天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する

スリーユウ

14

王都に着くなり、レオナルドはフェリクスの方へ向いた。
「しかし、若、ホントにその本1冊だけで良かったんですか?」
「ああ、これだけで大丈夫だよ」
そういうフェリクスの懐には元々紛れ込んでいた1冊とダンジョンで回収した1冊があった。


「しかし、お前たちには少し骨折り損な感じがあるだろうし、これでいいもん食べてこいよ」


フェリクスは懐から金貨を一枚レオナルドに親指で弾いて渡した。


「ありがとうございます、若」
「あ、それなら、若も一緒に行きましょうよ」
クロエが間髪いれずにフェリクスを誘ってくるが、フェリクスは首を横に振った。


「いや、遠慮しとくよ、これを読みたいんだ」
フェリクスは手に掲げたのは遺跡から持ってきた1冊の本だ。


「ああなった若は、梃子でも動かないんだから、ほら、行くわよ」
「はーい、若、また今度遊びましょうー」
「それでは失礼します、若」


「・・・失礼します、若」
まだ、何かを話したそうな顔をアルはしていたが、フェリクスは語ることはもう何もないようにすぐに商会の出口の方へ歩き出した。


「いつも若はあんな感じだぞ、アル」
「え」


「俺たちがCランクでこの商会に入りたての時も、一緒にダンジョンに連れて行ってもらった、何で自分がって思ったさ、しかもその後、若は何も言わず、疲れただろうとさっきみたいに金貨を投げて、去って行くんだ」


「レオナルドさんにもそんなことが、あったなんて」
「そうね、あんたは若に見捨てらえたとか言ってたわねw」
「その話はいいだろ、ともかく、後は自分で考えろってことさ、何か、きっかけは教えてもらえただろう、アル」
過去の経験から確信を持ってレオナルドはアルに質問した。
「はい、それらしいことは一つだけ・・」
しかし、自信がないのか、アルの声は小さい。


「若、言ったってことはそれは間違いなくお前の一番の武器になる、自信を持て、アル」
「はい」
「よし、それじゃ、飲みに行くぞ」
「「「はーい」」」
先輩からの後押しによってアルの声には自信が溢れていた。この出来事がアルが名のある冒険者としての名を轟かせていく最初の一歩だった。











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