天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する

スリーユウ

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アベルとアリサも順調に勝ち上がっていった。2人に関しても相手に出来るものがおらず、魔法や剣での圧倒的な実力差で相手をねじ伏せていた。そして、ついにフェリクスとアベルが対峙することとなった。


「お前と戦うのは初めてだな」
「俺は誰であろうと手加減しないからな、全力で投げる」
「全く、清々しいな、しかし、王族としてはそれをやらせるわけには行かないな」
「それは楽しみだ」


観客は今日一番の盛り上がりを見せていた。それは両者が試合で圧倒的な勝利を納めていたからだ。この2人が当たれば、どんな結果が待っているのか、観客はそれを楽しみにしていた。


「一年の部、準決勝、フェリクス・クレソン対アベル・レオンハルトの試合を始めます」
ヴェルデ先生の声を合図にアベルは腰の剣を抜いた。
「それでは、始め」
開始の合図と共にフェリクスはやはり、アベルの後ろに回り込んだ。しかし、アベルを投げ飛ばすことはできなかった。投げ飛ばそうとアベルに近づた瞬間、アベルの周りに火柱が上がったからだ。それにより、フェリクスはアベルから距離を取ることになった。


「流石に、今までの生徒とは違うな」
「何もせずに負けるわけには行かないからな、次はこちらから攻めさせてもらう」


アベルの周りには無数の火の鳥が出現する。
「行け」
それは魔法で作ったものはずなのにまるで生きているかのような動きをして、フェリクスに迫っていく。しかし、それはフェリクスに届く前に消え去った。
「こんな攻撃じゃ、俺には届かないよ」
「だろうな、しかし、魔法をその刀で切ってしまうとはな」
「へぇ、見えたんだ」


確かにフェリクスはアベルが魔法で作った火の鳥を切った。それも普通の者には見えない速度で、それが見えただけでも大したものだとフェリクスは思っていた。


「これならどうだ」
次にアベルはフェリクスの視界をすべて塞ぐほど、広範囲に炎魔法を放ってきた。


「さっき、魔法が切られたの、忘れたのか」


その魔法はあっさり、フェリクスに切られるが、アベルは元居た場所から消えてい居た。その代わりに、複数のアベルがステージを埋め尽くしていた。


「目くらましに、時間稼ぎか」


試しに近くのアベルを刀で峰内をするが、すっと刃が通り抜けた。
「蜃気楼か」
「その通りだ、しかし、魔力を帯びさせているから、お前もすぐには見破れまい」
「それなら、しゃべっちゃだめだね、今ので大体の位置はわかったよ」
「お前がこの会話に付き合ってくれてるだけで、目的は達したから、問題ない」


アベルのすることを待っているかのようにフェリクスは何もしなかった。するとすぐにアベルの分身は消えて、特大の魔法陣を用意しているアベルの姿が現れた。


「アベル、全力を見せて見ろ」
「望むところだ」


その魔法陣からは巨大な獅子が出てきたが、肌で感じる火力がけた違いに上がっている。


「これが俺の全力だ」


その言葉を皮切りに炎の獅子がフェリクスに向かって行った。


ここで初めて、フェリクスが居合いの構えを取った。飛んでくる火の鳥に対してフェリクスは目を閉じている。炎の獅子が迫ってくるが、フェリクスはまだ目を開けない。もう炎の獅子が目前に迫って来た時、フェリクスは目を開けた。


その瞬間、閃光が煌めく。


フェリクスが刀を振りぬいた姿がそこにはあり、見事、炎の獅子は真っ二つに切られた。アベルは魔力をすべて使い果たしたのか、地面に膝をついている。


フェリクスは次の瞬間にはアベルの前で刀を突き立てていた、


「勝者、フェリクス・クレソン」
ヴェルデ先生が勝者を宣言すると観客から盛大な歓声が飛んだ。


「完敗だ、フェリクス、魔法なしなのによくやるな」
「あ、バレてたか、別に手加減したわけじゃないからな」
「ああ、わかっている、お前が本気なら魔法なしでも秒で決着がついただろう」


アベルには分かっていた、最初の火柱の時、フェリクスはやろうと思えば、火柱ごと自分を切ることが出来たはずだ。そして、自分の無力さにも気づかされた。こんな事では将来、民を守ることなんてできないと。


「ほら、手を出して」
「ああ」
フェリクスは手を出して、アベルを起き上がらせた。


「これは・・」
手を握られた瞬間、アベルは自分の中に何かが流れ込んでくるのを感じた。


「魔力を少しだけ分けた、そのままだと歩くのもつらいかなと思ってね」
「全く、何から何まで完璧だな」
「俺なんてまだまだだよ、親父がいるからね」
「お前がまだまだなら、おれはダメダメだな。お前がそこまで言うのだ、親父さんには一度会ってみたいものだ」
「それなら、今度、そのうち会えるようにするよ」
「それは是非ともお願いしたい」


そのまま肩を抱いて、フェリクスはアベルと共にステージから控室に歩いて行った。観客はその姿にさらに大きな歓声と拍手を送った。





















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