天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する
39
フェリクスの予想通り、アリサ姫がいると思われる場所の警備は異常な厚さだった。王城の奥に行けば行くほど、兵の出入りは多く、最後の廊下では特定の兵士しかいることを許されて居なかった。
最後の廊下を兵士の変装で確認したフェリクスは指輪の術式の一つを使用した。それを使うとフェリクスの体がすうっと透明になった。フェリクスが使用したのは霧精霊の神力の術式だ。子の術式は自分の体を周りに溶け込ませ、周りから見えなくするものだ。この王城には魔法で様々な侵入者対策をしてあるが、魔法を使わなければ、反応しないものがほとんどで、神力や魔法を使わない生身だと意外と侵入出来てします。これに対してはすぐにでも警備対策を変えるべきだろう。
霧の術式で姿を消したフェリクスは、難なく扉の前まで来るがここからが問題だ。何もしていないのに勝手に扉が開いたりしたら、不自然だろう。自然に誰かが開けるのを待つのがいいのだろうが、術式の効果のもいつまで続くのか、わからないのでフェリクスは、一つの行動に出た。
廊下に飾ってあった花瓶を指で弾き倒した。
もちろん、そんなことをすれば、花瓶は倒れ、盛大に音を立て割れることになる。その音に気付いた兵士たちは一瞬、花瓶に視線を誘導されることになった。その隙を見逃さず、フェリクスはアリサ姫の部屋に忍び込むことに成功した。
その直後に兵士がアリサ姫の扉をノックした。
「すみません、姫様、お変わりないでしょうか」
扉越しに兵士はアリサ姫に部屋の様子を確認してきた。廊下で花瓶が割れるという異常があったからだ。
「何も変わってないですよ」
「そうですか、失礼しました」
「そこにいるのはもしかして、フェリクス君でしょうか」
小さい声でアリサは聞いてきた。
「もし、俺じゃなかったら、どうするんですか、アリサ姫」
「こんな所に侵入できるのはフェリクス君ぐらいですよ」
そう、扉の外にいた兵士たちは視線を誘導されたが、扉の中にいたアリサには関係ない。フェリクスが入ってきたことはアリサには丸わかりだった。
「何でこんな所にまで来たんでしょうか、フェリクス君」
「貴方が行う神落としと言う儀式について質問したくて」
「その質問をされるような気がしてました、貴方がここに来る理由はそれしかありませんからね」
「何で、そんな儀式をするんでしょうか、アリサ姫はもう十分強いでしょう」
「確かにそうですね、城で私に勝てる人はいないでしょう」
「なら、どうして?」
「フェリクス君はこの国がどうやって他国の侵略を防いできたか知ってますか?」
突然の質問にフェリクスは眉を顰めるが質問に答える。
「それはもちろん、武力で」
「ええ、そうです、その中でも特に他国に恐れられた戦姫と言う存在が居ました。それが私の母です」
「つまり、母親の代から神落としと言う儀式は定期的に続けられてきたと言いたいですか」
「その通りです。父は儀式の失敗の可能性があるとは考えていないのでしょう。実際、精霊使いとしての資質が高いと神落としは成功しやすいと言われています。私の資質が高いこともそれに拍車がかかっているのでしょう」
「しかし、そんなにリスクを取るでしょうか、他に止める人がいないわけないじゃないですか」
「今の父を止めれる人などいません。父は栄光に取りつかれてます。この国を発展させる為だと、さらに武力を求めました。もう私の声もお聞きにならないでしょう」
つまり、話をまとめると王様が独断で儀式をしようとしていて、だれにも止めらない。高い確率で成功すると思われるが万が一があるという所か。
「とゆうことは儀式が成功したら、戦争が起こるということでいいでしょうか」
「そうなります」
商人として一番、気になるのはやはりそこだった。アリサ姫が即答で答えたということは確信があるのだろう。
「なるほど、商人としては聞きたいことは終わりました」
「なので、早くこの国を立ち――」
「アリサ姫ははどうしたいですか」
アリサ姫の言葉を遮って、フェリクスはアリサ姫を真正面に見た。その顔には何の表情もなく、純粋な質問だった。
「わ、私は誰かに父を止めてほしいとお、思ってます」
