(旧)こっそり守る苦労人
どうしよう?
篠崎兄妹視点
兄妹が公園に来て20分程が経過した。
その頃には戦闘は終わっていた。
「こ、これで良いんですか?」 
須膿に聞く蓮、彼は今仰向けで倒れている、魔獣に寄生された男性を膝を乗せ、胸の中心部分に青く染まった警棒を突き刺している。
彼自身も片目と右腕が青く染まっている。
「ああ、それで良い。流石『退魔能力者』だ・・こういう時は便利だな?」  
「・・蓮を知ってるの?」
公園に設置されているタイヤに座る須膿を訝しげに見る江梨。 
この男は得体が知れない・・・先程共に戦いはしたが警戒してしまう。
「い〜や?お前らにメールした英次から聞いた。優秀な”退魔能力者がいるからソイツを使って倒せ”とな。」 
使え・・自分をモノ扱いされて、複雑な心境の蓮であるが、一緒に気になる情報が入った。
「僕の能力を知っている人物・・・。」
まさか、同じ『四神』のメンバーが情報を流した?上司が?それとも・・・外部?。
色々な憶測が頭の中で広がる中、須膿がなんでもないよう言って、思考を止めてきた。
「そこは深く考えることぁねーよ。アイツにはそういうヤツだ。俺としても今回の相手はメンドウだったからな・・・退魔使いが居てくれて助かった。」
俺は縛る事しか出来ねーからなと付け加える須膿を見て、蓮は先程の戦闘を思い出す。
彼の鎖で引っ張り出した男性・・・に寄生した魔獣、恐らくアレが新種なのだろう。
彼が複数の鎖で魔獣を捕縛すると自分達に指示して、蓮には退魔の能力が付与してある警棒で、江梨は炎を獣に変え、逃げ出そうとしたら、捕まえる、もしくは仕留める係りえ回された。
暫く抵抗する魔獣であったが、縛られてる鎖が重いのか、次第に動きが少なくなり・・・・最後に膝をつき動くことが出来なくなった。
そして今に繋がる。抵抗出来なくなった魔獣を倒して蓮が紅く染まった警棒を突き刺したところ、魔獣は苦しみ出し3分程暴れ続けたが、今は意識がなく、現在は男性の顔にも生気が戻っており、魔獣が倒されたのである。
ここまで見届けると須膿は、背を向き公園を立ち去ろうとしていた。 
「じゃ俺もう行くわ。」 
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
慌てて蓮が呼び止めるが、彼の足は止まらない。
江梨が止めようとするが・・・生理的にムリなのか近付こうとしない。
「俺の役目はお前たちと一緒にその魔獣を倒すことだ。これ以上俺がここに居る理由はない。」
「僕達には聞きたいことが・・!」
どうにか引き止めようとする蓮だが、彼は止まらず、彼らに一言告げて去って行く。
「聞きたいことがあるなら、上司に聞け。お前らに情報を提供したヤツのことも知ってるぞ?」
結局、あの男について謎のままの篠崎兄妹であった。
しばらくして、上司に連絡したのは言うまでもない。
********
佳奈視点 
「ハァ、ハァ、ハァ・・・。」
つ、疲れた・・・!
あれからどれ位経ったかな・・? 
「「シュー・・・・シュー・・・・。」」
「ど、どうしよう・・コレ。」
【白光】をもろに受けて、放心状態のサラリーマンさnーーじゃなくて魔獣・・。 
戦闘に入っていきなり襲い掛かれた私は、咄嗟に避けて、距離を取り、相手の出方を見るーーーーというのが大体いつもの戦法なんだけど・・・。
訓練の時に泉君から 
『格上の相手に様子見とか、お前には意味のない選択だ。お前の場合、様子を見るより、相手が何かする前に、とっとと、大火力で倒した方がいい。』
泉君と何度も模擬戦をしていく内に、泉君からそんなアドバイス・・・かどうかよく分からないことを言われた。
簡単に言うと、”力押しで行け”と言われました。
けど、それは無理だと最初は思ったよ・・・だって
『無理よ泉君。私の異能【白光】破壊の異能だよ?まだよく分からないところも沢山あるけど、破壊系なのは間違いないよ?』
泉君は自分の異能で迎撃してるから、ケガしてないけど・・・もし直撃したら、ケガぐらいじゃ済まなくなる・・・! 
