天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する

スリーユウ

6

フェリクスは、またも一階に来ていた。
「共用の場所が一階に集中してるから仕方がないけど、毎回降りてくるのも面倒だな」
流石にまだ、夕方だけあって風呂場は生徒達で溢れえていた。


「やぁ、また、会ったな、フィリクス」
「これはまた、奇遇だね、アベル」
風呂場の脱衣所でフェイクスがばったりと出くわしたのは、先ほどまで一緒に食事を取っていたアベルだった。一緒になって服を脱ぐが、アベルはフェリクスの体を見て、呆然としてしまう。
「その傷・・・」
「ああ、これか、昔、色々あっただけさ」
呆然としているアベルを放っておいて、フィリクスはタオルを持って洗い場に向かう。ハッとして、アベルもフェリクスに続き、洗い場に向かう。


「普通に過ごしてたら、そんな傷はつかないだろう?」
切り傷や火傷などがフィリクスの体中に刻まれていた。
「まぁ、そうかもな、でも俺は普通じゃないからな、クレソン商会が父さんが1から作った商会ってことはしってるよね」
「そうだな」
「今じゃ何もされないけど、当時は他の商会とからは、それが駄目だったらしくてさ、暗殺、誘拐、放火、何でもされたよ」
「・・・」


気軽に話された内容がとても重くてアベルは口を気軽に開けなかった。急成長してということは小規模の時代が少し前まであったと言うことだ。他の商会からしたら、危ない目は早めに摘んで置くだろう。


「兄弟全員無事だったし、今が楽なら問題ない」
傷ばかり見ていたが、傷の下には鍛え抜かれた確かな筋肉があった。喋っている間、体を洗い終わったフェリクスは頭にタオルを載せて、湯船に移動した。余りに話に呆然とすることが多いアベルもそれに続く。


「ふぅ」
「大変だったんだな」
「まぁ、その頑張ったのに俺はここにいるけどね~」
「?」
「こんな学園に入るぐらいなら商会で本を読み漁っていた方が幾分か有意義だった」
「この学園にはあまり巷に出回ってない本もあるぞ」
「それは何より、でも商会でダラダラしてた方が楽だったのはホントだ、何で親父も俺をこの学園に無理やり入れたのかね」
「それは俺には分からないが、入れたのに理由があるなら、その内分かるんだろう」
「そうゆうもんか、さて、他の奴の視線も痛いし上がりますか」
「そうだな」


2人そろって茶髪な上に、フェリクスの体の傷が周囲の視線を集めるには十分すぎるほど、目立っていた。むしろ、風呂に入っていたら嫌でも視線が向いてしまう。そんな状態だったのでフェリクスは居心地の悪さを感じていた。


風呂を出ると、そのまま2人は部屋に戻ろうとする。
「ちなみにアベルは何階なんだ?」
「言いずらいんだが、フェリクスなら問題ないだろう」
「?」


2人は階段を順調に上って行くと、アベルは最上階まで登って来た。


「実はここなんだ」
「ああ、そうなのか、俺もこの階なんだ、奇遇だな」
「フェリクスもこの階なのかーへぇー、じゃない、お前も特待生なのか」
「そうらしいな」
「なにーー」
「声がデカイ、別に何か特待生で悪いことでもあるのかよ」
「学年に1人居ればいいと言われる、特待生がこれで今年は3人だぞ」
「ふーん、あんまり興味ないかな、それじゃ、明日からよろしく、アベル」
「あ、ちょー」


驚いて完全に王族としての威厳がなくなっているアベルを横にフェリクスは自分の部屋に戻った。部屋に戻ると、ベットにすぐに入り込んだフェリクスは明日の事を考えながら睡魔に意識を任せた。
(面倒くさいことにならなければいいけどな)

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