「そうですか」
フェリクスはそれだけ聞くと窓を開け、もう一回霧精霊の術式を掛けて外に飛び去った。
最後の廊下を兵士の変装で確認したフェリクスは指輪の術式の一つを使用した。それを使うとフェリクスの体がすうっと透明になった。フェリクスが使用したのは霧精霊の神力の術式だ。子の術式は自分の体を周りに溶け込ませ、周りから見えなくするものだ。この王城には魔法で様々な侵入者対策をしてあるが、魔法を使わなければ、反応しないものがほとんどで、神力や魔法を使わない生身だと意外と侵入出来てします。これに対してはすぐにでも警備対策を変えるべきだろう。
霧の術式で姿を消したフェリクスは、難なく扉の前まで来るがここからが問題だ。何もしていないのに勝手に扉が開いたりしたら、不自然だろう。自然に誰かが開けるのを待つのがいいのだろうが、術式の効果のもいつまで続くのか、わからないのでフェリクスは、一つの行動に出た。
廊下に飾ってあった花瓶を指で弾き倒した。
もちろん、そんなことをすれば、花瓶は倒れ、盛大に音を立て割れることになる。その音に気付いた兵士たちは一瞬、花瓶に視線を誘導されることになった。その隙を見逃さず、フェリクスはアリサ姫の部屋に忍び込むことに成功した。
その直後に兵士がアリサ姫の扉をノックした。
「すみません、姫様、お変わりないでしょうか」
扉越しに兵士はアリサ姫に部屋の様子を確認してきた。廊下で花瓶が割れるという異常があったからだ。
「何も変わってないですよ」
「そうですか、失礼しました」
「そこにいるのはもしかして、フェリクス君でしょうか」
小さい声でアリサは聞いてきた。
「もし、俺じゃなかったら、どうするんですか、アリサ姫」
「こんな所に侵入できるのはフェリクス君ぐらいですよ」
そう、扉の外にいた兵士たちは視線を誘導されたが、扉の中にいたアリサには関係ない。フェリクスが入ってきたことはアリサには丸わかりだった。
「何でこんな所にまで来たんでしょうか、フェリクス君」
「貴方が行う神落としと言う儀式について質問したくて」
「その質問をされるような気がしてました、貴方がここに来る理由はそれしかありませんからね」
「何で、そんな儀式をするんでしょうか、アリサ姫はもう十分強いでしょう」
「確かにそうですね、城で私に勝てる人はいないでしょう」
「なら、どうして?」
「フェリクス君はこの国がどうやって他国の侵略を防いできたか知ってますか?」
突然の質問にフェリクスは眉を顰めるが質問に答える。
「それはもちろん、武力で」
「ええ、そうです、その中でも特に他国に恐れられた戦姫と言う存在が居ました。それが私の母です」
「つまり、母親の代から神落としと言う儀式は定期的に続けられてきたと言いたいですか」
「その通りです。父は儀式の失敗の可能性があるとは考えていないのでしょう。実際、精霊使いとしての資質が高いと神落としは成功しやすいと言われています。私の資質が高いこともそれに拍車がかかっているのでしょう」
「しかし、そんなにリスクを取るでしょうか、他に止める人がいないわけないじゃないですか」
「今の父を止めれる人などいません。父は栄光に取りつかれてます。この国を発展させる為だと、さらに武力を求めました。もう私の声もお聞きにならないでしょう」
つまり、話をまとめると王様が独断で儀式をしようとしていて、だれにも止めらない。高い確率で成功すると思われるが万が一があるという所か。
「とゆうことは儀式が成功したら、戦争が起こるということでいいでしょうか」
「そうなります」
商人として一番、気になるのはやはりそこだった。アリサ姫が即答で答えたということは確信があるのだろう。
「なるほど、商人としては聞きたいことは終わりました」
「なので、早くこの国を立ち――」
「アリサ姫ははどうしたいですか」
アリサ姫の言葉を遮って、フェリクスはアリサ姫を真正面に見た。その顔には何の表情もなく、純粋な質問だった。
「わ、私は誰かに父を止めてほしいとお、思ってます」
「そうですか」
フェリクスはそれだけ聞くと窓を開け、もう一回霧精霊の術式を掛けて外に飛び去った。
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