『破壊系・・か。まあ一応破壊重視の異能なのは、訓練で知ってるからな・・・・・なら』 
ニヤっと笑みを浮かべる泉君を見て、私は嫌な予感が・・・・最近訓練中に感じる悪寒に似た感覚が・・・。  
『できるようにしないとな?・・・・俺が死なないように』
・・・・頭が真っ白になった。
『じょ、冗談でしょ・・?』
う、ウソよね?そんなもし加減間違えたら・・・。
『ーーー撃て。』
『ーーー!?』  
身体に重圧が・・!
コレは・・・・!
泉君が言ってたーーー異圧!
『おまえ・・・俺の協力者になるんだろ?』 
『ーーーッ』ビクッ
怖い怖い怖い・・・怖い・・!
恐怖で心が折れそうだった。
ーーーけど。
『心配するな。』
殺気充満する場で、悠然と立ちながら彼は薄く笑みで言った。
『今程度の異能じゃ俺はくたばらん。俺の身を心配したいなら、もっと腕上げてからしろ。』  
『あ・・・うん。』 
ムチャクチャ発言だとその時私は思ったけど・・・同時に安心して重かった体が軽くなった。  
「習得するまで大変だったけど・・・。」
泉君めぇ・・・・。
失敗する度に罰ゲームとか言って、用意したクジから変な命令ばっかしてきて・・・! 
は、恥ずかしかった・・・!コスプレまでしちゃたし!ううう絶対江梨ちゃんに言えないぃ・・。
・・・・・何処から用意したんだろアレ。 
「「シュー・・・・」」
・・・・それより、コレだよ。
上手く加減が出来たっぽい・・・のびてる。
でもまだ、魔獣は死んでない・・・・ああ、こういう時に蓮君が居てくれたら!
ブー・・・ブー・・・ブー  
「ん?電話・・・・泉君んんん!?」 
電話相手が泉君だった事に、素っ頓狂な声を出す私は、慌てて電話に出るとーーーー。
********
英次視点
5分程前 
「おっ、スノウさんからメールだ。」 
「なんて言ってるんですか?」
僕がメールを確認すると隣の凛さんも気になるようだけど、目が離せないから聞いてきた。   
 
「えーと・・『終了した。』・・・以上。」
「・・・それだけですか?」
「あの人らしいねーーーーッ!」
呆れ声の凛さんに相槌を打っていると零からメール・・・合図がきた《・・・・・》ッーーーー。
「零も終わったみたいだよ。凛さん。」
「え・・・・終わったんですか!?」 
なんのことか気づいてなかったのか、目を点にしていた凛さだが、僕の言葉の真意が分かったようで、目を見開き確認してくる。
「凛さん凛さん?集中して集中〜」
「はっ!あわわわっ」
慌てて視線を零たちのいる卓球台へ移す。
危ないね〜もう何してんるんだい?
「英次さんのせいでしょう!?」
視線を台に固定したまま、こちらに抗議してくる凛さん。
・・・・済みません。不意過ぎました。
「そ、それじゃあ僕がまた停電させて視界を誤魔化すから・・・宜しく。」
「了解です。」 
あ〜〜・・・やっぱ女性は怖いね。
「これで全部終わったんですね。」
僕が工作に動こうしている最中に、凛さんがそんなことを呟いた。
・・・・・なに言ってるんだい?
