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(旧)こっそり守る苦労人

ルド@

奇妙なランチタイム

「いっ、行ってきま〜・・す」
「おう〜気をつけてな。」


どんよりオーラを体から出しながら店を出て行った白石。 
あの勉強会の三日間、追試試験のため・・・・いろいろ頑張ったなぁ〜アイツ。
そんな中、さすがに疲れ切った俺は、【猫まんま】でアイスコーヒーを飲みながら俯しています。
・・・・疲れてるんです。


「お疲れ様だね零」
「全くですよ全く・・・アイツ・・・不合格だったら絶対しばく。」


俺の言葉に苦笑顏になる柊さんだが、止める気はない様だ。
本当に大変だった・・・・アイツ前の学校でどうやってテストととか乗り切ったんだ?
あの後アイツの部屋で勉強を教えることになったんだがーーー悲惨な三日でした。
時間ギリギリまで延ばし延ばしても、頭を悩ませるだけの白石を見て本当に泊まり込もうか考えた程だ。
・・・・まぁ泊まりませんでしたが、そこらへんは弁えてます。(【猫まんま】で泊まりました、近いので。後トレーニング出来たので。) 


結局、大事な範囲のみを覚えるだけで、三日間が終わった・・・・平均点ギリギリだろうな(間違えてなければ) 


「この後どうするんだい?一旦家に帰って休むかい?」 
「いえ、白石に昼過ぎにここに来るように言ってあるんで、でもちょっと眠いんで奥で休みーーー。」


震える携帯ーーーバイブ音だ。
帰ってきたら即訓練場へ連行してやる!と言おうした俺に、メールが来た・・・白石? 
ーーーいや違う。藤堂?・・・と、水野?


「どうしたんだい?」
「いえ・・・ーーーーハッ。」


しばらく思考を巡らせると・・・・疲れで鈍くなってる頭でも直ぐ答えに導いた俺・・・・こんな時だけっ


「・・・・。」
「れ、零?目が死んでるよ?」
「い、いや〜・・・。」


メール内容を確認した俺は・・・恐らく乾いた笑みで死んだ魚の目になってるだろう。


ーーーだって。 


「まだまだーーー休めそうにないと思いまして・・・・・ちょっと出ます。」
「いっ、いってらっしゃい〜(汗)」


引きつりながらも、そう俺に言った柊さん背中で手を振り、店を出た俺は、先程のメールの返信を2人に送り、目的の場所に歩み出した・・・・・・ははは、重い足だよーーー帰りたいっ(涙目)




********


「来たわね泉」
「急に呼び出すなよ水野」


待ち合わせした場所には、先に来ていたであろう水野が腕組み待っていた。


「言ったでしょう?埋め合わせして貰うって」


ジト目睨む俺に一切反応せず言ってくる。
確かに言ったけども・・・! 急過ぎない? 


「予定を立ててからにしてくれよ・・・俺が用事があったらどうすんだよ?」


文句の一つや二つくらい言わせてくれよっ。
4日間連続で忙しい俺には酷だ。
朝いきなりメールで呼び出すとか、正気ですか? 


「じゃあ聞くけどーーー今日予定あったかしら?」


うっ!痛い所を突いてくるな・・・けど。


「ないーーーいや、一応あるが・・・昼過ぎになるな。」


昼過ぎに帰ってくる白石と訓練する予定だったことを思い出す・・・・うん、絶対やります。
め、珍しくないんだからねっ?
最近忙しいのは本当なんだぞ? 
・・・・なんで言い訳してんだろう? 


「じゃあ午前中いっぱいは大丈夫ってことよね?」
「まぁーそうなるな」
「なら問題ないわね?」
「・・・そうだな」


問題ないことになってしまった。
もう開きなるしかないな、こりゃ。


******** 


「泉さ〜ん!栞さ〜ん!」
「あっ楓だ。」
 

藤堂の到着である・・・随分可愛らしい格好でだ。
水野の方もそうだが、藤堂も普段は見ない私服だから新鮮な気分だ。
水野の格好は、夏にあった肩が少し露出したタンプトップと短パン姿。
藤堂は水色の白の花柄の描かれているワンピースにつばの長い麦わら帽子である。
   

「似合ってんなぁ藤堂」
「えっ!あ、あ、はい、ありがとうございますっ。」


頰を赤く染め俯いてしまう藤堂・・・・まずったか? 


