(旧)こっそり守る苦労人 中学生編

ルド@

こんな休日(妹が風邪を引いた時の対処法)

「う〜〜〜〜」
「・・・・。」
俺の名は泉零いずみ れい14歳
中学2年生の(異能が無ければ)極普通の男子である。  
俺は今最近仲良くなりつつある我が可愛い妹あおいと一緒で家でゴロゴロしていた。
していたのだが・・・
「う〜〜〜!う〜〜〜〜!」
「・・・・。」
妹がグレちゃいました。
さっきからソファーで寝転んでいる俺に対してう〜う〜唸りながら睨んできます。(睨むと言うより見詰めてきます。・・・・可愛い) 




・・・・まあ唸っている理由は簡単なんだが
今日は学校がお休みの休日である。
本来ならそんな休日であれば、仲良くなった妹と一緒に何処かお出掛けするものでは?と皆思っているだろ。
俺もそうだ。
こんな休日の休み、普段が学校が違うせいで交流が少ない妹と一緒に外へお出掛けしたいというのは、兄として強い願望である。  




しかし 
「ねぇ〜!おにぃちゃんなんでだめなの!?お外行こうよ!」ゆさゆさ 
「ダメだってさっきも言ったろう?熱がある以上今日はお出掛けは無しだ。あと服を引っ張るな。」 
「う〜〜〜」
そうなのだ。
現在葵は風邪を引いている。
おかしいと思ったのは、前日の夕食の時だ。 
成長期で食欲旺盛な時期である葵が何故が普段に比べて全然食べてなかったのである。
本人は食欲がないと言い、心なしかダルそうにしていた。
その時は体温計で測っても熱はなかったが、今日朝起きてみると
「熱でうなされていたと」
「ううううッ」 
見つけたのは朝食の時間になっても、起きて来ない葵を起こしにいった母である。


その後病院に行って、風邪をこじらせたのが分かったので、現在自分の部屋のベットで寝かされている。
・・・・・。
寝かされている・・・・・・・
妙な言い回しだと思った人が沢山いるだろう。
そう、病院で風邪だと言い渡されて俺とのお出掛けがドタキャンになった葵は




すんげー暴れました。医者が引く程に 


あいつ・・・もう小学校6年生で来年から中学生だってのに、幼児顔負けに大暴れしまくったんだ。
まあ結局その後母と俺が止めて強引にベットに寝かせて見張りとして今俺が居るんだが(因みにこの時父さんも居たんだが・・・・・・親離れ父離れってやつかな?父さんが掴もうとすると更に暴れて泣きじゃくるから母さんが追い出したんだ・・・・・・父さん隅っこでしゃがんで・・・・・目を覆って泣いてたな。)


と言うかあの人俺が葵と仲良くしてるとすっげー恨めしそうな顔で睨んでくるよな最近(以前は逆に仲良くしろって言ってたのによ。)  




「とにかく!お出掛けは無しだ。
まず風邪を治せ。」
「う〜〜〜そんな〜〜〜〜!」
額に冷えピタを貼っている葵は俺の言葉に愕然としてそのまま布団中に潜ってしまった。
「そう落ち込むなって、また今度、風邪が治った時にでも行こう。」
「うううう葵は今日がよかったっよ〜〜〜」
・・・困ったな〜そろそろ寝た方が絶対いいが、これじゃなかなか寝ないぞ。
*因みにこの時の葵の一人称は葵だ。中学上がると同時に零に中学生になるんだから、もっと言葉使いを直した方がいいと言われ、少しずつ直していったのだ。
「しょうがないよ。
その代わり今日は俺が傍に居てやるからさ。」
「・・・・・ほんと?」
少しだけ布団から顔出して不安そうに確認してくる葵  
そんな妹に俺は優しく答える。
「あぁ本当だ。だから機嫌直せって、ついでに風邪もな?」 
「・・・・うん」
「よしよし、いい子だ。」ナデナデ
「ん〜〜〜♪」
ついでに風邪というのはちょっとおかしい話だが、葵が機嫌良くしてくれるならまあいいや 






「さぁ早く治す為にも、はやく寝ろ。」
「うん!」  
落ち着いたみたいだな。これで一安心だ。
俺がホッと息を吐いていると、葵が俺の服を摘んでくる。
「おにぃちゃん〜」 
「ん?どうした?」
俺が聞いてみると葵は満面な笑顔(大変カワイイです)で俺を見てくる。






「一緒に寝よっ♪」
「・・・・。」


零の思考 緊急停止!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。  
零の思考 再起動 
へ? ・・・へ? 
「おにぃちゃん?」
「ん?ごめんごめん、よく聞き取れなかった・・・
申し訳ないがもう一度言ってくれないか?」
「一緒に寝よっおにぃちゃん?」
「・・・・・・・おにぃちゃんとは言ってない気がするが・・・」
どうやら幻覚でも夢でも俺の妄想でもならしい・・・・3つ目はないか、そこまでシスコンではない筈だし  
「マジですか?」
「うんまじ!♪」
うわ〜カワイイ
・・・・じゃなくてですね。葵さん? 
「・・・・う〜む。」
「ねぇねぇ良いでしょう?」 
「いや〜さすがに・・・「だめなの?」ダメじゃない。」
そんなウルウルした目で聞かないでよッ!?
断れないですよ葵さんッ!! 






・・・・まあそんな感じで、流されてしまった俺は 
「ど〜ぞ♪」
妹の布団に入りました・・・・添い寝!添い寝だから!!それだけだから!!妹が寝るまでの間だから!!誤解しないで!!お願い!!!!  
「し、失礼します。」
「なんで敬語?」
ごめんね?葵
俺も色々と思考がおかしいんだ。


小学生相手に何動揺してんだ、とか思いながら布団に入る俺
うッ!妹の匂いが・・・あまい・・ハッ!
イカンッ!!これはマズイです!隅に逃げねばーーーーって!?  
「あ、葵さん?」
「えへへへ♪」
妹に背向けてる間に背後からピトッと引っ付かれってしまった・・・ 
な、何か背中に(いけませんよ?)ハッ危ない!!
クールになれ!俺!
葵は妹!小学6年生で成長期とはいえ、まだ小学生だ!これは良くない!!
お兄ちゃん魂を強く持て!!
・・・・・。
・・その前に離れてもらえないか聞いてみよ。(汗)  
「ちょっと近過ぎないか?」 
「ふふん〜♪そうかな?」
嬉しいそうに言ってくる葵 
て言うか更に引っ付いてきたよ・・・ハァ〜
お兄ちゃん魂によって冷静さに戻った俺にはもうこの程度は動揺しないよ葵?
・・・・・・まあ長引くとキツイけど




「あ〜〜少し離れて「いや」・・・ですか」 
・・・・ダメだと思ったけどな
・・・・しょうがない 
そう結論付けた俺は妹に向き直り、優しく頭を撫で続ける。 
「ん〜〜♪おにぃちゃん♪」
「・・・。」


嬉しそうにしてる妹を見て俺は思った。


「(・・・・こんな日常も悪くないな)」   


*その後、家に帰って部屋に来た母と遭遇して散々弄られた零であった。



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