「終わってないよ?まだ」
「え?・・・どういう」 
ん、説明が足りなかったようだ。
僕は工作作業に移りながら、凛さんに説明する事にした。
今回の新種の危険性をーーー。  
********
零視点
10分程前
「ふぅ〜・・終わった。」
正直疲れたわ・・・まあ俺がやり過ぎたのが原因なんだが。
「くぅ・・・くぅ・・・。」
「・・・・イヌか?」 
イヌの寝息みたいな寝息で、その場で大の字で寝ている女子・・・カイチョウさんだ。
顔色もすっかり生気が戻り、鎌も泡も消えている。
・・・なにより、先ほどまで感じた悪意みたいな気配が消えている。
「・・・・・。」
【詠み手】で消費して少ないが彼女の体内心力を調べる・・・。 
・・・・俺の黒炎で消費した心力が予想以上に大きいのか?・・・ほとんど無い。 
それでも一応把握出来たが、少ない事を除けば安定した心力だと俺は思った。
・・・・・なんか、心力が彼女の呼吸に合わせて自然に動いているのが気になるが、おそらく体質だろう。    
「それでも、このままにして置くのは」
マズイだろうなと言う前に行動に移った。
「ーーよっと。」
大の字で寝ているカイチョウさんの上半身を、起き上がらせて背後に回る。
「くぅ・・・・くぅ・・」
目覚める気配の無い彼女・・・そんな彼女の背中に手を当てーーーー意識を集中する。
「んーーー。」
【心給】 
俺は自身の心力をカイチョウさんに注ぎ込んでいる。
単純なことだ。心力の補給である。このまま快復を待つよりも、こうして供給してやった方がいい。
まあ対象にうまく馴染ませるのにコツがいるが・・・俺なら簡単。 
「くぅっ!うぅあ・・あ〜・・んっ!」
「・・・・・治療だよ?」
何故か色っぽい声を漏らすカイチョウさんに、これまた何故か弁解する俺・・・誰も聞いないのに・・。 
そういえば、昔リンにも供給をした事があったが・・・・漏らしたかと思った。(ビックリして異能が暴走しただけらしい。) 
「あああっ・・んぁ!くぅ〜〜〜!くぅーーーあっ!」
「・・・・ほ、ホントですからね?」
なにこれ?心臓に悪いんですけど!? 
一気に心力を入れるとかえって良くないので、5分程掛けてゆっくり、注ぎ込んだ。
・・・その間、カイチョウさんの艶かしい声を聞くはめになったが・・・・省略で!
「くぅ・・・・くぅ・・。」
先ほどよりも、気持ち良さそうに寝ているカイチョウさん。
「その反面俺の心は、先ほど以上に疲労困憊です。」 
誰か助けてください・・・。
相手がロリだけにこれは拷問過ぎる・・・カイチョウさん起きなくて良かった。
・・・・・切り替えよう。
「さて、まず英次にメールして、その後カイチョウさんが貧血したとでも言って、保健室にーーー・・・・・・。」
ーーーッ!
・・・・白石・・!
俺の周囲を覆ってるリンの結界のせいで感知し難いが・・・・遠くから感じる。白石の心力の上昇と爆発を。
今白石が異能ーー【白光】を使ったのをこの時俺は感じ取った。
「・・・失敗してないだろうな?」
本人の心配より、異能がちゃんと使えているか心配しているのはどうかというのは置いといて・・・・結構苦労したんだよ。  
「勝ったみたいだな・・・・・ーーーー?」 
【詠み手】で遠くの白石を感知しているのだが・・・・その近くに・・・魔獣か? 
心力が乱れてるのが目立つから気付いた俺・・・・あ。
不意にさっきの魔獣のセリフを思い出す。
”オンナガイル” 
「忘れてた。」
イカンイカン完全に忘れてたよ。
俺が魔獣にキレた理由なのに・・・・結構どうでも良いのか?
・・・・・・・・・・・・・。 
「ーーーいやいやいやいやッ!(汗)」
それさすがに人としてダメだろ!? ていうか俺主人公ぉーーー!   
やべーよ!早く助けに行かないとっーーーーーーどうやって?
「・・・・・どうしよう?」 
感知できるけど、遠過ぎる。このカイチョウさんの処理して、みんなから振り切って、目的地まで一般の人にバレないように【武闘】で走る・・・・・時間掛かり過ぎる。
「それに、はやくしねーとーーーー魔獣が逃げ出す。」  
その可能性を危惧している俺なのに白石は全然のようだ・・・心力の状態からして。
白石のやつ気付いてないのか?・・・・・今度お仕置き確定だ!あのバカもんが・・。 
「・・・・・・。」
再び意識を深くしていく俺。
俺の意識が深くしていくと反面・・・俺の意識深くにある『死神』が浮き上がってくるのが分かる。
二重人格というわけでない。ただ、俺がより異能と魔獣に順応していくだけだ。
この瞬間俺は思考処理能力は極限まで高まり、様々な方法が手段が選択肢が可能性がーーーー勝利するための道を
・・・・・仕方ない。
行き着いた先・・・・俺の苦労が尽きないなと、ごねたくなった俺だった。
そこまで考えると思考中に英次にメールしたので、すぐさま白石に電話を掛ける俺・・・・・褒めようか考えたが時間がないので省く事にした。
「・・・・あとが怖いが。アイツ以外にネチっこいからな。」
プルルルルプルルルル!ーーーープッ
「そこを動くなーーーー俺が仕留める。」
プッーーーー。 
よしッ!返事すら聞かずの出てもらって即切る!  