「私には何も無いわけ?」
「うぉっ!?」


背後から水野の低〜〜い声がっ。
真後ろに着くな!背後霊みたいに肩に首を乗せるな!吐息をかけるな!ジト目するなぁ!   


「可愛い可愛いーーーこれで良いか?」
「心がこもってない!」
「がっ!」


あ、頭殴りやがった、この女ぁ!


「あ、あははは、じゃあ、い、行きますか?」
「そうね。今日はアンタの奢りだからね?」
「ま、マジか〜〜っ」


決して金が無いわけじゃないがーーー以前水野を怒らせて大福を奢らされた事を思う出す・・・信じらない出費・・だった。


「あのっ私も出しーー」
「大丈夫大丈夫気にする必要なんてないわよ楓」
「それは俺のセリフだよな?」


何お前が言っての?
色々納得のいかない事が多々あるが、約束を忘れた俺に非があるのは明らかだからな・・・少しは男気を出しますかぁ。


「まあ水野が言った通りだ、気にすんな藤堂。」
「で、でも・・・。」
  

どうにも乗り気になれない藤堂、やっぱ育ちが良いと違うのかねーーー誰かさん・・・・と違って。


「何か言ったかしら?」
「何でもありません水野様」
「様?敬語?」


いちいち反応しないでくれ。
と、今は水野の相手じゃなくて藤堂の説得だ。


「頼むよ藤堂、俺も俺なりに誇りがあるんだ。ココで女性に奢られせたら、男がすたるよ。」
 

さっきまでの反応は、水野に言われたのが癪にさわっただけなんだ。


「・・・・じゃあ済みません・・・今日はありがとうございます。」
「固くなる必要ないが・・・。」


まぁ説得が出来たことだし・・・行くか。




********


「うま〜い♪」
「美味しいです〜♪」
「・・・・・。」


水野と藤堂に行きたいお店は無いか聞くと、彼女達はとあるカフェへ案内して来た。
・・・・何か覚えがーーー。


古き記憶の・・・何か・・・・あった気が〜〜? 


「どうしたんですか?泉さん?」
「パフェが溶けちゃうわよ?」


2人に声を掛けられ、思考を一旦途切る。
水野に言われ自分の前に置いてあるパフェに視線を向ける・・・甘そうな。


「もうすぐ昼だぞ?よく食えるなお前ら・・・。」


早めの昼食を兼ねて、ランチ食いに行くかと思ったら、何故かカフェでみんな1つずつパフェを食べる事になった。


「良いでしょう?ね?」
「このパフェ・・・午前限定のメニューなんです。」
「朝から食べるモンじゃないと思うが・・・。」


本当に謎な存在だなパフェ食べる時の女性はーーーん?
今・・・何か引っ掛かりが・・・あれは確かーーー。


「ほらっ、アンタも食べなさいよ。本当に溶けるわよっ?」
「お、おうっ。」


さすがに溶けたパフェは食いたくない。
俺は用意されたスプーンを持ち、パフェのアイスにすくい口に含むーーー甘い。






「ねぇ泉?」
「何?」


食べ終えコーヒーを飲む俺に水野がテーブルに頬杖を付く。


「夏休みってーーーまだ予定空いてる?」
「ん?」
「栞さんっ?」


水野に言われて頭の中で予定を確認する。思考中の端で藤堂がキョトンとした声が聞こえたが・・・。


「今週はもう決まってるが・・・それがどうした?」 


今週は既に海の方へ行く事になってるからな・・・一応二日で終える予定だが・・・。
それでも帰って来たら来週になってる。


「え〜〜〜!?じゃあ無理か・・・一緒にキャンプ行かないかと思って・・・。」 
「キャンプ?」 


どういう事? 
山にでも行くのか? 


