった。







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