・・・・後日めんどうになる予感がするが気のせいだろう。
「はぁ・・・やるか」
意識をさらに深くしていく俺・・・『死神』が浮き出てくる。
そしてーーーー作戦を実行に移った。
「【詠み手】ーーー解放。」
スナイパーへ続く。
白石の異能訓練について
零「ケホケホッ!」
佳奈「泉君大丈夫!?」
零「おう問題ない【武闘】と【黒夜】で防御した。」
佳奈「・・・ごめんない。泉君「やめないぞ」ーーッでも!」   
零「お前が異能を使いこなせていけば、俺も今後楽になっていくんだ。気長にやれ。そう簡単には俺はやられんぞ?」
佳奈「それはもう分かってるけど・・・けどっ!・・うう」
佳奈「ミスする度この罰ゲームをやらせるのやめてくれない!?そろそろどうにか、なっちゃいそうなんだけど!?」(メガネ+メイド服+ネコ耳シッポバージョン!)
零「え〜〜と次は・・・よっ!」(箱からクジを引いてます。) 
佳奈「お願いよぉぉぉ!流さないでぇ!」(メガネ+メイド服+ネコ耳シッポバージョン!)
零「よし転校生、次はその格好のまま、飲み物を用意して俺と上にいる柊さんに『ご主人様〜コーヒーです〜ニャ♪』と言って配るんだ。もちろん笑顔で心を込めて!」
佳奈「もう許してぇぇぇぇぇぇ!」(メガネ+メイド服+ネコ耳シッポバージョン!)    
兄妹が公園に来て20分程が経過した。
その頃には戦闘は終わっていた。
「こ、これで良いんですか?」 
須膿に聞く蓮、彼は今仰向けで倒れている、魔獣に寄生された男性を膝を乗せ、胸の中心部分に青く染まった警棒を突き刺している。
彼自身も片目と右腕が青く染まっている。
「ああ、それで良い。流石『退魔能力者』だ・・こういう時は便利だな?」  
「・・蓮を知ってるの?」
公園に設置されているタイヤに座る須膿を訝しげに見る江梨。 
この男は得体が知れない・・・先程共に戦いはしたが警戒してしまう。
「い〜や?お前らにメールした英次から聞いた。優秀な”退魔能力者がいるからソイツを使って倒せ”とな。」 
使え・・自分をモノ扱いされて、複雑な心境の蓮であるが、一緒に気になる情報が入った。
「僕の能力を知っている人物・・・。」
まさか、同じ『四神』のメンバーが情報を流した?上司が?それとも・・・外部?。
色々な憶測が頭の中で広がる中、須膿がなんでもないよう言って、思考を止めてきた。
「そこは深く考えることぁねーよ。アイツにはそういうヤツだ。俺としても今回の相手はメンドウだったからな・・・退魔使いが居てくれて助かった。」
俺は縛る事しか出来ねーからなと付け加える須膿を見て、蓮は先程の戦闘を思い出す。
彼の鎖で引っ張り出した男性・・・に寄生した魔獣、恐らくアレが新種なのだろう。
彼が複数の鎖で魔獣を捕縛すると自分達に指示して、蓮には退魔の能力が付与してある警棒で、江梨は炎を獣に変え、逃げ出そうとしたら、捕まえる、もしくは仕留める係りえ回された。
暫く抵抗する魔獣であったが、縛られてる鎖が重いのか、次第に動きが少なくなり・・・・最後に膝をつき動くことが出来なくなった。
そして今に繋がる。抵抗出来なくなった魔獣を倒して蓮が紅く染まった警棒を突き刺したところ、魔獣は苦しみ出し3分程暴れ続けたが、今は意識がなく、現在は男性の顔にも生気が戻っており、魔獣が倒されたのである。
ここまで見届けると須膿は、背を向き公園を立ち去ろうとしていた。 
「じゃ俺もう行くわ。」 
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
慌てて蓮が呼び止めるが、彼の足は止まらない。
江梨が止めようとするが・・・生理的にムリなのか近付こうとしない。
「俺の役目はお前たちと一緒にその魔獣を倒すことだ。これ以上俺がここに居る理由はない。」
「僕達には聞きたいことが・・!」
どうにか引き止めようとする蓮だが、彼は止まらず、彼らに一言告げて去って行く。
「聞きたいことがあるなら、上司に聞け。お前らに情報を提供したヤツのことも知ってるぞ?」
結局、あの男について謎のままの篠崎兄妹であった。
しばらくして、上司に連絡したのは言うまでもない。
********
佳奈視点 
「ハァ、ハァ、ハァ・・・。」
つ、疲れた・・・!