「えぇ。風紀委員のメンバーや生徒会のメンバー、あと楓や学校の知り合い数人とでキャンプに行く事になったのよ。」
「そうなのか?藤堂。」


名前が上がった藤堂に訊いてみると、藤堂は頷き肯定する。


「はい!前々から決めてた事なんですけど・・・泉さんはどうですか?」
「え、あ、いや・・・。」
「海が近くにあるから泳ぐ・・・つまり水着持参ってことよ。
「え、み、水着・・・?」
「ち・な・み・に由香先輩・・・・も参加の予定よ。」 


藤堂の言葉の後に水野がニヤリ顏でそんな事を言ってくる。
・・・何故俺に言う。


「ん?何想像したのかしらぁ〜〜?」 
「なんも想像しとらんのだが・・・・。」


ただまぁ、効果はあるな・・・由香さんの名を上げるとはーーー策士か?この女
由香さんの水着姿・・・アカン・・グラついてきたわ
水野に言われてつい想像してしまった・・・。
目の前に居る藤堂と水野の水着姿にも、多少興味があるのだが・・・それ以上に由香さんの水着姿・・・・1年前を思い出しますね。


『兄・さ・ん・?』


「な、何も想像してませんよ葵様」 
「何ブツブツ言ってんの?アンタ?」 
「何かお悩みなんですか?」
「・・・なんでもありません」
「「なんで敬語 (ですか)?」」  


脳裏に妹様がニッコリと微笑んで首を傾げてた・・・ホラーだよ完全に。
正直今からでもやっぱりに行くと言いたいところではあるーーーーだが。 


「悪いな水野、藤堂、予定が決まってるが、それ以前に旅行に行く気が全くないんだ。」
「え?どうして?」


何故か食い付いてくる水野。
正直に”街を守るから極力出たくない。”なんて言う訳にもいかないからーーー即興で作った設定で。


「あー、旅行が苦手なんだ・・。」
「へ〜ちょっと意外です。」


意外です。自分でもそう思いました。
不思議そうにする藤堂に、何処か胸が張り裂ける感覚に襲われるが。 




この時俺は何故あんな返答をしたのか・・・何処でキャンプするのか・・・・聞かなかったことを・・・
暫くして後悔することになるのだが・・・・今の俺はまだ知らない。




 

「じゃあご馳走になったわ泉。」
「本日はありがとうございました泉さん。」


軽く頭を下げる水野と深くお辞儀をする藤堂に、俺も軽く頭を下げた後、手を振る。


「あぁ、ホント気にすんなって藤堂・・・水野お前は強者だな」
「は、はい。」
「どういう意味かしら?」


とまぁ、こんな感じで別れた後、俺は【猫まんま】へ戻っていたのだった。


********


「た、ただいま戻りました〜・・。」
「あぁお帰り白石さん」
「やっと戻ったか」


俺が【猫まんま】に戻って1時間後、白井が帰還してきた・・・追試戦場から。 
 

「な、なんとかっ!乗り切った〜〜〜〜っ!」
「おお、おめでとう!白石さん」


ベタ〜〜〜!とテーブルにうつ伏せになる白石・・・魂が抜けてないか? 


「あぁ〜〜!泉君ホント〜〜〜〜!にっ!、勉強を教えてくれありがと〜〜〜〜うっ!(涙目)」 
  

感涙してるよ白石のヤツ。
ん〜〜〜ちょっとこんな疲れ切った白石を見ていると・・・訓練場へ連れて行くのはーーーーーーーーーーーまぁ良いか(鬼ですね)。


「よしっ!じゃあ行くぞ〜。」
「え?・・・何処に?」
「ん?何処ってーーー訓練じょ「いやぁぁぁぁぁぁあっ」おっと。」


ガシッ、逃げようとした白石の腕を腕で絡ませロック、逃がさないぞ? 


「イヤァァァ!柊さぁんーーー!」
「はははっ、頑張ってね?」 
「おら、行くぞ?」 


ギャーギャー叫び暴れ回る白石を軽く無視して、そのまま地下へ直行するのであった。
残念だが今回は俺もマジなのです。
白石には悪いが、今回の俺もある程度ーーーー本気マジで行かせてもらう・・・・・・・・
 

軽い訓練ですパート3へ続く。

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