天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する

スリーユウ

28

後日、フェリクスは一人で、魔法空間に来ていた。指輪に刻また術式を試すためだ。
とりあえず、風の属性変化をさせて、指輪から術式を取り出した。地面に照らし出された術式を見てみるが、どうやら、身体強化のようだ。その術式通りに神力を組み立てる。フェリクスが試そうと一歩踏み出した途端、ものすごい速さで地面に転がった。


「え、うわ、ちょっ」
幸い、ここは学園長が作った魔法空間なので入り口の扉以外、壁というものはない。これがもし外だったならば、何かに当たって大怪我をしていただろう。


「あながち、アリサ姫が言っていた100倍ってのもあまり信じていなかったけど、本当だな」
「あんた、何やってんの?」
「読んでも無いのに、よく出てきて大丈夫ってわかったね」
「出て来なくたって、風が私に周りのことを教えてくれるのよ、風の精霊の特権よ」
「そんなこともできるんだね」
「こんなの朝飯前よ」


フェリクスはもう一度、風の術式を起動させた。そして、ゆっくりと一歩を踏み出した。どのぐらいの距離を移動したかはわからないが、今度はフェリクスはしっかりと足止まるが出来た。


「感じは魔法の100倍って感じか」
「あんたの才能ってほんとに底なしね」
「そんなことないよ、俺より強い奴なんて腐るほどいるからね」
「あんなに才能がなかったら、他の人はなんなのよ」
「それじゃ次だな」


今度はフェリクスは炎の術式を地面に映し出した。
「これは、なんだ、付与?、シルフ、これ読める?」
「え、武器に付与って書いてあるわ」
「これは武器って読むのか、ありがと、シルフ」


いきなり、自分の愛用の武器で試すのは心配が勝つのでフェリクスは懐から別の小さなナイフを取り出した。
「あんた何でそんなの持ってんのよ」
「護身用だよ」
「護身用で小さなナイフ持ってるのは怖すぎでしょ」
「いろいろあるからね」


その小さなナイフに炎の術式を施した。術式を施しナイフは刃の所が炎に包まれたがすぐに、温度が高くなってしまったのか、ナイフの刃自体が溶け出してしまった。


「これだと、使えなくないか」
「そのままだと無理よ、武器にも別の術式を付与しないと」
「他?武器の強化みたいなやつがいるってことか、因みにその術式はそれを覚えてる?」
「もちろん覚えてないわ」
「だと思ったよ、なら、これはここまでだな」


ここまでで分かったことは指輪に入っている術式は同じようなものではないということだ。しかも、全く内容が違う。これでは本当に一つ一つ試してそれを覚えないといけない。


「とりあえず、やるしかないか」
これに並行して神力の属性変化も試さなければ、ならないので、時間はいくらあっても足りなかった。そうして、いろいろとフェリクスが試している内に時間はあっという間に過ぎていった。











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