あれからどれ位経ったかな・・? 
「「シュー・・・・シュー・・・・。」」
「ど、どうしよう・・コレ。」
【白光】をもろに受けて、放心状態のサラリーマンさnーーじゃなくて魔獣・・。 
戦闘に入っていきなり襲い掛かれた私は、咄嗟に避けて、距離を取り、相手の出方を見るーーーーというのが大体いつもの戦法なんだけど・・・。
訓練の時に泉君から 
『格上の相手に様子見とか、お前には意味のない選択だ。お前の場合、様子を見るより、相手が何かする前に、とっとと、大火力で倒した方がいい。』
泉君と何度も模擬戦をしていく内に、泉君からそんなアドバイス・・・かどうかよく分からないことを言われた。
簡単に言うと、”力押しで行け”と言われました。
けど、それは無理だと最初は思ったよ・・・だって
『無理よ泉君。私の異能【白光】破壊の異能だよ?まだよく分からないところも沢山あるけど、破壊系なのは間違いないよ?』
泉君は自分の異能で迎撃してるから、ケガしてないけど・・・もし直撃したら、ケガぐらいじゃ済まなくなる・・・! 
『破壊系・・か。まあ一応破壊重視の異能なのは、訓練で知ってるからな・・・・・なら』 
ニヤっと笑みを浮かべる泉君を見て、私は嫌な予感が・・・・最近訓練中に感じる悪寒に似た感覚が・・・。  
『できるようにしないとな?・・・・俺が死なないように』
・・・・頭が真っ白になった。
『じょ、冗談でしょ・・?』
う、ウソよね?そんなもし加減間違えたら・・・。
『ーーー撃て。』
『ーーー!?』  
身体に重圧が・・!
コレは・・・・!
泉君が言ってたーーー異圧!
『おまえ・・・俺の協力者になるんだろ?』 
『ーーーッ』ビクッ
怖い怖い怖い・・・怖い・・!
恐怖で心が折れそうだった。
ーーーけど。
『心配するな。』
殺気充満する場で、悠然と立ちながら彼は薄く笑みで言った。
『今程度の異能じゃ俺はくたばらん。俺の身を心配したいなら、もっと腕上げてからしろ。』  
『あ・・・うん。』 
ムチャクチャ発言だとその時私は思ったけど・・・同時に安心して重かった体が軽くなった。  
「習得するまで大変だったけど・・・。」
泉君めぇ・・・・。
失敗する度に罰ゲームとか言って、用意したクジから変な命令ばっかしてきて・・・! 
は、恥ずかしかった・・・!コスプレまでしちゃたし!ううう絶対江梨ちゃんに言えないぃ・・。
・・・・・何処から用意したんだろアレ。 
「「シュー・・・・」」
・・・・それより、コレだよ。
上手く加減が出来たっぽい・・・のびてる。
でもまだ、魔獣は死んでない・・・・ああ、こういう時に蓮君が居てくれたら!
ブー・・・ブー・・・ブー  
「ん?電話・・・・泉君んんん!?」 
電話相手が泉君だった事に、素っ頓狂な声を出す私は、慌てて電話に出るとーーーー。
********
英次視点
5分程前 
「おっ、スノウさんからメールだ。」 
「なんて言ってるんですか?」
僕がメールを確認すると隣の凛さんも気になるようだけど、目が離せないから聞いてきた。   
 
「えーと・・『終了した。』・・・以上。」
「・・・それだけですか?」
「あの人らしいねーーーーッ!」
呆れ声の凛さんに相槌を打っていると零からメール・・・合図がきた《・・・・・》ッーーーー。
「零も終わったみたいだよ。凛さん。」
「え・・・・終わったんですか!?」 
なんのことか気づいてなかったのか、目を点にしていた凛さだが、僕の言葉の真意が分かったようで、目を見開き確認してくる。
「凛さん凛さん?集中して集中〜」
「はっ!あわわわっ」
慌てて視線を零たちのいる卓球台へ移す。
危ないね〜もう何してんるんだい?
「英次さんのせいでしょう!?」
視線を台に固定したまま、こちらに抗議してくる凛さん。
・・・・済みません。不意過ぎました。
「そ、それじゃあ僕がまた停電させて視界を誤魔化すから・・・宜しく。」
「了解です。」 
あ〜〜・・・やっぱ女性は怖いね。
「これで全部終わったんですね。」
僕が工作に動こうしている最中に、凛さんがそんなことを呟いた。
・・・・・なに言ってるんだい?
「終わってないよ?まだ」
「え?・・・どういう」 
ん、説明が足りなかったようだ。
僕は工作作業に移りながら、凛さんに説明する事にした。
今回の新種の危険性をーーー。  
********
零視点
10分程前
「ふぅ〜・・終わった。」
正直疲れたわ・・・まあ俺がやり過ぎたのが原因なんだが。
「くぅ・・・くぅ・・・。」
「・・・・イヌか?」 
イヌの寝息みたいな寝息で、その場で大の字で寝ている女子・・・カイチョウさんだ。
顔色もすっかり生気が戻り、鎌も泡も消えている。
・・・なにより、先ほどまで感じた悪意みたいな気配が消えている。
「・・・・・。」
【詠み手】で消費して少ないが彼女の体内心力を調べる・・・。 
・・・・俺の黒炎で消費した心力が予想以上に大きいのか?・・・ほとんど無い。 
それでも一応把握出来たが、少ない事を除けば安定した心力だと俺は思った。
・・・・・なんか、心力が彼女の呼吸に合わせて自然に動いているのが気になるが、おそらく体質だろう。    
「それでも、このままにして置くのは」
マズイだろうなと言う前に行動に移った。
「ーーよっと。」
大の字で寝ているカイチョウさんの上半身を、起き上がらせて背後に回る。
「くぅ・・・・くぅ・・」
目覚める気配の無い彼女・・・そんな彼女の背中に手を当てーーーー意識を集中する。
「んーーー。」
【心給】 
俺は自身の心力をカイチョウさんに注ぎ込んでいる。
単純なことだ。心力の補給である。このまま快復を待つよりも、こうして供給してやった方がいい。
まあ対象にうまく馴染ませるのにコツがいるが・・・俺なら簡単。 
「くぅっ!うぅあ・・あ〜・・んっ!」
「・・・・・治療だよ?」
何故か色っぽい声を漏らすカイチョウさんに、これまた何故か弁解する俺・・・誰も聞いないのに・・。 
そういえば、昔リンにも供給をした事があったが・・・・漏らしたかと思った。(ビックリして異能が暴走しただけらしい。) 
「あああっ・・んぁ!くぅ〜〜〜!くぅーーーあっ!」
「・・・・ほ、ホントですからね?」
なにこれ?心臓に悪いんですけど!? 
一気に心力を入れるとかえって良くないので、5分程掛けてゆっくり、注ぎ込んだ。
・・・その間、カイチョウさんの艶かしい声を聞くはめになったが・・・・省略で!
「くぅ・・・・くぅ・・。」
先ほどよりも、気持ち良さそうに寝ているカイチョウさん。
「その反面俺の心は、先ほど以上に疲労困憊です。」 
誰か助けてください・・・。
相手がロリだけにこれは拷問過ぎる・・・カイチョウさん起きなくて良かった。
・・・・・切り替えよう。
「さて、まず英次にメールして、その後カイチョウさんが貧血したとでも言って、保健室にーーー・・・・・・。」
ーーーッ!
・・・・白石・・!
俺の周囲を覆ってるリンの結界のせいで感知し難いが・・・・遠くから感じる。白石の心力の上昇と爆発を。
今白石が異能ーー【白光】を使ったのをこの時俺は感じ取った。
「・・・失敗してないだろうな?」
本人の心配より、異能がちゃんと使えているか心配しているのはどうかというのは置いといて・・・・結構苦労したんだよ。  
「勝ったみたいだな・・・・・ーーーー?」 
【詠み手】で遠くの白石を感知しているのだが・・・・その近くに・・・魔獣か? 
心力が乱れてるのが目立つから気付いた俺・・・・あ。
不意にさっきの魔獣のセリフを思い出す。
”オンナガイル” 
「忘れてた。」
イカンイカン完全に忘れてたよ。
俺が魔獣にキレた理由なのに・・・・結構どうでも良いのか?
・・・・・・・・・・・・・。 
「ーーーいやいやいやいやッ!(汗)」
それさすがに人としてダメだろ!? ていうか俺主人公ぉーーー!   
やべーよ!早く助けに行かないとっーーーーーーどうやって?
「・・・・・どうしよう?」 
感知できるけど、遠過ぎる。このカイチョウさんの処理して、みんなから振り切って、目的地まで一般の人にバレないように【武闘】で走る・・・・・時間掛かり過ぎる。
「それに、はやくしねーとーーーー魔獣が逃げ出す。」  
その可能性を危惧している俺なのに白石は全然のようだ・・・心力の状態からして。
白石のやつ気付いてないのか?・・・・・今度お仕置き確定だ!あのバカもんが・・。 
「・・・・・・。」
再び意識を深くしていく俺。
俺の意識が深くしていくと反面・・・俺の意識深くにある『死神』が浮き上がってくるのが分かる。
二重人格というわけでない。ただ、俺がより異能と魔獣に順応していくだけだ。
この瞬間俺は思考処理能力は極限まで高まり、様々な方法が手段が選択肢が可能性がーーーー勝利するための道を
・・・・・仕方ない。
行き着いた先・・・・俺の苦労が尽きないなと、ごねたくなった俺だった。
そこまで考えると思考中に英次にメールしたので、すぐさま白石に電話を掛ける俺・・・・・褒めようか考えたが時間がないので省く事にした。
「・・・・あとが怖いが。アイツ以外にネチっこいからな。」
プルルルルプルルルル!ーーーープッ
「そこを動くなーーーー俺が仕留める。」
プッーーーー。 
よしッ!返事すら聞かずの出てもらって即切る!  
・・・・後日めんどうになる予感がするが気のせいだろう。
「はぁ・・・やるか」
意識をさらに深くしていく俺・・・『死神』が浮き出てくる。
そしてーーーー作戦を実行に移った。
「【詠み手】ーーー解放。」
スナイパーへ続く。
白石の異能訓練について
零「ケホケホッ!」
佳奈「泉君大丈夫!?」
零「おう問題ない【武闘】と【黒夜】で防御した。」
佳奈「・・・ごめんない。泉君「やめないぞ」ーーッでも!」   
零「お前が異能を使いこなせていけば、俺も今後楽になっていくんだ。気長にやれ。そう簡単には俺はやられんぞ?」
佳奈「それはもう分かってるけど・・・けどっ!・・うう」
佳奈「ミスする度この罰ゲームをやらせるのやめてくれない!?そろそろどうにか、なっちゃいそうなんだけど!?」(メガネ+メイド服+ネコ耳シッポバージョン!)
零「え〜〜と次は・・・よっ!」(箱からクジを引いてます。) 
佳奈「お願いよぉぉぉ!流さないでぇ!」(メガネ+メイド服+ネコ耳シッポバージョン!)
零「よし転校生、次はその格好のまま、飲み物を用意して俺と上にいる柊さんに『ご主人様〜コーヒーです〜ニャ♪』と言って配るんだ。もちろん笑顔で心を込めて!」
佳奈「もう許してぇぇぇぇぇぇ!」(メガネ+メイド服+ネコ耳シッポバージョン!)    
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